スーパーGTを知る!【第三回】マシンレイアウトとコースレイアウト(1/2)

  • 筆者: 山田 弘樹
  • カメラマン:GTアソシエーション
スーパーGTを知る!【第三回】マシンレイアウトとコースレイアウト
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BoPによる「性能調整」の縛りを受けない「エンジン・レイアウト」

スーパーGTでシリーズチャンピオンを獲るために大切な要素は現在、「ドライバーふたりが優れた能力を持っていること」、「タイヤの性能が高いこと」、「チーム力」の3つだと言われている。

かつてはここに「マシン性能」という大前提があった。しかし現在は、BoP(バランス・オブ・パフォーマンス)によってその性能が調整されることから、ルールとしてはどのマシンにも勝つチャンスが与えられていることになっている、というのは前回お話した通りだ。

しかし、いくらマシン性能が調整されようと、個々の資質までは変更できない。クルマで言えばそれは、車両特性。特に重要なのが「エンジン・レイアウト」だ。そしてこの個々の資質を活かすことによって、シリーズは優位になる。

「エンジン・レイアウト」をFIA-GT3とJAF GTで比較

現在のGT300クラスの主流であるFIA-GT3を例に取ると、アウディR8やその兄弟車であるランボルギーニ・ウラカンは、エンジンを車体中央に搭載するミドシップという形式を採っている。そしてミドシップは旋回性能とトラクション性能に優れているため、コーナリングコースで速さを発揮することができる。

また、メルセデスAMG GTやレクサスRC FといったFR勢(フロントエンジン・リアドライブ)は、ミドシップよりは回頭性がマイルドなもののその分扱いやすく、荒れたレースでもしぶとく生き残る印象が強い。

一方のJAF GT勢は自由なエンジンレイアウトが採れることから、かつてはレーシングカーとして一番有利なミドシップが主流だった。しかし現状これを採用するのは、なんとトヨタ プリウス GTとロータス エヴォーラ MC(マザーシャシー)のみである。

唯一のメーカー系GT300マシンであるスバル BRZ GT300は、そのできばえこそプチGT500ばりの空力ボディだが、ベースモデルのアイデンティティを守るために水平対向2リッターターボエンジンをフロントに搭載している。

また残りのマザーシャシー勢は4台がトヨタ86 MC、1台がマークXと、全てFRレイアウトとなっている。

「マシンレイアウト」×「コースレイアウト」

FIA-GT3 vs JAF GTという構図でスーパーGTを見ると、さらにその個性が際立ってくる。ざっくり言うと「パワーのFIA-GT」に対して「コーナリングのJAF GT」という図式が成り立つ。もっともスーパーフォーミュラ譲りの3.4リッターV8エンジンにモーターを搭載するプリウス GTはストレートも速く、現状は性能調整でそのスピードを抑えられた形になっていはいるのだが。

よって一昨年ほど前までは、1.5kmのストレートを持つ富士スピードウェイと、ストップ&ゴーのコースレイアウトを持つツインリンクもてぎがFIA-GT勢向きで、テクニカルな岡山国際サーキット、オートポリス、スポーツランドSUGO、チャン・インターナショナル・サーキット(タイ)、鈴鹿サーキットがJAF GT勢向きと言われていた。

ただ昨今は、ベースマシンが新型となったFIA-GT勢の進化が著しく、テクニカルコースにおいても岡山など、立ち上がり加速が重要な長いバックストレートを持つコースでは、メルセデスAMG GT3を駆る♯4グッドスマイル初音ミクが優勝を果たしている。

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山田 弘樹
筆者山田 弘樹

自動車雑誌編集者としてキャリアをスタート。輸入車雑誌 副編集長、アルファ・ロメオ専門誌編集長等を経て、フリーランスのモータージャーナリストに。レース参戦なども積極的に行い、走りに対する評価に定評がある。AJAJ会員。カーオブザイヤー選考委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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