次期クラウンはSUV? それともセダン!? 老舗ブランドのフルモデルチェンジを徹底予想

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1955年の初代デビューから65年以上に渡り日本の高級セダンをけん引し続けてきた老舗ブランド「トヨタ クラウン」が揺れている。次期型はどうなるのだろうか。

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  1. デビューから67年! 超老舗ブランド「クラウン」が揺れている
  2. 新聞報道された「新型クラウンはSUVになる」は誤報だった!?
  3. 「クラウンのクロスオーバー化」こそがブランド存続のためには必要不可欠な道!?
  4. 現行型15代目「トヨタ クラウン」はこんなクルマ

デビューから67年! 超老舗ブランド「クラウン」が揺れている

「トヨタ クラウン」は、1955年の初代デビューから65年以上に渡り日本の高級セダンをけん引し続けてきた老舗ブランドだ。しかし近年は国内市場での販売も振るわず、高級ミニバンの「アルファード」にその役割を譲りつつある。

2020年11月には「次期クラウン開発凍結」「クラウンブランドはクロスオーバーSUVとして再出発!?」という仰天の新聞報道がトヨタのおひざ元である愛知県の主力新聞社からあがり、話題を呼んだ。

老舗のクラウンブランドでさえ、時代変化の大きなうねりの中にいるのは間違いないようだ。

現行型クラウンが登場したのは2018年。次の新型クラウンはどのような姿で現れるのか、それともモデルごと消滅してしまうのだろうか。

デビューから間もなく4年が経過するクラウンの次期型フルモデルチェンジについて、大予想してみよう。

新聞報道された「新型クラウンはSUVになる」は誤報だった!?

2021年、愛知の新聞報道を裏付ける新型車が突如として発表された。クラウンの名を冠したSUV「クラウンクルーガー」が発表されたのだ。

ただしこれは中国での話。それも、同時に発表された3列シートの大型SUV「トヨタ 新型ハイランダー」(アメリカで先行発売済み、日本未導入)の上級版として、中国でも定評のある高級ブランド“クラウン”の名を用いたものだった。

新聞報道はこの動きを事前に察知し、名称の一致だけで先走ってしまった誤報だったのだろうか。

さらに高級3列シートミニバン「アルファード」の兄弟車「ヴェルファイア」に、更なる上級モデルとして「クラウンヴェルファイア」なる新型車も同時に中国で登場している。

ほぼ既存車種のバッジを付け替えただけという急ごしらえな派生モデルとは言え、中国市場でのクラウンブランドの強さを改めて認識させられるニュースだった。

市場が縮小しつつある国内だけを考えると、クラウンは近い将来にモデル消滅する選択肢すら見えてしまう。中国や周辺のアジア新興国市場に向けたブランド再生こそが、次期クラウンが生き残る道ではないかと思わざるを得ない。

「クラウンのクロスオーバー化」こそがブランド存続のためには必要不可欠な道!?

こうした中国での状況を考えると、新聞報道でみられた「クラウンクロスオーバー」(“クロスオーバー”とは、例えばセダンと別のスタイルの掛け合わせた融合モデルを指す)という噂も、また違った角度で展開される予想が立つ。

かつてクラウンにも、ステーションワゴンや2ドアクーペ、4ドアハードトップなど複数の派生モデルが存在していた。それもひとつの“クロスオーバー”モデルと考えられなくもない。

高級車ユーザーの嗜好の変化をみつつ、セダン版フルモデルチェンジの後に、何かしらの別バージョンが追加される…というシナリオだ。

例えばクロスオーバー(掛け合わせ)の別モデルとして、クラウン名の4ドアクーペ、SUV、はたまた3列シートのミニバンといった展開が考えられる。

クロスオーバーな横展開を可能とするFF系プラットフォームに鞍替えか

そうなると次の新型クラウンは、現行型で新規採用されたFR系新世代プラットフォーム「GA-L」を1世代限りでやめ、FFの大型車向け新世代プラットフォーム「TNGA GA-K」をベースに誕生する可能性も出てくる。セダンからSUV、そしてミニバンという幅広い“クロスオーバー”な横展開の実績を持つプラットフォームだ。

電動化モデルとしてはトヨタお得意のハイブリッドに加え、PHEV(プラグインハイブリッド車)も既に展開されている。

前出の新型ハイランダー/クラウンクルーガーはこのGA-Kプラットフォームをベースとしているし、2023年にも登場が噂される新型アルファードやレクサス RX(SUV)もGA-Kがベースという話だ。

クラウン系の派生モデルは日本にもやってくる!?

