超貴重!? 過去モデルでプレミアがついたクルマ5選
- 筆者: 遠藤 イヅル
世界的に「名車」と呼ばれるクルマや、有名な旧車の値段が高騰しています。例えば、トヨタ 2000GTは1億円を超えることがあります。
日産 スカイラインGT-Rも全体的に相場が上昇しており、 “ハコスカGT-R” (3代目スカイライン・PGC10/KPGC10型)は、1500万円~2000万円ほどしますし、総生産台数が200台に満たない“ケンメリGT-R”(4代目スカイライン・KPGC110型)では、なんと5000万円近い価格を示すことも。
こんなに高くなっているの!? プレミアがついている意外な国産旧車とは
1990年代以降のクルマになると、マツダ(デビュー時はアンフィニ) RX-7(3代目・FD3S型)もじわじわ価格が上がって、この記事を書いている2019年10月現在では、程度が良い個体では400万円~500万円台で販売されています。
初代ホンダ NSX(NA1/NA2型)では、希少なタイプRじゃなくても、走行距離が少なく状態が良い個体では、1000万円から2000万円ほどのプライスタグが掲げられているようです。新型が登場して見直されつつあるトヨタ 4代目スープラ(A80型)も、気がつけば500万円ほどするクルマになってしまいました。
これらは、「価格のあがりっぷりはすごいけど、プレミア価格がついても仕方ない?」という定評のある人気車種ですが、一方で「高騰しない」「高値安定」「一度上がったけど、下がって落ち着いた」「このクルマがこの価格!?」などの相場を持つ車種もあります。
今回は、その中から「意外なほどの価格がついている」クルマをご紹介したいと思います。
その1:GT-Rじゃなくても、古いスカイラインは全般的にすごく高い
前述のようにハコスカ/ケンメリGT-Rはかなり高価なクルマですが、40代後半の筆者にある“勝手な相場観”では、個人的には高くても1000万(もっというとケンメリで500万円くらいだったときがあったような)くらいのイメージがあります。
でも驚くことに、「GT-Rじゃないスカイライン」も相場がグングンあがっていて、ハコスカやケンメリで程度の良いGTやGT-R仕様、排気量アップの公認改造車などでは、400~500万円が標準ラインで、なんと800万円という価格がつく個体も!
さらに、GT-Rが存在しないジャパン(5代目・C210型)、“RS”以外のニューマン・スカイライン(6代目・R30型)でも200万円台から300万円オーバーだったりして、「えっ!こんなに高いのね!」という状態です。R30型はRSの人気が高いため、比較的高値相場を形成していましたが、L20型を積んだふつうの「GT系」は手に届きやすい価格帯でした。それもここ数年で一気にあがったような気がします。
筆者も実は3年ほど前、ケンメリの4気筒、プリンス製G型エンジンを積んだ「TI」を狙っていました。当時、個人売り・中古車店ともに100万円に達せず、二桁台も見られましたが、現在では200万円以内では買えなくなってしまいました。
あの時買っておけば…と今なお後悔しきり。ここ数年の高騰を肌で感じた次第なのです。
その2:“過渡期のZ”、2代目フェアレディZ(S130型)が300万円オーバー!
こちらもびっくり。日産 2代目フェアレディZ(S130型)も300万円前後、もしくはオーバーというかなりの高値がついています。
フェアレディZといえば、やはり初代のS30型や、斬新なデザインをまとうZ32型を思い出す人も多いと思います。でもZの歴史の中で、少し目立たないのがS130型ではないでしょうか。
S30型の正常進化ともいえるスタイリングは、クラシックとモダンの間を縫うデザイン。見た目は似ていても設計は一新され、2.8リッターの大排気量エンジン(L28E型)、さらにはターボエンジン(L20ET。北米にはL28ETも)も設定。ドラマ「西部警察」に登場した、ガルウィングに改造された「スーパーZ」の活躍も思い出されます。
でも…このクルマ、一時期は本当に価格が安かったのです。いわゆる不人気車という嬉しくない称号を得ていたのでした。
90年代初頭に通っていた大学時代、Tシャツの袖をキャプテン翼の日向小次郎のようにまくり、リーゼントを決めたイカした友人S君が持っていましたが、彼が手に入れた価格は、ここでは書けないほど安価だったのです(それを言ったら当時から人気があったAE86も、今よりも相当安く手に入りました)。それが現在ではこの価格ですので、時代の移り変わりを感じます。
S130型がもつ、1970年後半生まれ特有の「過渡期のクラシカルさ」は、今見るととても味わいがあります。個人的には、マイナーチェンジ後のカラードバンパーがお気に入り。少し間延びした感じの2by2のほうが好みだったりします(あ、Z31型も好きですよ!)。
その3:気がつけばすごい価格! 4代目ブルーバードの“サメブル”
旧車の価格が高い理由に、希少性の高さや「そもそもの人気が高い」ことがあげられます。でも、中には、どうしてこんなに高いのだろう? と思うクルマも。
それが、1971年デビューの4代目日産 ブルーバード(610型。正しくはブルーバードU)の“サメブル”こと2000GT系。なんと残存車はおしなべて500万円以上もするのです!
