「癒し系なのにちょっと生意気」オーテックジャパン創立30周年記念車「マーチ ボレロA30」試乗レポート(3/5)
- 筆者: 山本 シンヤ
- カメラマン:小林岳夫
NAならではのスペシャルチューニングを実施
A30のエンジンは「ノートNISMO S」に搭載されるHR16DEをベースにオーテックのレースエンジン/高性能エンジン開発の技術やノウハウを活かした逸品だ。NAチューンの王道と言える内容のスペシャルチューニングが施され、スペックは150ps/7000rpm、160Nm/4800rpmとなっている。
その仕上がりは「現代に蘇ったテンロク」と言えるだろう。
7500回転まで軽々吹け上がる高レスポンス
最近のクルマは燃費や排ガス対応のため、スロットルレスポンスの反応がイマイチで眠いエンジンの場合が多いが、A30のエンジンはアクセルとスロットルバルブが直結しているかのようなレスポンスの良さを実現している。
レッドゾーン7100rpmを超えてレブリミット7500rpmまで一気に軽々吹け上がる高回転域だけでなく、ルーズな走りも許容する低中速域トルクの太さは、ダウンサイジングターボでは味わえない、NAチューンの魅力と言えるだろう。
エンジンサウンドも吸気音と排気音が上手くミックスされており、音量ではなく音質で聞かせるタイプだ。
A30のエンジンに組み合わされるトランスミッションは、専用ギア比の5速MT。フィーリングは個人的にはもう少しカッチリした節度感があるといいが、軽い操作でも確実にシフトが決まる。「6速が欲しい」と言う気持ちも解るが、トルクバンドが広いので一般道では困ることはなかった。
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