ポルシェ ケイマンS 海外試乗レポート(1/4)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:ポルシェ・ジャパン株式会社
911シリーズ同様のリファインで登場
911シリーズのリファインに引き続き、2008年11月に開催のロサンゼルス・モーターショーで発表されたのがボクスター/ケイマンのマイナーチェンジ・モデル。前後バンパーやライト・デザインの小変更といった内容も含まれるものの、そのリファインの軸となるのは「完全新開発のエンジン搭載と、トルコンATに代わるデュアル・クラッチ・トランスミッションの設定」という911カレラ・シリーズと同様のメニューとなる。
実はこうして911、ボクスター、そしてケイマンとこれまでモデルチェンジのタイミングがバラバラだった各モデルがほぼ同時期に一斉のリファインを行ったのにはひとつの理由が考えられる。
現在ポルシェ社は、エンジン生産工程の刷新を実行中。その一環として、ターボ付きや911GT3系用など一部を除くすべての水平対向ユニットの組み立てラインを、従来からの本社工場に隣接した“新エンジン工場”へと2008年秋に移転済み。これが今回新エンジン搭載モデルがほぼ同時期にリニューアルされた大きな要因であると同時に、そのユニットが一部改良に留まらず完全新設計されたのも、生産サイドの事情が大きく関係していると推測出来る。
燃費と出力を向上させた新エンジンは、部品点数を減らすなど大幅に合理化された設計を備える“ニューモデル”でもあるわけだ。
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