日産 ノート 試乗レポート

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マーチ、キューブ、ティーダに続く日産コンパクトカーシリーズ ノート誕生

日産のコンパクトカーシリーズはマーチにはじまり、キューブ/キューブキュービック、ティーダ/ティーダラティオと続いた。その第4弾がノートだ。ノートはロングルーフの2列シートコンパクトワゴン。

走りの軽快さと使い勝手のよさをコンセプトにして開発された。ライバルはホンダ・フィットとトヨタ・イスト。この2車の名は、プレスインフォメーションで比較車として多く登場している(もちろんイニシャルだ)。

エンジンは新開発の4気筒DOHC1.5LをFF、4WD車ともに使用する。グリーン税制に適合している。ミッションはFF車がスポーツモード付の無段変速(CVT)、4WDは4速ATを搭載する。4WDの方式はFFをベースに後輪はモーターで駆動させるe-4WD。後輪の駆動は必要なときだけ。スイッチ操作でFF/4WDも選択できる。

グレードはE/SがFF、4WDに、スポーツタイプの15RXはFF車のみの設定だ。

タワーパーキングにも駐車できる。都会のユーザーにも使いやすいボディサイズ

ボディサイズはホイールベースはキューブ/キュービックと同じ。全長は90mm長い。全幅も20mm広い。全高はノートは1535mm(FF車)に抑えてある。これで、タワーパーキングなどでも駐車できる。都会のユーザーには使いやすいボディサイズだ。

スタイリングはボディ後半に特徴がある。ロングルーフのワゴン的なスタイルは、テールランプがルーフ上までブーメラン形に回りこんでいる。リアドアうしろのウィンドは荷室を適度にかくし、ナナメ後方視界を確保する役目も果たしている。

インテリアはキューブ系よりはティーダに近いデザイン。しかし、センターパネル下を半円形にするなど、独自のデザインを貫いている。ノーマルグレードのインパネ、ドア内張りの色使いもセンスがよい。

ラゲッジスペースはフロアボードを下げたり、折り曲げたりでき、いろいろな使い方ができるのは便利。

15インチのスポーツグレードの15RXはハード、14インチモデルはノーマル仕様はマイルド

最初に試乗したのはスポーツグレードの15RX。これは、サスペンションはユーロサスと呼ばれるスポーティタイプ。175/60R15サイズのタイヤ/ホイールを装着している。15インチを標準で履いているのはこの15RXだけだ。

フロアシフトのミッションをDレンジにシフトして走り出す。2000回転からトルクが太いので加速はスムーズで、はやい。0→100km/h加速を計測すると10秒台だった。これは2Lセダンの数値。1.5Lコンパクトとしては、スポーツモデルといってもよい数値だ。スポーツモードを選択すると、ローギアードになり、加速はさらに強烈になる。

ハンドリングと乗り心地はかなりハード。パワーアシストのハンドルは重く、とくに60km/h以下は重すぎるほど。コーナーでのロールは抑えが効いており、ヨーロッパのスポーティカーレベル。ワインディングを楽しめるクルマだ。乗り心地はかなりかためだった。

14インチタイヤのノーマル仕様はマイルド。

年令の高いユーザーにすすめたいおしゃれなスポーティコンパクトワゴン

走りの性能に関しては、とくにコーナリング性能のレベルが高いのが、このクルマの特徴だ。スポーツタイプの15RXは、ロールも小さく、反力の強いハンドルを握ってのコーナリングはスポーツセダンを操っている気分を味わえる。一方、14インチ、ノーマルサス仕様は、コーナーでのロールはやや大きめだが、その動きはしなやかで、小気味よさがある。直進時などの操舵力の重さは、ちょっとやりすぎのような気もするが、コーナーは楽しい。

リアシートは床面センターが盛り上がっており、左右2名掛けが快適定員。背もたれは6対4で分割、前倒し、ラゲッジスペースとフラットになる。ラゲッジスペースはノーマル状態での床面ボードはバンパーから30mmほど盛り上がっている。このボードの下には深さ210mmの床下トランクがある。

キューブ系よりも若干、年令の高いユーザーにすすめたいおしゃれなスポーティコンパクトワゴンだ。

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石川 真禧照
筆者石川 真禧照

1947年東京都生まれ。1970年日刊自動車新聞社入社。翌年同社退社後、フリーの自動車評論家となる。1982年「I.W.OFFICE」を設立し、自動車を中心としたメディア活動を開始。「自動車生活探検家」として、『GORO』『DIME』(小学館)、『HOT DOG PRESS』(講談社)、『カーセンサー』(リクルート)など多数のメディアで活躍、現在に至る。日本モータースポーツ記者会会員。日本自動車ジャーナリスト協会副会長。記事一覧を見る

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