日産 新型NV350キャラバン試乗レポート|趣味も仕事もアクティブに楽しむ人にピッタリの1BOX

日産 新型NV350キャラバン試乗レポート|趣味も仕事もアクティブに楽しむ人にピッタリの1BOX
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商用だけじゃなく、個人ユースも増加する小型1BOXバン市場

働くクルマの中で身近な存在はと言えば、小型キャブオーバーバン(1BOXバン)だろう。基本は商用かつプロユースの商品だが、最近は乗用車感覚で使う人も増えている。全需は2009年くらいから伸び始め、ここ数年は10万台/年で安定しているそうだ。

人気の秘密は、華美で豪華になり過ぎたミニバンに対して、シンプルでスクエアなボディ、キャブオーバータイプを活かした広大な室内スペース、そしてアレンジ次第で様々な用途に使えるフレキシブル性などなど、まさに“アクティブライフ”の強い味方なのだ。

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日産 NV350キャラバンがマイナーチェンジでハイエースとの差別化を強化

日産 新型NV350キャラバン

そんな小型キャブオーバーバン市場は、トヨタ ハイエースと日産 NV350キャラバンのガチンコバトルである。キャラバンが従来モデル(E25)の時代は、市場シェアはハイエース80%、キャラバン20%と圧倒的に差を付けられていたが、2012年にNV350キャラバンにフルモデルチェンジされると、それ以降のシェアは25~28%までアップした。今回のマイナーチェンジの目的は、まさにそのシェアを更に上げることだ。

ちなみにNV350キャラバン開発陣がユーザーの特徴を調べると、「個人の登録が多い(全体の約41%)」「プライベートユースが多い(全体の53%)」そして「デザインに関する感度が高い」だったと言う。それらを踏まえ、今回のマイナーチェンジの狙いは、「ライバル(=ハイエース)との差別化強化」と「利便装備の拡充」だ。

Vモーショングリル&ブーメランヘッドランプで日産顔に刷新

日産 新型NV350キャラバン
日産 新型NV350キャラバン(インテリア)

キャラバンのエクステリアは、マイナーチェンジ前のモデルでは「ハイエースに似ている」と言われることもあったが、新型はVモーショングリル&ブーメランヘッドランプ(LED)と日産のデザイン言語を用いたフロントマスクにより「日産顔」に。また、LEDのリアコンビランプ採用は、質感アップにも効果的なアイテムである。

インテリアは新デザインのステアリングやワイド2DINサイズナビ対応のオーディオホール、更に最上級のプレミアムGXには専用スイッチ(ピアノブラック&メッキ処理)のオートエアコンやバックドアイージークローザーの採用などにより、質感アップと利便性を引き上げている。

また、NV350キャラバンは従来モデルから安全支援システムの採用に積極的だったが、新型ではエマージェンシーブレーキ(ミリ波レーダー式)を全車標準装備。更に4ナンバークラス初となるインテリジェントアラウンドビューモニター(MOD:移動物検知機能付き)+ルームミラーディスプレイをオプション設定。ちなみにインテリジェントアラウンドビューモニターを選択するとフロントアンダーミラー無となり、デザイン的にもスッキリとするのもポイントだ。

人気のライダーに加え、アウトドアに使えるトランスポーターもラインナップ

日産 新型NV350キャラバン ライダー
日産 新型NV350キャラバン(プレミアムGX)※トランスポーター(オプション)

ちなみにオーテック仕様は「ライダー」と「トランスポーター」をラインナップ。ライダーはより力強さを増したフロントマスクに加えて15インチアルミホイールや専用インテリアなどがプラスされる「プロ・スタイルパッケージ」や専用カスタマイズアイテムなどでプライベートユースに磨きを掛けた仕様だ。

一方、トランスポーターはフロア床張り+ロンリューム加工のラゲッジやベッドシステム(オプション)などにより、様々なアウトドアスポーツで使える一台に仕上がっている。

パワートレインの変更はなく2リッター/2.5リッターガソリン、2.5リッターディーゼルターボの3タイプで、トランスミッションは5速MT(2リッターガソリンと2.5リッターディーゼルターボ)と5速ATが用意される。

なお、リリースには出ていないが、実はショックアブソーバーがSACHS製からKYB製に変更されている。聞くところによると、調達の問題があったようで従来モデルの途中から変更されたそうだ。

