ポルシェ ケイマンS 海外試乗レポート(3/4)

  • 筆者: 河村 康彦
  • カメラマン:ポルシェ・ジャパン株式会社
ポルシェ ケイマンS 海外試乗レポート
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唯一の不満はシフトスイッチの操作方法

新たにミッドシップ・ボディへの適合が図られた“PDK”は、911にアイテムの搭載と同様に素晴らしい出来栄えの持ち主だった。

微低速シーンではこれまでのトルコン式AT“ティプトロニック”に匹敵するほどに滑らかで自然である一方、エンジントルク伝達のレスポンスは遥かにシャープ。アクセルワークに対するクルマの動きのダイレクトさは、まさにその構造をしっかり反映させた「MTならでは」と言えるもので、今度はこれまでのティプトロニック・モデルのオーナーをがっかりとさせるに十分(?)なポテンシャルを実感させるのがこのアイテムだ。

ただしそんなポテンシャルを持ったこのアイテム最大の不満点は、トランスミッション本体ではなく操作方法に存在する。ステアリング・ホイール上に設けられた「押してアップ/引いてダウン」というシフトスイッチの操作ロジックが、どうにも感覚的に合わないのだ。

中には「これが自然」と受け入れる人も居るかも知れないが、「逆にすべき」という意見も当然あるだろう。それゆえ、ここは好みによって操作方向を選択出来るようにして貰いたいもの。単なる電気式スイッチゆえ、技術的にはわけなく可能であるはずなのだが・・・。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

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