プジョー 新型308・308SW 試乗レポート/今井優杏(3/4)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:阿部昌也
「硬質でレーシング」なエッジの立ったインテリア
乗り込めばかなりシャープでエッジの立った男っぽいインテリアが迎えてくれる。
シトロエン 新型「C4ピカソ」は同じプラットフォームを有しているが、趣は同じフレンチでも相当違う。プジョーはもっと硬質でレーシングなのだ。メタルを多用したメカメカしい仕上げはいかにも“走り”を強調する近年のプジョーらしい演出だ。
きゅっと小さめの、まるでフォーミュラカーかラリーカーか、といったイメージの小径ステアリングホイールも個性的だし、エンジンに火を入れればインパネ内のタコメーターが、通常とは逆回転に、アウト側からぐるんと回る。インパネのレイアウト上、低回転域の視認性を上げるためだそうだが、スピードメーターが左から回転し、タコメーターが右から回転して双方の針が真ん中に向けてスピードとともに向かい合ってくる様子は、ふとメーターに視線を落とすたびにドキっと心臓を震わせる面白い演出だと感じた。
これがホントに3気筒 1.2ターボ!?
走り出せばやはり驚くのはしっかりと膨らむトルクである。
もうダウンサイジングエンジンに対して『まるで○○リッターとは思えない加速』なんて常套句は出来ればあんまり使いたくはないんだけど、やっぱりそう思っちゃうのはしょうがない。だってこのボディサイズをわずか1.2リッターターボが引っ張ってくれるのだもの! そう思ったらやおらありがたみが増してしまうくらい、普段は1.2リッターというエンジンサイズを忘れてしまうパワフルさが心地いい。
試乗ステージは箱根で、しかも雨がそぼ降る中に開催されたのだが、細かに入り組んだ別荘地の急勾配を、私含めて大人3人+カメラ機材をわんさか載せて、がしがしワシワシ進んでいくその余裕の登坂力は、相当頼りがいのあるものだった。
それだけエンジンに無理をさせれば車内の静粛性に影響が出そうだが、実に感動的に静か。これなら高速道路で長時間クルーズするのも快適だろう。
[プジョーの真骨頂”アシ”はどうなった!?・・・次ページへ続く]
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