ゴーン氏海外逃亡、しかし日産の未来にはもはや影響なし

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2019年12月31日、驚きのニュースが飛び込んできた。日産自動車の元会長、カルロス・ゴーン被告(以下ゴーン氏)がレバノンへ違法な出国(逃亡)をした。プライベートジェット機で関西空港からトルコのイスタンブールに向かい、ここを経由してレバノンのベイルートに到着したと報道された。ゴーン氏は、会社法違反などの罪で起訴された後に保釈されていたが、海外渡航は禁止されていた。それなのにレバノンに向かったのだから、保釈条件に違反した違法な出国となる。果たしてゴーン氏の海外逃亡で日産が被る損失はあるのか。ジャーナリストの渡辺陽一郎氏が解説する。

>>カルロス・ゴーン氏が残した日産での功績とは[フォトギャラリー]

目次[開く][閉じる]
  1. 裁判所のやり方次第では食い止めることも可能だった?
  2. 日本人から見れば出国でも、ゴーン氏にとっては帰国だ
  3. 確かにカルロス・ゴーン氏は日産復活の立役者ではあったが…
  4. 注目のゴーン氏声明、しかし世間の共感を得ることは難しいだろう

裁判所のやり方次第では食い止めることも可能だった?

新聞などの報道によるとカルロス・ゴーン氏は、大きな荷物を収める箱に入って出国したとされる。利用したのがプライベートジェット機だから、荷物のX線検査などは受けなかった。

ゴーン氏は複数の旅券(パスポート)を所有しているが、その内の1通を鍵(ダイヤル式)の付いたケースに入れて本人が携帯していたという。日産の役職を解かれて日本の在留資格も失っていたから、出入国管理法上、旅券を携帯する必要が生じていた。

その旅券はフランスによるもので、同国が2通発給した内の1通をゴーン氏が携帯していた。ほかの旅券は弁護士が管理している。旅券の携帯は、ゴーン氏の出国を正当化するものではないが、出入国管理法の遵守が裏目に出た結果とはいえるだろう。旅券携帯義務は司法判断で免責されるため、検察側には、裁判所のやり方次第では違法な出国を食い止められたという見解もあるようだ。

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日本人から見れば出国でも、ゴーン氏にとっては帰国だ

そもそもゴーン氏は、フランス、レバノン、ブラジルの国籍を持つ。日本人から見れば出国でも、ゴーン氏にとっては帰国だ。莫大な財力もあるのだから、もっと違法な出国に目を光らせるべきだったかも知れない。

またゴーン氏の保釈金は15億円で、裁判を受けて刑が確定すれば返金されるが、保釈条件に違反すると戻ってこない可能性が高い。つまりゴーン氏にとって、15億円は惜しい金額ではなかったということだ。

いずれにしろゴーン氏は荷物を運ぶ箱に入り、隠れて出国したとされるから、同被告や出国に関与した人達が違法行為だと認識していたことは明白だ。

ゴーン氏は、今回の違法な出国について「不正と政治的な迫害から逃れた」という主旨の発言をしているが、有能な弁護士を伴って裁判を受けることになっていた。ゴーン氏には、法定で自らの主張を展開させて争うチャンスが与えられていたのだから、それを自ら放棄して逃亡するのは最悪の結末だ。

確かにカルロス・ゴーン氏は日産復活の立役者ではあったが…

カルロス・ゴーン氏は、会社法違反などの罪を犯したが、倒産寸前だった日産を立て直した有能な経営者でもある。ゴーン氏がいなければ、フェアレディZやGT-Rを生み出した日産が潰れていた可能性も高い。今でもゴーン氏のファンは少なくない。

だからたとえ無罪を勝ち取れる見込みがなかったとしても、法定で堂々と争い、「カルロス・ゴーンは被告人になってもカッコイイ」と思わせて欲しかった。それを争わずに逃げるのは、数々の困難に立ち向かってきたゴーン氏にとって、一番似合わない卑怯な身の振り方だ。

長期間にわたる拘束と取り調べ、妻との接触を禁じる保釈条件などは国際的に違和感の伴う処遇だったともいわれるが、ゴーン氏は外国人でありながら日本企業のトップを務めてきた。「不正と政治的な迫害」だと日本の司法から逃れることはできない。

日本とレバノンの間では、容疑者を引き渡す条約を結んでいないから、ゴーン氏の引き渡しも困難とされる。それでも経由地のトルコでは、プライベートジェット機のパイロットなどが逮捕されたという報道もある。レバノンに逃れたから、ゴーン氏が安泰とは限らない。

注目のゴーン氏声明、しかし世間の共感を得ることは難しいだろう

日産の販売現場やユーザーも至って冷淡な反応

今後、ゴーン氏はメディアとコミュニケーションを図る主旨の発言をしており、これから発表される声明が注目される。何らかの思惑があると考えられるが、違法な出国であることは日本以外の国でも認識されているため、今までのような国際的な実業家として辣腕を振るうことは難しいだろう。

この点について日産の販売店に尋ねると、以下のような返答だった。「一昨年にカルロス・ゴーン被告が逮捕された時は、お客様からかなり問い合わせを受けた。しかしその後、日産の会長を解任されたことが繰り返し報道されると、日産とカルロス・ゴーン被告を結び付けるお客様は減った。日産(メーカー)の社員も、報道される以上のことは知らない様子だ。新年の営業を開始したが、問い合わせは受けていない」という。

イメージは損なったが日産はマイナスを払しょくできる

ただしコンプライアンス(法令遵守)を考えるとイメージは悪い。コンプライアンスは業種や企業を問わず重要だが、特に自動車という商品では、問題が生じると交通事故に直接結び付く。日産でも先般発生した完成検査問題はこの典型だが、ゴーン氏は以前日産の顔であったから、度重なる違反は同社の信頼を損ねる。極端にいえば、今の日産は、犯罪者の敷いた線路を走っていることになってしまう。

ゴーン氏が今後いかなる発言をしても、それが世間の共感を呼んだり理解を得られることはないだろう。そして日産がこのマイナスを払拭するには、優れた商品やサービスを提供する以外に方法はない。

[筆者:渡辺 陽一郎]

ゴーン氏逮捕で“どうなるニッサン!?”

2018年11月、日産のカルロス・ゴーン会長が、有価証券報告書に虚偽記載を行った疑いで逮捕された。明らかになった50億の隠し報酬。カーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎氏が、今後の日産の行く末について占う。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

監修トクダ トオル (MOTA編集長)

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