フランスで根強い人気を誇るカングーのライバル、シトロエン ベルランゴ/プジョー リフターを徹底解説!

日本以外でも意外に需要があるミニバン

同じPSAグループにある、いわば姉妹ブランドのようなシトロエンとプジョー。ジュネーブショーの会場においてもこのふたつのブランドのブースは隣り合わせで、そしてどちらもマルチ・パーパス・ヴィークルを主役に据えたかのような展示を行っていた。

中でも最も目立つ位置に置かれていたのが、シトロエンは3代目となった新しい“ベルランゴ”、プジョーは従来のパートナーに代わってネーミングも新たに登場となった“リフター”、だった。日本には正規輸入されていないので聞き慣れない名前と感じることだろうが、フランス本国ではルノー カングーのライバルにあたり、ベルランゴに至ってはシトロエンのラインナップの中ではC3に次いで2番目に売れているというほどメジャーな存在である。

ヨーロッパにおけるこのクラスではカングー、そして先代のベルランゴとパートナーが熾烈な販売競争を繰り広げているが、今度のベルランゴ/リフターは、これまで以上にカングー打破を目指して開発されたように感じられるほどチカラが入っている。

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フランスのオシャレMPV、ベルランゴ/リフターとは

ベルランゴとリフターはブランド違いの双子車といえるモデルで、車体はシトロエンC4ピカソやプジョー3008にも採用されている“EMP2”プラットフォームをベースに開発されている。ルノー カングーよりもやや大ぶりに作られる伝統は今回も踏襲されていて、全長はカングーより1200mm長い4400mm、全幅は200mm幅広な1850mmとされる。それがスタンダード版。それより全長がさらに350mm長い4750mmのロング版もラインナップされていて、3列目のシートを持つ仕様も用意されている。

荷室容量はスタンダード版の標準時で775リッター、ロング版では1050リッター。ロング版では畳めるシートを全て畳めば4000リッターまで拡大されるという。当然ながら荷室の長さも大きくとられていて、標準版では2700mm、ロング版では3050mmの長物を積み込めるそうな。また室内には大小様々な収納スペースが28個も用意されていて、その合計が186リッター。マルチ・パーパス・ヴィークルとしての使い勝手を徹底的に追求した感じだ。

パワーユニットは、ガソリンが1.2リッターのピュアテックの130ps仕様と110ps仕様で、ディーゼルが75ps、100ps、130psの3タイプの1.5リッター・ブルーHDi。トランスミッションには8速ATのEAT8も設定されている。

またPSAグループお得意のグリップ・コントロールをはじめ、20近く運転支援システムが用意されていることも特徴。シトロエンとプジョーではそれらの扱いに若干の違いはあるようだが、いずれにしても先代ベルランゴ/パートナーに較べると大幅に充実している。

シトロエン版とプジョー版とでは乗り味のチューンも異なる!?

シトロエンのベルランゴとプジョーのリフターで最も大きく異なっているのは、前後のフェイスを中心としたそのルックスとインテリアのデザイン。ベルランゴではC4カクタス同様のエアバンパーを選ぶこともできるし、リフターはプジョー特有の“iコクピット”を採用するなど、ブランドごとの主義主張はしっかりとなされている。

おもしろいのは(これは実際に乗ってみないと実感できないことだけど)シトロエン ベルランゴの資料には“サスペンションのセッティングはシトロエンらしいものである”というようなことがハッキリと書かれていて、プジョー リフターの資料には“ドライビング・プレジャーは100%プジョーそのもの”みたいにクッキリと記されていること。ルックスだけじゃなくて乗り味もしっかり分けてるよ、ということだろう。

デリカD:5危うし!?強烈な個性・リフター4×4コンセプトとは

もうひとつ、プジョー リフターに関してはその魅力をさらに高めるコンセプトカーが展示されていたこともお伝えしておくべきだろう。

その名は“リフター4×4コンセプト”。その名のとおり、前輪駆動、必要なときだけ後輪も駆動する自動切り替え、常時4輪駆動の3つのモードを切り替えられる4WDシステムを持ち、最低地上高も80mm引き上げられ、オールテレインタイヤを履いて悪路走破性を高めたコンセプトモデル。

ルーフにはたっぷりしたサイズのテントを備え、リアゲートにはプジョーの電動MTBをマウントできるキャリアを装着している。何とも冒険心を刺激してくれる仕様であり、シトロエンとプジョーのブースでは一番人気。ハシゴを登ってテントの中をチェックする人や下回りを覗き込む人が多く、常に人だかりで写真を撮るのにも一苦労だったほどだ。

ともあれ、ベルランゴとリフターが日本に導入されるかどうかは、現段階では何ともいえない。けれど、実用性は高そうだし、どちらも特徴的だけど行き過ぎてないスタイリングは結構魅力的で、意外や日本でもカングーのいいライバルになるんじゃないか? と思う。プジョー・シトロエン・ジャポンの皆さんには、このクルマの導入をぜひとも真剣に検討してみていただきたい。

[Text:嶋田 智之]

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嶋田 智之
筆者嶋田 智之

本人いわく「ヤミ鍋系」のエンスー自動車雑誌、『Tipo』の編集長を長く務め、スーパーカー専門誌『ROSSO』の総編集長を担当した後、フリーランスとして独立。2011年からクルマとヒトに照準を絞った「モノ書き兼エディター」として活動中。自動車イベントではトークのゲストとして声が掛かることも多い。世界各国のスポーツカーやヒストリックカー、新旧スーパーカー、世界に数台の歴史的な名車や1000PSオーバーのチューニングカーなどを筆頭に、ステアリングを握ったクルマの種類は業界でもトップクラス。過去の経歴から速いクルマばかりを好むと見られがちだが、その実はステアリングと4つのタイヤさえあるならどんなクルマでも楽しめてしまう自動車博愛主義者でもある。1964年生まれ。記事一覧を見る

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