日産 エクストレイル 20GT 6速AT 試乗レポート(1/3)
- 筆者:
- カメラマン:柳田由人
エクストレイル 20GTにようやくAT仕様が登場!
懐かしい。
6速ATを新搭載したエクストレイル20GTを試乗して、80~90年代のテラノ、パジェロといったオフロードSUVを思い出した。この時代のSUVでは、ディーゼルとATの組み合わせが売れ筋。
それが2000年代に入り、自動車NOx・PM法を皮切りにディーゼル車の厳しい排ガス規制が始まる。
08年にエクストレイルとパジェロで復活するまで、SUVのディーゼルには約7年の空白があった。エクストレイルでは、08年登場の20GTが「ポスト新長期規制」に適合させた。
燃料を高圧で細かく分割噴射できるコモンレール方式を採用。窒素酸化物を除去するリーンNOxトラップ触媒、粒子状物質を抑えるディーゼル・パティキュレート・フィルターなど排ガス処理装置が充実する。クリーンディーゼルの見本のようなエンジンだ。
しかもターボの装着で性能が高い。最高出力は173馬力、最大トルクは3.5Lのガソリンエンジンに匹敵する36.7kg-mに達する。
ただし08年の時点では6速MTのみ。ATの設定は海外仕様に限られた。当時の開発者は「AT仕様では、日本のポスト新長期規制に対応できない」と説明している。
この技術的なメドが立ち、2010年7月のマイナーチェンジを機に、AT専用のエンジン制御を行う20GTの6速AT仕様を追加、今回の試乗となった。
冒頭で「懐かしい」と述べた背景には、ディーゼルエンジンとATの良好な関係がある。
AT仕様の性能は08年投入のMT仕様と同じで、最高出力は3,750回転、最大トルクは2,000回転で発揮する設定だ。ガソリンエンジンの最高出力が6,000回転、最大トルクが4,000回転前後となるのに対し、ディーゼルエンジンの回転域は大幅に低い。
そうなるとMTではシフト操作が忙しい。フル加速以外は3,000回転以上まで回す意味が乏しく、1,500~2,500回転前後の狭い領域を使いながら速度を高めるからだ。
高回転域まで引っ張るMT特有の楽しさも味わえない。加えて2,000回転で強大なトルクを発生するから、クラッチ操作にも気を使う。ラフに扱えば前後方向の揺れが生じやすい。トルクコンバーターを使う6速ATは、この課題を解決した。
軽くアクセルを踏むだけで、力強く、しかも穏やかに車速を高める。「力強さ」と「穏やかさ」は相反する表現だが、この両立こそがディーゼルのAT仕様が持つ醍醐味。80~90年代のディーゼルSUVを経験した読者諸兄なら、納得して頂けるだろう。
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