日産 リーフNISMO 試乗|“電気自動車をイジったらメッチャ楽しいはず!”を日産が自ら実践

“リーフをイジったらきっと楽しい”がついに実現

電気自動車のリーフと聞けば、おそらく多くの人々は走りだのスポーティさを語るようなクルマではないと感じることだろう。

けれども、現実は真逆だ。床に敷き詰められたバッテリーパックは、重心高を引き下げる手段として役立ち、さらに前後重量配分にも寄与している。そしてモーターの力はドライバーの意図を寸分違わずに展開。内燃機関のようなタイムラグなどナシに路面へと力を伝えてくれる。

だからこそ電気自動車のリーフはそもそも走りが爽快。これをイジったらきっと楽しいに違いない……。初代リーフが登場した頃から僕はそんな思いを抱いていた。

おそらく日産も同じ考えだったのだろう。今回ようやく2代目リーフをベースにしたリーフNISMOが登場。2018年7月31日より発売開始となる。

NISMOシリーズの方程式に沿ったその造り込みは、エクステリアの仕上げ方からして安心して見ていられるほど。エアロパーツはそもそもゼロリフトを達成していたベースモデルに対して、空気抵抗を増やさずにダウンフォースを追加。高速域の安定性を高めたというNISMOらしい仕上げ方。

タイヤ&ホイールはベースモデルが16インチ、オプションが17インチだったのに対し、NISMOは18インチを採用。安定感あるルックスを手に入れている。

一方でインテリアの造り込みもNISMOの方程式通り。アルカンターラを巻き付けたステアリングや、専用のシート地はスポーティな雰囲気を高めてくれる仕上がりだ。

各々芸が細かいチューニングが施されている

もちろん、それだけで終わらず中身も進化している。

専用チューニングコンピュータを搭載することで、モーターの出力特性や減速時の回生ブレーキの度合いを変更。より積極的にモーターの力を引き出す方向にしたとでも言えばいいだろうか。

だが、元気なばかりでなく、ECOモードを選択すればベースモデル同様のマイルドな走りも可能になっているところは嬉しい。

一方でブレーキに対しても改良を施した。それは電動型制御ブレーキのチューニングを変更し、より踏力に対してリニアに制動力が立ち上がるようにしたというのだ。ブレーキパッドはこれまでと共通だというが、それでどう変化しているのかは楽しみなところ。

ちなみに、18インチタイヤを装着した代償として、JC08モードにおける一充電走行距離は基準車の400kmに対して350kmへとダウン。走りへの拘りと航続距離への割り切りがそこにある。

シャシーについてはまず、専用チューニングサスペンションを採用した。スプリングはベースモデルと共通ながら、ショックアブソーバーを変更。縮み側の減衰力アップは前後共に10%、伸び側についてはフロント25%アップ、リア33%アップとなっている。それに合わせてタイヤは225/45R18サイズのContiSportContact5を採用している。

また、ベースモデルでも採用しているインテリジェントトレースコントロールは専用チューニングを施すことによって、ライントレース性能を向上。車速感応式の電動パワーステアリングやVDCについてもチューニングをやり直しているというから芸が細かい。

ひとつひとつにNISMOの考えがシッカリと展開

そんなリーフNISMOを、神奈川県横須賀市追浜にある日産追浜試験場グランドライブと呼ばれるテストコースで走らせる。曲がりくねったワインディングからうねりのある路面、さらには高速直線走行まで可能なこのコースをどうクリアしてくれるのかが注目だ。

リーフNISMOに乗り込んでまず感じられることは、走らずしてスポーティだということだ。

レーシングカーで採用されるようなアルカンターラ巻きのステアリングは、グリップ部の滑りを無くしてくれるから好感触。色調もベースモデルとは明らかに違い、特別なクルマに乗り込んだということを感じさせてくれる。

もちろん、走りだってベースモデルとは全くの別物だ。ECOモードを選択すればマイルドな発進だったのだが、それをノーマルモードにした瞬間、力強さはかなり高まった。グッと前に出るその感覚は、いかにもチューニングされましたというクルマの質感。当たり前の話だが、それが煩くもならずに達成できているのだから電気自動車って素晴らしい。

さらに、ノーマルモード+セレクターBレンジをチョイスすれば加速感はさらに高まるし、一方で減速時の回生ブレーキのレスポンスも向上。これはワインディングなどでリズミカルに走るのに最適。ノーマルモードでe-Pedalをオンにして走れば、街乗りにおけるワンペダル走行が快適に楽しめそうだ。

このように、走行モードを様々選択でき、それらひとつひとつにNISMOの考えがシッカリと展開されているところが興味深い。

自由自在にクルマを動かせるから誰でもスポーティな走りを楽しむことができる

さらにはステアリングのドッシリとした手応え、そしてコーナーリング時におけるロールスピードの減少もあり、とてもフラットに走れるようになったこともNISMOの特徴といっていいだろう。

無駄な動きを展開することなく、クルマがジワリと動き出すことで、「ちょっと運転が上手くなっちゃったかも?」なんて思えるほど自由自在にクルマを動かせるのだ。これなら誰でもスポーティな走りを楽しむことができるのではないだろうか。

決してブッ飛ばさなくても、思い通りのラインを描けたり、スムースにコーナーリングを駆け抜けることが出来れば爽快感は高まるはず。それを達成するための素材としてリーフNISMOは適しているように思えてくる。

もちろん、足回りが引き締められたことで、瞬間的な入力などがあれば突き上げ感はベースモデルよりは大きくなっているところはある。だが、それも一瞬で収束させてすぐにフラットさを保つのだから許せる範囲内だ。

NISMOがスポーツ性を高めたと聞けば、ガッチガチな世界を想像する人も多いことだろう。僕もそうだった。だが、今回のリーフNISMOに関して言えば、決してそんな仕上げ方ではないと感じる。

ダンパーセットの方向性、そしてそれほど引き締めずして走りを達成できるリーフならではの低重心がそこに寄与しているのではないかと推測する。

さらに言えばタイヤ銘柄のチョイスも良かったのだろう。ちょっと肩透かしをくらったかのようなフラットな乗り味は、言っちゃ悪いがNISMOらしからぬ上質さがある。ヤンチャさだけで終わらないところが好感触だった。

「リーフNISMO」それは、リーフの新たな面白さ

航続可能距離の問題もようやく解決方向へ向かいつつある二代目リーフ。

そんなベースがあったからこそ、NISMOのような遊びが可能になったということもあるのだろう。待ちに待ったリーフNISMOの登場は、やはりベースが持つ素性の良さに支えられたと言っても過言ではないだろう。

一方で、リーフの新たな面白さを示してくれたのはリーフNISMOがあってこそ。このクルマによってリーフ独自の世界観がさらに広がって行くことを期待する。

[Text:橋本 洋平 Photo:和田 清志]

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橋本 洋平
筆者橋本 洋平

学生時代は機械工学を専攻する一方、サーキットにおいてフォーミュラカーでドライビングテクニックの修業に励む。その後は⾃動⾞雑誌の編集部に就職し、2003年にフリーランスとして独⽴。 ⾛りのクルマからエコカー、そしてチューニングカーやタイヤまでを幅広くインプレッションしている。 レースは速さを争うものからエコラン大会まで好成績を収める。また、ドライビングレッスンのインストラクターなども⾏っている。 AJAJ・⽇本⾃動⾞ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。記事一覧を見る

監修トクダ トオル (MOTA編集長)

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