ガソリンとEVふたつの顔を持つプジョー 2008! 値段以上にガソリンとEVはいったい何が違うの!?(2/2)
- 筆者: 竹花 寿実
- カメラマン:小林 岳夫
対してEVは重厚&パワフル。乗り心地も高級車並み
一方、EV仕様であるe-2008の乗り味はかなり異なる。基本的にはガソリン車の延長線上にあるのだが、車両の低い位置に重量のあるバッテリーを搭載しているため、明らかに低重心なクルマを運転している感覚なのである。
また車両重量が格段に重いにもかかわらず、EVだけに加速はとてもパワフル。
発進直後から260Nmの最大トルクを発揮する電気モーターのおかげで、絶対的な動力性能は、6PSと30Nmというガソリン車との性能差以上に大きい。アクセルペダルを深く踏み込めば、そのアグレッシブなデザインに負けない猛烈な加速が味わえる。
>>メーターに注目! 2008とe-2008の車内を画像で比較
静粛性と快適性がイイ! ワンペダルドライブもできるゾ
特筆すべきは快適性の高さだ。EVなので静粛性が抜群に高いのはもちろんだが、215/55R18と銘柄は同一ながらガソリン車のGT Lineより1インチ大きく、より低扁平なタイヤを装着しているにもかかわらず、乗り心地はよりフラットで、ロールやピッチングも少ない。
重量増に対応するためにスプリングやショックアブソーバーは、より固められているはずだが、プジョーならではの「猫足」感は、明らかにe-2008の方が上だ。
ハンドリングの正確性もe-2008の方が優れている。確かにクルマ自体は重たいのだが、低重心である事に加えて前後重量配分も良いため、コーナリング時の姿勢がとても自然で、ステアリングの修正が明らかに少なく、狙った走行ラインにクルマがピタッと決まる。直進性も非常に優れているので、疲労も少ない。
Bモードを使用すれば、完全停止はしないが、市街地ならほぼワンペダルでドライブできるのもいい。
後席はガソリンよりもわずかに狭い程度
フロントシート下にバッテリーがあるため、後席乗員の足元スペースがやや狭いというウィークポイントはあるが、気になるのはそれくらい。
ラゲッジ容量もガソリン車と変わらない。現時点でこのクラスのSUVとしては世界トップレベルの走りと快適性、実用性を備えていると言えるだろう。この部分だけでも買う価値は十分にある。
>>この違いがわかるか? 2008とe-2008のリアシートを画像で比較
航続距離は実用レベルでは問題なし
問題は航続距離だが、今回、丸3日間使用してみた感じでは、フル充電状態からの実際の航続距離は300km程度である。また高速道路を比較的ハイペースで走ったり、エアコンに負荷がかかるような状態だと、航続距離はさらに短くなる。
だが自宅に200V電源がある人なら、帰宅時に充電を開始すれば一晩でフル充電状態になるし、最近は公共の駐車場に20kWや50kWの急速充電器が設置されている所も増えている。
ちなみにe-2008は6kWまでの普通充電と、50kWまでのCHAdeMO 1.0規格による充電に対応しており、50kWの急速充電器を使用すれば、50分で80%の充電が可能。買い物や食事をしている間に充電すれば、実用上ほぼ問題無い。
差額130万円の価値あり! フツーに使えるEVだった
とはいえ、ガソリン車と使い勝手の点で差がないというワケではない。やはり充電インフラは、とくに都市部を離れるとまだ十分とは言えず、高速道路のSAなどでは「充電待ち」も発生する。e-2008は、実際にはフル充電状態で片道120km、往復250km程度の移動であれば、「電欠」を気にせずに外出できる、といった感覚である。
車両価格は2008 GT Lineが338万円、e-2008 GT Lineは468万円と130万円の差があるが、そこはあまり心配する必要はないだろう。
PSAは車両価格だけでなく、補助金や税金、ランニングコストなどを含めた所有・運用全体のコストを、ICE(内燃機関)車とEVで同等とする「TCO(トータル・コスト・オブ・オーナーシップ)」というコンセプトを打ち出している。あまり走らず、短期間で乗り換えるような人はEVの方が高く付くかもしれないが、平均的なユーザーであれば、e-2008を選んでも、財布に厳しいということはないはずである。
【筆者:竹花 寿実/撮影:小林 岳夫】
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