現状、世界の高級車ブランドで流行っている4ドアクーペモデルは、まだこのプラットフォームで誕生していない。クラウン名で登場すれば、中国をはじめとする富裕層の注目を集めそうだ。

最新モデルをベースとしたクラウンクルーガーはともかく、急ごしらえで誕生したクラウンヴェルファイアも、新型アルファードをベースにフルモデルチェンジさせる可能性も高いだろう。

ベーシックなセダン、4ドアクーペ、SUV、3列シートミニバン。多数用意されるクラウンとクラウンクロスオーバー系派生モデルのうち、日本市場にやってくると想定されるのはいったいどれだろうか。

4ドアクーペはあくまでも予想の域を越えない。クラウンクルーガーは全長5メートル級で、日本市場にはちょっと大き過ぎる。そもそもSUVはハリアーやレクサス各車と国内で既に高級モデルが揃っており、新規車種も考えづらい。

大穴としてアルファードの派生モデルという線だが、既にアルファード自体が高級車ブランドとして確立しているところへわざわざ新規参入する意味が薄い。さらにレクサス版のアルファードを日本にも導入する計画もあるため、まず可能性は低いと見ていいだろう。

結局のところ、国内向けの新型クラウンはセダンしかない、という結論になる。フルモデルチェンジが予想される2022年から2023年にかけ、国内外でのトヨタの動きには引き続き注目しておきたい。

現行型15代目「トヨタ クラウン」はこんなクルマ

現行型(15代目)の新型「トヨタ クラウン」は、2018年6月26日に約5年半ぶりのフルモデルチェンジを実施。新開発のTNGA「GA-Lプラットフォーム」を採用し、基礎性能を大幅にアップし、先進運転支援機能や安全性能を向上させた。ハンドリング性能の磨き上げのため、世界一ハードなドイツ・ニュルブルクリンクのサーキットで仕上げのテストを行うなど、相当に気合の入ったデビューを果たしている。

トヨタ渾身の力作となった15代目の新型「クラウン」だが、デビュー年2018年度(2018年4月~2019年3月)の販売台数こそ5万8548台(月平均 4879台)を記録したものの、翌年2019年度(2019年4月~2020年3月)は2万9680台(月平均 約2473台)、2020年度(2020年4月~2021年3月)の販売台数は2万1858台(月平均 約1822台)と、減少傾向に歯止めが止まらない。

そして昨年2021年(1月~12月)1年間の合計は2万1411台(月平均 約1784台)となっている。

確かに2020年から2021年にかけ、世界的なコロナ禍の影響を大きく受けた年ではあったが、クラウンとほぼ同価格帯の500万円台から700万円台という高級3列シートミニバン「トヨタ アルファード」は、2020年度に10万6579台を売っている事実もある。高級車の需要は完全に減少している訳ではない。

アルファード躍進の状況を見てもわかる通り、高級車を求めるユーザーの嗜好がここ数年で大きく変化しているのは紛れもない事実だろう。

[まとめ:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル]

トヨタ/クラウン
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トクダ トオル(MOTA)
筆者トクダ トオル(MOTA)

昭和44年生まれ。週末は愛車に乗って(時に鉄道に乗って)家族とともにドライブやキャンプを楽しむ1児のパパ。自動車メディアに携わるようになってから15年余りが経過。乗り換えに悩むユーザーの目線に立った平易なコンテンツ作りを常に意識し続けている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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