“いまの日産のすべて”を体感しちゃおう|日産オールラインナップ試乗会で最新車種イッキ乗り!(2/2)

  • 筆者: 伊藤 梓
  • カメラマン:和田清志
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“電欠”を気にせずEVをつまみ食いできるノートe-POWER

日産といえば、運転支援技術のほかにも電動化に積極的な印象がある。それを体感するため、最近街中でもよく見かけるようになった大人気のノートe-POWER(イー・パワー)に試乗することに。

やっぱりモーターでスイスイ走る感覚は気持ちいい。アクセルを踏み込んだ先からパワーが湧き上がってくるのが分かる。ノートe-POWERはいわゆるシリーズ式ハイブリッドで、エンジンで発電した電力をバッテリーに蓄え、その電気でモーターを駆動する。つまり乗った感覚は電気自動車(EV)と一緒。“電欠”を気にせずEVをつまみ食いできるモデルと考えれば、お得かもしれない。

ノートの小さくて軽い体に、パワーを出し入れしやすいモーターは相性がいい。街乗りでちょこちょこ走り回るのに便利だろうなぁと、自分が買い物に行くシーンを自然に想像してしまう。

スポーティだけど上品なノートe-POWER AUTECH SPORTS SPEC

ノートe-POWERに試乗したあと気になったのは、ノートe-POWER AUTECH SPORTS SPEC(オーテック スポーツ スペック)だ。2017年末、NISMO(ニスモ)に次ぐサブブランドとして登場したオーテックは、セレナ AUTECHを皮切りにラインナップを増やしており、このノートe-POWER AUTECHシリーズもそのひとつ。

ノーマルのノート e-POWERをベースとして、装備をよりプレミアム感あるものにしたノート e-POWER AUTECHに対して、試乗車のSPORTS SPECはスポーティなドライビングの楽しみをさらに進化させたモデルだ。

SPORTS SPECは、サスペンションやパワーステアリング、モーターの出力特性が専用チューニングされているほか、タイヤが16インチにサイズアップ。さらにボディ補強まで施されており、まさに走りにこだわる方にはもってこいのモデルになっている。足回りのセッティングはノート NISMOと同じで、オーテックの大人な雰囲気からは想像できないほど、内に秘めているポテンシャルは高そうだ。

もはやホットハッチと呼べるパワフルさ

ノートe-POWER AUTECH SPORTS SPECに乗り出した瞬間、「なにこれ?!」とびっくり。あきらかにノーマルのe-POWERより出足がパワフルなのだ。グイグイと前に引っ張られて行く感覚は、もはやホットハッチのそれ。最高出力/最大トルクはベースモデルと変わらないが、ドライブモードのノーマルかSを選ぶとよりスポーティに感じる出力特性にしているという。

ノート NISMOと同じ足回りと聞いて「乗り心地は硬めなのかな」と思っていたが、サスペンションはしっとりと滑らかにストロークするので、乗り心地も好印象だった。これなら遠くまでも足を伸ばせそう。

私は普段レース仕様のスポーツカーに乗っているので、まわりの目が気になることもしばしば……。スポーツモデルには乗りたいけれど、私と同じようにあまりそれをアピールしたくない方もいるのでは?そんな方たちにノートe-POWER AUTECH SPORTS SPECはぴったり。走行性能はいかにもスポーツモデルなのに、シックなデザインのおかげでとても上品に見える。

車の新しい未来を予感させるリーフ

最後に日産の電動化の真骨頂、2代目リーフにも試乗した。

すこし前までは“電気自動車”と聞くといかにも特殊な車に思えていたのが、リーフに乗るとその感覚は薄くなっていた。もうEVは“普通の車”になりつつある。

それを実現してきたのは、ほかでもないこのリーフなのだろう。まったくの更地からコツコツ技術を積み上げ、簡単には受け入れられなかった状態から、いまや世界で一番売れているEVへと成長した。

アクセルペダルひとつで発進/加速/停止できるe-pedalを操っていると、車の新しい未来がほんのり見えてくる気がする。まだまだ充電インフラの整備や発電時のCO2削減といった課題はあるかもしれないけれど、新しい車が生まれて成長していくことには無条件にワクワクしてしまう。

これから私たちと同世代、そしてもっと若い世代に向けて、車はどんな形になっても楽しみや喜びを与えてくれる存在であってほしいな、と思った。

>>日産リーフ試乗&自動駐車・自動ブレーキテストの模様を画像でもっと見る[フォトギャラリー]

日産最強のスポーツカーGT-R NISMO

最新技術にたっぷり触れたあと、わがままを言って日産最強のスポーツカーGT-R NISMOにも乗せてもらった。轟くようなエンジンの咆哮と空を飛べそうな加速感、大きな体に似合わない俊敏なハンドリング……。あまりに楽しすぎて車を返却するのが惜しくなる。

近年では、自動運転などのイメージが強い日産だが、こんなモンスターのようなスポーツカーも手がけ続けている。日産は“人と車がつながる”ことに対して、あらゆる方向から貪欲に研究開発しているのだろうな、としみじみと実感。様々な車に触れて、これからの日産がますます楽しみになった一日だった。

[TEXT:伊藤 梓/PHOTO:和田 清志]

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伊藤 梓
筆者伊藤 梓

グラフィックデザイナー時代にミニカーの商品を担当するようになってから、どっぷりと車に魅了されるように。「こんなに人を惹きつける車というものをもっとたくさんの方に知ってほしい」と、2014年に自動車雑誌の編集者へと転身。2018年に、活動の幅を広げるために独立した。これまでの経験を活かし、自動車関係のライターのほか、イラストレーターとしても活動中。記事一覧を見る

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