トヨタ 80スープラ、日産 R32、R33…価格高騰の理由とは!? ちょっと古い日本車にアメリカの若者たちが熱狂するワケ(1/2)
- 筆者: 加藤 久美子
- カメラマン:加藤 久美子・MOTA編集部
海外での日本車の価格高騰には“JDM”&“25年ルール”が深く関係していた
日本ではトヨタ 新型スープラが発売となったばかりだが、アメリカでは日本仕様の80スープラ(1993~)に人気が集まっている。
日産 R32型GT-R(1989~)の人気も相変わらずだ。北米の中古車販売業者が、これらの車を高価格で買い取っていくので、日本の中古車価格も高値となってしまうのだ。なお、R32型GT-RやR33型GT-Rはアメリカで販売されていなかったが、80スープラは1993年のデトロイトショーで発表され、アメリカでも普通に販売されてきた。
なぜわざわざ手間とお金を掛けてでも日本仕様の右ハンドル車を購入するのだろうか? これには、JDM(日本独特の装備や仕様、またはカスタムスタイルのこと)と25年ルールが深くかかわっている。
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JDMとは
JDMとは“Japanese Domestic Market”のことで、直訳すると「日本国内市場(仕様)」となる。これは「海外ではあまり見られない日本独特の仕様や装備または、いかにも日本らしいカスタムスタイル」を意味している。
具体例を挙げると、右ハンドル仕様、深リムホイール、LBやロケバニでおなじみのオーバーフェンダーリベット留めスタイル、車庫証明や燃費基準、車検ステッカーなどだ。
さらに小径ステアリング(特に1970年代~1980年代初頭の旧車)、軽自動車・軽トラックや、アメリカには存在しないカテゴリーの車など、日本独特の仕様や日本で販売されている車を総合してJDMと呼ぶ。
JDMの始まりは古く、1970年代半ばのオイルショック以降、燃費が良くコンパクトな日本車がアメリカで大人気となった時代があった。1980年代はスポコン(スポーツコンパクトの略称、ホンダ シビック、インテグラなどが特に人気)ブームが起こり、その頃から日本車をカスタムして乗るスタイルがアメリカの若者たちの間で定着してきたが、人気を決定的にしたのは映画「FAST AND FURIOUS」(邦題「ワイルドスピード」)シリーズ(以下FFシリーズ)である。
2001年に公開された1作目に登場する車のほとんどが、1990年代の日本車で日産 スカイラインGT-R、ホンダ シビッククーペ、インテグラ、S2000、トヨタ スープラ 240SX、三菱 エクリプスなどのモデルだった。
これらがFFシリーズに劇中に登場したことで、映画の人気と共にこれら日本車のカッコよさがアメリカから世界の若者たちに広まり、北米を中心とした自動車文化に多大な影響を及ぼしたのである。
>>JDMファンから「神」とあがめられる車は?[次ページへ続く]
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