日産 新型リーフで1000キロ走破! 世界で最も売れたEVの2代目、その完成度を徹底評価する(1/4)

2017年10月発売後1万2千台受注で好調なスタートを(密かに)切った日産 新型リーフ

完成車検査の不正に関する影響を受けて、日産の電気自動車(EV)、新型リーフは鮮烈なスタートダッシュを披露することができなかった。

本来であれば、発売日の2017年10月2日以降は、フルモデルチェンジした新型リーフに関する様々なトピックが世間を賑わせるはずだった。しかしながら、そうした機会は訪れず、話題も多くはなかった。が、それでも新型リーフは既に1万2000台もの受注を獲得している。正直、あれほどの痛手を追いながらここまで台数を積み上げたことは、いかに登場が待たれており、注目されていたかの証だろう。

そうしてようやく今回、日産 新型リーフの報道試乗会が開催され、皆さんに様々な情報が今後届けられることになるわけだが、実は僕はこれまでに既に2回ほど自身で借り出して試乗済みだ。その2回を合計すると約800kmと長い距離を乗っており、うち300km程度のツーリングも2度ほどしている。また、それ以外では雑誌の取材でも街中で試すなど、様々シチュエーションを走ってきた。そうして今回の試乗会も入れれば1000km以上を試したことになる。

といった訳で、今回の試乗会で、新型リーフに触れるのは実に4度目。様々なシチュエーションで見えてきた新型リーフの走りを中心にレポートしたいと思う。

>>日産 新型リーフの試乗を画像で見る

日産リーフ、その走りはまるで高級車のよう

高級車の条件その1、“滑らか”な走り

新型リーフの走りをして僕は「滑らかで静かで力強い」と表現している。これ、実は高級車に必須の要素なのだが、新型リーフはそれを5ドアのハッチバックで実現しているのだからユニークだ。

「滑らかさ」を感じる大きな要素は、150ps/320Nmへとパワーアップされたモーターと、リファインされた足回りによるところが大きい。特に走り出しのタイヤの転がり方はV8エンジンなどを搭載するサルーンにも匹敵する。そしてそれはモーターが「力強い」からこそだが、それはひとまず置いといて、走り出しが実に滑らかで気持ち良いのだ。

さらに再加速時にアクセルを踏み込むと、スウッと滑らかに加速していく気持ち良さがある。EVゆえに、アクセルに対するレスポンスの良さはエンジンとは比べ物にならない。間髪入れずの反応から滑らかな加速で、どこにも段付きを感じないシームレスな感覚が存分にある。またここに進化したシャシーが加わって、その滑らかさを引き立てる。

EVだからこその低重心なシャシーや、リアサスペンションのバンプストッパーをゴムからウレタンに変更することで、段差乗り越え時の突き上げを軽減するなどしており、クラスでみても上位に入る乗り心地を実現している。

高級車の条件その2、“静か”な走り

リーフが「静か」を感じる最大の理由はもちろん、エンジンが存在しないことによる騒音と振動がないからだが、加えて今回の音対策が効果を発揮する。特にフロントガラスに遮音材を挟み込んだタイプのものを使ったことで、車外からの透過音はグッと抑えられた。また遮音材や防振材の追加や配置見直し等によって、先代から比べても大幅に静かになっている。 

ただ、あまりに静かになったために、さらに音対策が必要となったのも事実。というのも車内がより静かになったために、路面とタイヤが接して発するロードノイズが、路面の違いによって車内の音環境に大きく関わるようになり、路面の違いにセンシティブになったといえる。また複数車線の道路走行時は、隣のレーンを走るクルマの音も目立つ感もある。もっともこの辺りは日産のエンジニアも理解しており、今後のマイナーチェンジなどで対策されるだろう。

とはいえ、車内の静けさは抜群。同じクラスのハッチバック車から比べると遥かに高級な感じが漂うほど。日産の測定値では、欧州のEセグメントのサルーンに匹敵するというから、いかに静かかがわかるだろう。とはいえ、 “静かだから音が聞こえる”問題に今後は、スピーカー等を使って逆位相の音を出すなどの対策も考えられるだろう。

高級車の条件その3、“力強い”走り

新型リーフの「力強さ」は言うまでもなく圧倒的。最高出力は150psだから、特に大きな数値でもない。最大トルクも320Nmは、いまや2リッターターボなら余裕のトルク値である。しかしながら、その力強さがV8エンジン搭載車を思わせるのは、アクセルを踏んだ時に得られるエンジン車とは比べ物にならない反応の良さと、一気に最大トルクが立ち上がるモーターの特性にある。

発進、加速、再加速、交差点やカーブからの立ち上がり…アクセルをわずかに踏み込めば、頼もしい加速が即座に手に入る。しかも、これほど巨大な力をもちながらも、ショック等を一切発せずに加速に変えていく様にはホレボレする。まさにEVならではの美点がある。

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河口 まなぶ
筆者河口 まなぶ

1970年生まれ。大学卒業後、出版社のアルバイトをしたのちフリーランスの自動ライターとなる。1997年に日本自動車ジャーナリスト協会会員となり、自動車専門誌への寄稿が増え、プレイステーション「グランツーリスモ」の解説も担当。現在、自動車雑誌を中心に一般誌やwebで自動車ジャーナリストとして活躍。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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