日産 フーガ 試乗レポート/岡本幸一郎(1/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:柳田由人/村西一海
高級セダンの常識を超えたデザイン
初代フーガのデビューした2004年というと、トヨタはゼロクラウン、ホンダはSH-AWDを擁するレジェンドと、国産3大メーカーのフラッグシップサルーンが三つ巴の年だった。
やがてクラウンが一足先に次期モデルに移行し、登場から5年後、フーガはモデルチェンジし2代目へ。クラウンが内容的にも極めてキープコンセプトであったのに対し、フーガはコンセプトをキープしつつ、ルックスも機構面でも劇的な変化を遂げた。
まったくこのところの日産車のデザインには感嘆させられるものがいくつもあるわけだが、2代目フーガは本当に突き抜けてしまった。どこにも直線部分のない、緊張感に満ちた面と線が織り成す、高級セダンの常識を超えたデザイン。
実は当初、筆者も写真だけ見たときはギョッとしたものだが、実車を一目見たとたん、このセクシーさに圧倒されて「大好き!」になってしまった次第である。
インテリアもしかりで、これまた初代とはずいぶん雰囲気が違う。
デザインも、質感も、全体的に一新された。下世話な話だが、かなりお金がかかっている感じがする。ややタイトに仕立てられた前席の間にあるセンタークラスターも、見た目のよさもさることながら、非常に使いやすく機能的にレイアウトされていることに感心する。
職人さんが手作業で銀粉を刷り込んだという本木目フィニッシャーも、新しい感覚の質感がある。手間がかかっているぶん、与えられる充足感も大きくなる。
「プレミアムインテリア」に設定された、セミアニリン本革やソフィレスなどの上質な素材を用いたシートなどの触感も好印象だ。
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