日産 新型NV350キャラバン
日産 新型NV350キャラバン

さて、新型NV350キャラバンの走りを確かめてみよう。

商用車ながらも空荷状態でもポンポン跳ねることなく、路面からのアタリの柔らかい乗り心地が印象的だ。またハンドリングも、スローながらもキャブオーバーにしては不安感が少なく自然に曲がる。ただし、ショックの収まりの良さや細かい振動に対する吸収性などは、従来のSACHS製と比べると若干気になる部分も…。ただ、これは重箱の隅を突いてみた話であり、何も気にしないで乗れば従来モデルとほとんど変わらないのでご安心を。

ちなみにガソリン車は元気に回るが、やや騒がしいのと、ギア比の関係でシフトアップ時にトルクバンドを外れてしまうのが残念な所だ。ディーゼルターボは最新ディーゼルと違ってレスポンスはおっとり系で、昔のディーゼルらしいトルクを活かしたフィーリングだが、ATとのマッチングが非常にいいので乗りやすい。個人的には乗用ユースを考えるとディーゼルのほうがお勧めである。

なぜ?新型NV350キャラバン取材会でカート大会が開催された理由とは。。。

日産 新型NV350キャラバン
日産 新型NV350キャラバン

そんな新型NV350キャラバンの積載性の高さをアピールするために、静岡県駿東郡小山町にあるオートパラダイス御殿場で「メディア対抗カート大会“Supported by NV350 CARVAN”」なる自動車媒体向けイベントが開催された。

なぜカート大会なのか?

日産広報のS氏は「NV350キャラバンにはレーシングカートを積載することができ、遊びを楽しむ人をサポートするクルマだから」と言うが、周りからはS氏の個人的趣味と言う声も(笑)。

カートはテクニックよりもウエイトが響く!結果はいかに!?

メディア対抗カート大会“Supported by NV350 CARVAN”

いちおう、筆者は走りが好きな上にモータースポーツ参戦歴もあることから召集されたが、カートはテクニックよりもウエイトが響くことをオートックワン編集部は知らなかったのだ(泣)。

ルールは「1チーム2名以上」「予選は10分×2」「決勝は30分耐久でピットストップは2回」。レーシングドライバーを招集するチームもある中、オートックワンは筆者に加えて、編集部のお母さん的存在のKさんとWカメラマンの3名体制でエントリー。

コースは1周1050mのテクニカルコース、使用するカートは210cc4ストロークエンジンを搭載する「birel N35-X」だ。最高速は40~65km/h程度なので、タイムを出すにはいかにコーナリングスピードを稼げるか……である。

コースはすぐに覚えることができたものの、予選はウエイトハンデの影響が大きく響いて10台中5位と微妙な順位。ウエイトハンデ調整ができれば(そんな物はない)、もっといい順位に行けそうな気がしたが…。

メディア対抗カート大会“Supported by NV350 CARVAN”
オートックワンチームはブービー賞を獲得

決勝は、マイペースに走るKさんが第1スティントを担当。その後、Wカメラマンが第2スティントで走行するも、「撮影するのですぐ戻るよ」と言ってあっという間にピットインした。筆者は最終スティントのバトンを受けると予選タイム以上の速さで走ったのだが、結果は事前の狙い通り(!?)であるブービー賞となった。

久しぶりに気持ちのいい汗がかけたが、悔しさもかなり残ったので、次回(もしあるのなら)に向けて新型NV350キャラバンにカートを積んで特訓だ!!

あっ、痩せるほうも頑張ります(汗)。お腹まわりのバラスト(!?)を10kg軽量化することで、タイムは1秒くらいアップすると思うので…。

日産 NV350キャラバン プレミアムGXロングボディ/標準幅/標準ルーフ/低床/5人乗(2WD・ガソリン) スペック

全長×全幅×全高:4695×1695×1990mm/ホイールベース:2555mm/エンジン:2リッター DOHC・水冷直列4気筒 /最高出力:130PS(96kW)/5600rpm/最大トルク:18.1kgf・m(178N・m)/4400rpm/燃費(JC08モード):9.8km/L/トランスミッション:フルレンジ電子制御5速オートマチック(5E-ATx)/駆動方式:2WD(後輪駆動)/サスペンション形式[前/後]:ダブルウィッシュボーン式/リジッドリーフ式/タイヤサイズ[前/後]:195/80R15 103/101L LT / 195/80R15 107/105L LT/価格(消費税込):290万9520円

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山本 シンヤ
筆者山本 シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し。「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“解りやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。西部警察は子供時代にリアルでTV放送を見て以来大ファンに。現在も暇があれば再放送を入念にチェックしており、当時の番組事情の分析も行なう。プラモデルやミニカー、資料の収集はもちろん、すでにコンプリートBOXも入手済み。現在は木暮課長が着るような派手な裏地のスーツとベストの購入を検討中。記事一覧を見る

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監修者MOTA編集部

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