日産自動車 ゼロエミッション事業本部 日本事業部 主担 有光 大 インタビュー(2/5)
- 筆者: 御堀 直嗣
- カメラマン:佐藤靖彦
普及のための安心安全を求めて
自動車メーカーにおける充電インフラ整備とは、具体的にどのような仕事なのか?
【有光大】まず電気自動車にとって、インフラとは何かという定義です。それは、基礎充電とネットワーク充電の二つです。 基礎充電と言うのが、いわゆるご家庭の車庫で日常的に電気自動車に充電を行う「普通充電」、すなわち200ボルト(V)コンセントからの充電です。ネットワーク充電は、車庫を離れ、出先で充電しながら、さらに遠くへ走って行けるように助ける充電、いわゆる「急速充電」です。
そこに日産自動車が関わるに際して、普通充電では、「家のコンセントから充電すればいいんでしょ?」と、簡単に考えることもできますが…雨の日にも感電などの心配なく電気自動車に充電できる安心なコンセントの取り付けはどうしたらいいか?ということまで考えていくと、質の高い電気工事を行える業者を電気自動車を開発・販売するメーカーとして見極め、お客様に紹介することができるのではないかということに思い当たります。
急速充電では、国や自治体などでの急速充電ネットワークの構築といった動きもありまけれど、日産自動車として、販売店で急速充電や200Vの普通充電を対応できるようにすることで、充電ネットワークをより充実していけるのではないか…そうしたところから検討がはじまりました。
2008年の7月ごろから社内の部門を横断した議論をはじめ、既存の部署で解決できることは進めますが、インフラストラクチャーに関わる専任部署というのはそれまでありませんでしたから、2009年にEV充電インフラ戦略チームを立ち上げたのです。
では、どこから手を付けたのか?
【有光大】普通充電にしても、急速充電ネットワークにしても、実際にお客様は何が必要なのか?、そこを明確にしていかなければ話が先へ進みません。
日常生活におけるこれまでの電気の利用は、何の不安もなく、これといったルールもなかったのですね。それほど、電気というのは安心して使えるエネルギーだったわけです。しかし電気自動車への充電となると、家庭で行う普通充電でも、200ボルト(V)、15アンペア(A)、すなわち3000ワット(W)の電力を扱うわけで、これは通常の家庭電化製品の使用電力域を越えています。
ですから、充電コンセントの設置と言っても、家の中をどう配線して屋外にコンセントを設け、また、そのコンセントは天候などの影響に対しどう取り扱えば安全であるかということを、電力会社の支援を受けながら適切な環境づくりをしていきました。
急速充電ネットワークに関しては、どこにあれば便利なのか?、どこに設置されていることが望まれるのか?、いざというときに備え24時間、365日安心して利用できる場所は何処か?。ある程度のそうした情報は、国や自治体、民間の調査会社などでアンケート調査が行われていますので、たぶん、ガソリンスタンドやコンビニエンスストア、高速道路のサービスエリア、大規模な商業施設の駐車場、空港などといった場所を想像することができます。
では、そういった施設に急速充電器を設置して戴くようお願いするうえで、賛同し、設置して戴くまでには、電気自動車を今後どのように普及させていくかというビジョンが不可欠です。こうしたことも、EV充電インフラ戦略チームで考えていくことになりました。
単に自動車メーカーとしてよい電気自動車を開発し、販売すればいいだけでなく、日産自動車はゼロエミッション(排出物ゼロ:筆者注)のリーダーとなると表明していますから、電気自動車の充電インフラストラクチャー整備も、クルマという商品を通じてお客様の近くにいる企業としての使命と考えています。
クルマを利用するにあたり、消費者が安全に安心して便利に利用するための社会基盤整備にまで配慮し、手を広げていかなければならないところに電気自動車の特殊性があり、そこに日産は先手を打ったのである。
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