フォーアールエナジー 商品戦略部兼海外事業部マネージャー 上野貴文 インタビュー(4/5)
- 筆者: 御堀 直嗣
- カメラマン:佐藤靖彦
自動車メーカーが、バッテリー再利用に携わる意味
改めて、自動車メーカーとして日産が、中古リチウムイオンバッテリー再利用の事業化へ自ら進出する利点は、どこにあるのだろう?
【上野貴文】いよいよ中古のリチウムイオンバッテリーが出てきた段階で肝となるのは、バッテリーの状態を見極めることと、無駄なく使いきることでしょう。そこに、技術とか、ノウハウが関わってきます。
バッテリーは、化学製品で、生き物です(化学反応によって作用するので、機械が動くように状態が一様ではないという意味:筆者注)から、中古として出て来たときの状態を、一つひとつ正確に把握する必要があります。しかも、壊してしまえばおしまいですから、壊さずにどう見極めるか。その際、正確さを期すため丁寧に見極めようと手間をかけてしまったのでは、コストが高くつきます。ですから、手早く正確に見極めなければならないのですが、そこが難しい。
リーフの場合は、販売された一台一台について、バッテリーがどのように使われ、何回充放電し、急速充電はどれほど行われたかなど、使用履歴が残ります。日産がすでに電気自動車を市販し、何万台というリーフのバッテリー劣化状態を知ることにより、そこから推定式の精度を高め、将来的に中古バッテリーが大量に出て来たとき、その品質をどう判定するかというところで一歩先んじられるのではないでしょうか。
次に、使い切るということでは、多少バッテリーが劣化しても、そのまま電気自動車で使うのがいいか、あるいはクルマから降ろして定置型など別の用途に使う方がいいか、どちらがより有効であるかとの判断も重要です。電気自動車からバッテリーを下ろして、定置型に使えるようにしなおすところでコストが発生しますから。
そうした判断も含め、せっかくの資源をどう使い切るかですね。
そして、結局、電気自動車の価格は安くなっていくのだろうか?
【上野貴文】電気自動車の価格を下げるためには、いよいよリチウムイオンバッテリーの2次利用の価値が高まってきます。でも、中古バッテリーが売れたというだけではダメだと思うのです。
中古のリチウムイオンバッテリーにどれだけの付加価値を与えられるかが、カギを握ります。
その付加価値という具体的なアイディアを探る上で、まず現場の声を聞くことを意識しています。中古バッテリーを売ろうとしている我々もまだ手探りしながらという段階ですが、それを使うお客様にしても、中古バッテリーがどれほど使いものになるのか、あるいはどういうことに使えるようになるのかといったことがわかっていません。
そこで、いろいろな現場へ実際に足を運び、直接話し合うことによって、こういうところで使えるとか、ああいう場合に使えたらいいのだけれど…といったことが具体的になってきます。
蓄電池のニーズとしては、太陽後発電や風力発電の安定化や、ピーク電力の削減、停電時のバックアップなど、いろいろな活躍の場が見えてきています。それらの声に応えるための事業化の道筋を明確なものにしていくためには、制度上の課題も含め、まだまだ取り組むべき課題は多いのが実情です。
フォーアールエナジー社としては、リユースバッテリーを有効に活用しながら、世の中の要請に対して価値ある情報や技術を提供し、市場の構築に貢献していきたいと考えています。
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