日産 ノートとセレナの戦略が当たり、競争激化のコンパクトカーとミニバン市場(2/2)
- 筆者: 桃田 健史
ミニバンでも日産がキーファクターに
ミニバン部門でも、2017年1月~6月のトップは日産だ。セレナが5万4344台(154.3%)で、トヨタ ヴォクシー・4万3448台(97.9%)、トヨタ ノア・2万7290台(108.6%)、そしてホンダ ステップワゴン・2万1752台(75.8%)という状況だ。
セレナ好調の最大の理由が、『高速道路 同一車線自動運転技術』のプロパイロットだ。イスラエルのモービルアイ社との技術連携による単眼カメラのみによる画像認識処理のアルゴリズムを用いたもの。マツダのi-ACTIVSENSEも同様の技術を使うが、日産とはハードウエアを供給するメーカーが違い、また日産の自動運転技術の”味付け”での企業方針がマツダとは若干違うため、プロパイロットによる走行実感がかなり強いインパクトを市場全体に与えた。
これを受けて、メディアの取材が殺到し、NHKスペシャルなどで大きく取り上げられるなどのマーケティング効果によって、セレナの販売が後押しされた。
これに対して、ミニバンの王道であるノア・ヴォクシーはここへきて、マイナーチェンジで対応。また、販売数が伸び悩むステップワゴンでは、2モーターシステムのハイブリッド車の市場投入が近づいている状況だ。
以上のように、日産の積極的な国内営業戦略が大きなきっかけとなり、コンパクトカー市場とミニバン市場ではさらに過激な販売合戦が繰り広げられることになる。
[Text:桃田健史]
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