試乗レポート

ポルシェボクスターS 海外試乗レポート(3/4)

公開日:2009/02/20 20:22 最終更新日:2009/03/02 20:43

筆者：河村康彦
カメラマン：ポルシェジャパン

「快適性が向上した」PASMのしなやかな乗り心地

一方、ケイマンＳの場合と同様、人によって評価が分かれると思えたのは、新しい足回りのセッティングだ。

今回用意されたテスト車は、いずれもがオプション設定の電子制御可変減衰力ダンパー“PASM”を装着。が、それを装着した同士の新旧比較でも明確なのは、新型のサス・ストロークの方が従来型よりも遥かにしなやか感が強かった事だ。

前述“PASM”の作動しきい値を含めたサスペンション・セッティングの変更に加え、リアタイヤの指定内圧を従来型のそれから大きく落とすなどのリファインが行われた新型の足回り。それらがもたらす際立ってしなやかな乗り味を、恐らく多くの人は「快適性が向上した」と感じる事だろう。

一方でそんなセッティングが、路面によっては従来型以上に大きなボディの動き量を許す場面も発生していたように思う。もちろん、そこで“PASM”をスポーツモードにすれば、そうした動きを封じ込める事は可能。が、すでに従来型でも十二分に高い快適性を実現させていただけに、このリファインには疑問符を与える人も居るかも知れない。

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筆者河村康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン（三栄書房）の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員などを歴任。記事一覧を見る