Be-1にパオ、フィガロまで! いま乗って自慢したい懐かしのパイクカー3選
- 筆者: MOTA編集部
はっと目を見張るような流麗なフォルムのスポーツカー。屈強なボディでどこにでも行けそうなSUV。それともオシャレで可愛らしいコンパクトなモデル。最新モデルから懐かしの名車まで。燃費や車格、維持費など現実問題は一旦置いておいて、誰しも1度は自分の憧れのクルマを思い描いたことでしょう。そしてそれを自慢したいなんてことも…。今回はそんな、一度はこんなクルマに乗って自慢してみたい懐かしのパイクカー3選をお届けします。
あなたの好きなクルマは何ですか? 昔から憧れていた1台はありますか?
日産 Be-1(1987年-1988年)
Be-1の元デザインは、1982年に登場した初代マーチ(K10型)のリニューアルプランの一つでした。デザインプランには、日産自身のデザインチーム、外部デザイナー、海外デザイナーから数案が提出されました。その中から、クルマと全く違うアパレル分野から招聘された外部デザイナー、ウォータースタジオ・坂井 直樹氏の「B−1」案が採用されることになりました。現在では珍しくないレトロ調のデザインでしたが、当時としてはむしろ極めて画期的でした。
その案のクルマを1985年の東京モーターショーに参考出品したところ、予想以上の大反響を得たため日産は1万台の限定生産を決定、1987年から高田工業によって月産400台体制で生産が開始されました。ポップで明るいボディカラー、丸いヘッドライト、シンプルな内装など、ショーモデルで好評だった要素を可能な限り生産型でも再現していたこともあって、発売直後に注文が殺到。わずか2ヶ月で予約がいっぱいになったことからも、その反響の大きさがわかります。
Be-1は、エンジンは直4OHC+電子制御キャブレターの「MA10S」で、機構的にはベースの初代マーチと大きく変わることは無いのですが、可愛らしい丸いボディを表現するために、フェンダーに新しい樹脂素材を採用するなど新技術が多数盛り込まれていたことも特徴でした。
日産 パオ(1989年-1991年)
パイクカーの第二弾「パオ」は、1987年の東京モーターショーに参考出品されたのち、1989年に発売を開始しました。コンセプト作りには同じく坂井 直樹氏が参加。平面フロントガラス、三角窓、リブが入ったようなボディ、小さくて丸いテールライト、外付けドアヒンジなど、Be-1よりもさらにレトロ感を強調していました。
インテリアも見所で、ドアパネルやダッシュボードはボディカラーに準じ、ステアリングやメーター、スイッチ類もアイボリーに統一するなど、デザインは徹底してクラシカルに仕立てられていました。オプションの2DINサイズオーディオも思い切り外付け感たっぷりで、しかもレトロデザインの専用品という凝りっぷり!
パオもBe-1同様、見かけと裏腹にボディは当時最先端の樹脂素材を多用して作られていました。これは生産台数が少ないこと、コスト減を図るためには樹脂の使用が最適だったこと、デザインの再現度が高いことが理由でした。またエンジン、サスペンションなどの機械部分がマーチそのものだったのも、Be-1と同じでした。
パオも販売は好調で、生産台数限定ではなく予約期間を絞る方法にしたことで結果的に3万台以上が販売されています。生産を担当したのは高田工業と愛知機械工業でした。
日産 フィガロ
マーチベースのパイクカーの最後となったのが「フィガロ」で、1991年に登場しました。
このクルマも発売前の東京モーターショーに参考出品してから市販、という流れでした。Be-1とパオが、マーチのボディ形状に準じた3ドアハッチバックだったのに対し、フィガロはお椀をひっくり返したようなボディに小さなキャビンを載せた2+2クーペスタイルを採用。しかもルーフは中央部のみキャンバス製で、ガラス製リアウインドウと一緒に後部に手動格納されるという“オープンカー”でもありました。
内装も凝っており、スイッチ類の多くが専用設計という贅沢さで、特別な雰囲気がさらにアップしていました。本革シートを奢って高級感を獲得したことにより、Be-1やパオの大衆車的なイメージからも脱却。優雅な雰囲気も漂わせていました。76psを発生するMA10ET型ターボエンジンが搭載されたことも大きなトピックでした。なお、製造は高田工業でした。
パイクカー第3弾ともなれば人気も下火に……と思いきや、発売を開始するとこれまた大注目車種に。販売方法は過去2回の反省を踏まえ、総数2万台を3回に分けて「抽選販売」が行われました。
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