フォーアールエナジー 商品戦略部兼海外事業部マネージャー 上野貴文 インタビュー(5/5)
- 筆者: 御堀 直嗣
- カメラマン:佐藤靖彦
何事も楽しむ
現在は、技術営業的な立場で、顧客先をまわって日々忙しい上野貴文の座右の銘とは?
ここ数カ月の間に何度もアメリカへ往復し、このインタビュー後もすぐ1泊のアメリカ出張に行くと語った上野貴文である。まさに、楽しむ気持ちがなければやりきれないときもあるだろう。
【上野貴文】自動車メーカーの将来は、これまでのように、いいクルマを安く作るだけでは済まなくなっていくのではないでしょうか。
いま世の中にあるエンジン車が全て電気自動車に替わることはないにしても、すでにクルマで使うエネルギーが、水素もあれば電気もあるといった変化をしはじめています。そのクルマが、何を提供できるのかということを考えていかないといけないのでしょう。
電気自動車であれば、排ガスが出ないということで何か新たなことができるのではないか?あるいは、リーフ・トゥ・ホームのような、クルマとしてではなく蓄電機能を活かすことも起こってきます。
電気自動車に関わってみると、そのように、これまでのクルマ関係以外の人たちとの付き合いがはじまります。電気メーカー、電力会社、インフラ会社など…。
エネルギーと密接な関係が生まれ、社会が変わっていったとき、そういう社会へどのようなことを提供できるのか、そういうことにも自動車メーカーは取り組んでいかなければいけないのだと思います。
こう話す上野貴文の、この仕事への意欲は高く、それを支えるのが、この座右の銘であるのだろう。
近年、欧米の自動車メーカーも電気自動車の開発と実証実験に熱心で、コンボ方式など充電インフラストラクチャーへの関心も高い。だが、まだ市販したことのない彼らは、市販した後のことまで思考が至っていないようだ。しかし日産は、電気自動車を市販すると腹を括った数年前の段階で、フォーアールエナジー社を設立するなど、普及後を視野に動き出した。
こと電気自動車に関する限り、あらゆる面で日産が世界をリードしていることに間違いはない。END
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