50周年を迎えたフェアレディZ、次期Z35型はまさかの電動化!? 未だに姿を見せない新型Zを大胆予想する!

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日産が世界に誇るスポーツカー、フェアレディZ。1969年デビューの初代S30型が北米を中心に大ヒットして以来世代を重ね、2019年はデビューから50周年を迎えた。しかし現行Z34型は2008年の登場から11年も経過し、未だ次期モデルの情報もない状況。果たして新型Zはどうなるのだろうか。自動車研究家の山本 シンヤが大胆に予想する!

目次[開く][閉じる]
  1. 日産 フェアレディZは生き残れるか?
  2. フェアレディZ 50周年モデル
  3. はたして次期Zは存在するのか?
  4. フェアレディZに明るい未来はないのか?
  5. ノスタルジーでなく、革新を

2020年9月16日情報更新! いよいよ新型Zが正式発表

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※以下の記事は2019年11月時点での情報を基にしたものです。最新記事は上記のリンクからご覧ください

>>大胆すぎるカラーリング!? フェアレディZ 50周年記念モデルを見る[フォトギャラリー]

日産 フェアレディZは生き残れるか?

2019年、日産の2台のスポーツカーが50周年を迎えた。「GT-R」と「フェアレディZ」である。

効率論で言うとスポーツカーは世の中になくてもいい「無駄な物」であり、それが故に業績や時代背景により真っ先にリストラ対象となるモデルだ。にも関わらず、両車ともに途中で空白期間があったとは言え、ここまで長きに渡り継続できたことは、日本人にとって誇りでもある。

広がるGT-Rとの格差

いかに名車といえ、GT-RとフェアレディZの現行モデルは既にデビューから10年超となるロングライフなのも事実だ。

GT-Rは2007年デビュー。実は日産ラインナップの中で最古参だが、常に進化・熟成を行なってきたことで、最新の2020年モデルは世界のスーパースポーツとガチで戦えるパフォーマンスを備えている。

Zは”放置プレイ”中!?

その一方、2008年登場のフェアレディZはと言うと、細かい変更や熟成は行なわれているものの、12年で大きく変わったGT-Rと比べると、放置プレイと言わざるを得ない。

専用設計が故に進化ができなかった4代目(Z32)の反省から、5代目(Z33)では「Zは毎年進化する」と宣言。パワートレイン変更や(VQ35DE→VQ35HR)、フットワークの進化、更には数多くの特別モデルなどが設定された。しかし現行6代目(Z34)でその勢いは途絶えてしまったのも事実だろう。

日産/フェアレディZ
日産 フェアレディZカタログを見る
新車価格:
539.9万円920万円
中古価格:
45万円2,830万円

フェアレディZ 50周年モデル

ド派手カラーでも、変更は見た目だけ?

そんな中登場した「フェアレディZ 50周年記念モデル」はと言うと…、エクステリアはBREカラーをオマージュしたブリリアントホワイトパール/バイブランドレッド2トーン+グロスレッドボディサイドストライプステッカー、専用デザインのアルミホイール、50周年バッジなど。

インテリアは専用のステッチ付シート&ドアトリムやシフトノブ&シフトブーツ、キッキングプレート、50周年記念ロゴなど見た目の部分の変更のみ。ちなみにZ33時代に登場した35周年記念モデルは、エンジンやフットワークにも手が入っていたのだが…。

日産のホームページには「進化し続けてきた50周年の結晶でもあり、次の50年に向けたスポーツカーの次代を象徴とする『はじまりの1台』でもある」と記載されるが、どこか寂しさを感じる。

はたして次期Zは存在するのか?

関係者の噂にものぼらないフルモデルチェンジ

そして、誰もが気になるのは「次期Zは存在するのか?」だろう。筆者も日産の様々な関係者に質問してきたが、彼らは「GT-RとZは日産の象徴なので、やめることはない」と語るものの、新型フェアレディZ(Z35型!?)の開発は噂レベルでも話を聞くことがない。

なぜフルモデルチェンジさせないのか? 恐らく技術的には全く問題はないが、「ビジネスとして成立するか?」と言った部分に大きな課題がある。

開発費の捻出はトヨタでも難しい

ちなみにフェアレディZが使用する車台(FMプラットフォーム)は2001年にV35スカイラインから採用、改良を重ねているとは言え、老朽化は否めない。

となると、新プラットフォームが必要だが、残念ながらルノー・日産・三菱アライアンスの中で、後輪駆動モデルを持つのは日産 インフィニティのみ。水平展開することでコストを抑える事は厳しい。

トヨタ スープラはBMWとの共同開発で復活を遂げたが、あのトヨタでもスポーツカー開発を単独で成立させることは難しい状況なのだ。

ダイムラーが救いの手!?

日産が2010年に資本業務提携を結んだダイムラーには後輪駆動用のプラットフォームが存在するので、「それを使えば!」と言う希望的観測もあったものの、スカイラインに搭載していたダイムラー製2L直噴ターボエンジンの供給はすでに終了。

また共同開発されたコンパクトハッチ「インフィニティQ30」とコンパクトクロスオーバー「インフィニティQX30」も年内で生産終了と、その関係は微妙である…。

フェアレディZに明るい未来はないのか?

カギは電動化とIMQコンセプト

ズバリ筆者は、“電動化”が鍵を握っていると思っている。

実は2019年3月に開催されたジュネーブモーターショーで次世代クロスオーバーを示唆するコンセプトモデル「IMQコンセプト」が登場したが、このクルマに使われているコンポーネントを応用すればどうだろうか?

IMQコンセプトのパワートレインは340hp/700Nmを発揮する直3-1.5Lターボ+e-POWERと発表されている。ちなみに現行フェアレディZは336PS/365Nm(NISMOは355PS/374Nm)とパフォーマンスに問題はないだろう。

更にIMQコンセプトは前後にモーターを搭載する電動AWDだが、モーターの組み合わせにより駆動方式はどうにでもなるだろう。

ノスタルジーでなく、革新を

初代が成し遂げた偉業は大きい

ちなみに初代フェアレディZ(S30)はポルシェ 911やジャガー Eタイプの半分の価格で、かつ性能的には遜色がなかった。もし仮に次期フェアレディZが上記のようなモデルならば、ポルシェ タイカンやジャガー I-PACEがライバルだろうか?

…と言いながら、フェアレディZがこの先どのような運命をたどるかは、現時点では全く解らない。

少なくとも次期モデルは「ノスタルジー」に浸るのではなく、次の50年に向けた「革新」を期待したいところである。

[筆者:山本 シンヤ]

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山本 シンヤ
筆者山本 シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し。「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“解りやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。西部警察は子供時代にリアルでTV放送を見て以来大ファンに。現在も暇があれば再放送を入念にチェックしており、当時の番組事情の分析も行なう。プラモデルやミニカー、資料の収集はもちろん、すでにコンプリートBOXも入手済み。現在は木暮課長が着るような派手な裏地のスーツとベストの購入を検討中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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