プジョー 新型508 速攻試乗|2700kmのロングドライブで見えた上級グレードの実力とは(2/5)

  • 筆者: 内田 俊一
  • カメラマン:和田 清志・内田 千鶴子
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ボディ剛性の高さは秀逸

街中を走らせていても、ディーゼルであることを意識することはほとんどない。あえて挙げるとすれば、停止寸前に信号が変わり、一気にアクセルを踏み込んだ時に高まるエンジン音で、少し気づく程度だ。そこそこのトルクとパワーのおかげで快適に街中を走らせることができた。

また、新プラットフォーム「EMP2」を手に入れたおかげで小回り性も向上。最小回転半径が、先代の5.9mから5.5mに減ったこともその乗りやすさに貢献している。

乗り始めてしばらく経ち、新型508に慣れてきてふと思い出したことがある。それは新型508がテールゲートを備えていたことだ。つまり、通常のセダンと遜色のないボディ剛性を備えているのだ。

多少の段差を超えたとしてもみしりともいわないし、フロア周りから振動も伝わってこない。これだけ大きな開口部、さらにテスト車にはパノラミックサンルーフを備えているから、なおさら剛性の低下を感じてもおかしくはない。

資料を見ると、新しい溶接技術と、計24mもの構造用接着剤を併用することで、ボディ剛性を向上させていると記載がある。この接着剤により、点ではなく面で剛性を確保していることが、大きく貢献していると思われる。これであれば、SWであったとしても剛性は安心できるだろう。

気になる点も…左右の視界が少々悪いのはミラーの“生え方”が要因

一方気になる点も見えてきた。ひとつは左右の視界だ。Aピラーがかなり寝ており、かつ、太いため少々見にくいのだ。また、ドアミラーがドアからではなくピラーから生えていることも大きな要因になってしまっている。ピラーの太さと角度に関しては、デザインの影響を受けてしまっているので直ぐに変えることは難しいが、是非ミラーだけでもドアから生やすようにしてもらいたいものだ。

もう一つ気になることがある。それはアイドリングストップの介入だ。信号が赤になり、徐々に速度を落として止まる寸前にアイドリングストップが介入しエンジンがストップするタイプなのだが、単に停止だけの場合は大きな踏力の変化もなくスムーズに停止できる。

しかし、そこからわずかに前に進みたい場合などでクリープのみでブレーキだけで速度調整をしたい場合にはこのアイドリングストップによりブレーキの踏力が変化してしまい、一定速度を保つことが難しいのだ。これは渋滞時には特に気になった。

高速道路で光る魅力

高速道路は、508の良さが引き立つシチュエーションだ。結論から言うと、非常に快適かつ安定した走行が可能だ。その結果、今回足を延ばした宮城県・気仙沼からの帰りの高速ではノンストップで都内まで帰り着いた。それほど疲れなく、淡々と高速道路を走ることができたのだ。

そこで気付いたのはシートの良さだ。乗り始めた時は背面の凸凹に違和感を覚えたのだが、体が馴染んだのかシートが馴染んだのか、そのうち気にならなくなった。

乗り心地は若干固めだったが、しっかりとダンピングの効いた好ましいものに仕上がっている。GTグレードでは235/45/R18(テスト車はミシュランパイロットスポーツ4)を履いているのだが、ベーシックグレードのアリュールが装着する215/55/R17であれば、ばね下重量がより軽くなることからよりしなやかさが強調され、しっとりとした乗り心地を楽しめたことだろう。

>>高い直進安定性と安全運転支援システム制御[次ページへ続く]

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内田 俊一
筆者内田 俊一

1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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