ボクシーなスタイルから国内外で大人気だった3代目(510型)に比べ、ひとまわり大きなボディを持つ610ブルは、当時流行した抑揚の強いデザインを採用。車格も上級移行したため、発売当初は510ブルも併売されていたという歴史を持ちます。なお余談ですが、実質的な510ブルの後を継いだのは、初代バイオレット(710型)でした。
しかしブルーバードの上級志向はこれだけに留まらず、なんとスカイラインGTと同様に、ボンネットを伸ばして直6エンジンを押し込んでしまったのでした。こうして誕生した2000GT系は、ポンティアックのような独立したグリルを持ち、伸ばされたフロントフェンダー先端に“サメのえら”のような造形を持つことから「サメブル」と呼ばれました。
しかし、直6ブルは本来大衆車だったブルーバードのイメージから離れすぎたこと、折しもオイルショックと排ガス規制対策による性能低下などの要因から、販売は低迷。そのため、サメブルは当時から珍しい存在でした。
現在のこの価格相場は、510ブルに対して圧倒的に少ない610型+さらに少ないサメブルという希少性、“悲運のGT”というストーリーがもたらしているものと思います。迫力あるスタイルも魅力的です。たしかに市場での流通量はごくわずか。とはいえ、この価格には驚きです。
ちなみにブルーバードの直6搭載車は、1976年登場の後継モデル、5代目ブルーバード(810型)にも「G6」として残されましたが、2世代にわたって続いた直6モデルはこの代で廃止に。6代目の910型はシンプル&クリーンの明確なキャラクターで出現して大ヒットとなり、ブルーバード復活の狼煙をあげたのでした。
その4:マツダのRE車「ルーチェAP」「コスモAP/コスモL」も高価格帯に
マツダは1967年にRE(ロータリーエンジン)を搭載したスポーツカー、コスモスポーツを登場させると、「ロータリゼーション」という旗印のもと、1968年のファミリア・ロータリークーペ、翌1969年にファミリアセダンにREを搭載して発売。
さらに1970年以降もルーチェ・ロータリークーペ、カペラ、サバンナ、ルーチェなどRE車を続々と投入。ラインナップ拡大を進めました。
しかし時は1973年、オイルショックによってにわかにクルマの省エネ問題が急浮上しました。RE車は燃費が悪いという日米での市場評価は、販売上で大きな問題となったのです。
さらに1975年に施行される、厳しい排気ガス規制への対策も待っていました。そこでマツダは、低公害化および燃費改善策技術「REAPS」を盛り込んだREを開発。1974年の「REAPS 4」では、燃費の20%改善に成功しました。
REAPS4以降のREを積んだモデルには「AP(ANTI POLLUTION)」の名前が付けられ、外観上では長方形の幅広マフラーエンドが特徴でした。
1975年にはコスモが4人乗りの優雅なスペシャリティカー、コスモAPとして生まれ変わり、さらに1977年にはランドウトップを持ったコスモLを追加しています。
コスモAP/LのREはさらに燃費を改善した「REAPS5」に…と、前置きがとっても長くなりましたが、ズバリ、初代サバンナRX-7登場前夜のこれらマツダRE車も、価格が上がってきています。
個体の程度差によって差は大きいのですが、ルーチェAP、コスモAP/Lともに400万円以上する美車も見られます。ちなみにカペラのRE車はさらに珍しく、最近のネットオークションでは500万円超で落札されていました。
その5:CR-Xが150万円、シティターボが180万円。クルマの価値はかくも奥深い
最後は、1980年代のクルマたちの一部の価格を見てみましょう。例えばホンダのライトウェイトスポーツカー、2代目CR-X(EF6/7/8型)では150万円ほど、初代シティ・ターボ(AA型・非ブルドッグ)も最高額で150~180万円という個体が見られます。もちろん、いずれも低走行で程度は上々です。
しかし以前の価格相場を知っていると、「随分高くなったな」と思います。これらはプレミア価格の場合も、修理や整備でお金がかかっている場合もあるでしょう。この価格をどう思うかは、人それぞれです。たしかに決して安い額ではありませんものね。
ですが、軽自動車の総額が200万円、カローラでも300万円に達することがある現在では、これら古いクルマの価格を決して高いと思えない場面があります。もちろん、安全性や快適性、環境性能は劣ります。古いゆえの維持の苦労も、決して少なくありません。
しかし、古いクルマでなければ得られないフィーリングと、クルマが作られた時代の空気感が欲しいユーザーには、その価格にも価値があります。150万円で得られるCR-Xの爽快感は、現代のクルマでは決して味わえません。クルマの価値というのは、実に奥深いものなのですね。
とはいえ、もう少し旧車価格の高騰が避けられたら…と思います。
[筆者:遠藤 イヅル]
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