ホンダ NSXがデビュー30周年! フェラーリを焦らせた国産初の量産スーパーカー

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世界をアッと驚かせた国産初の量産スーパーカー「ホンダ NSX」が誕生したのは1990年9月13日。デビューから30周年を迎え、ホンダは特設Webページを2020年9月13日に開設した。現行型2代目NSX開発者のメッセージなどとともに、初代の功績などを改めて振り返ってみよう。

目次[開く][閉じる]
  1. 世界が驚いた誰でも乗れるスーパースポーツ
  2. ドライバーに無理強いしない新時代のスーパースポーツ
  3. 人中心の車作りが受け継がれた2代目NSX

世界が驚いた誰でも乗れるスーパースポーツ

1990年9月13日にデビューしたホンダ 初代NSXに搭載された3.0リッターV6 VTECエンジンのスペックは、最高出力280ps、最大トルク30.0kg・mと、今の基準でいえばさほどでもない。しかしフェラーリやポルシェなど世界の名だたるスーパーカーメーカーを焦らせ、そして変化させるに至った歴史的な功績をあげている。そのいくつかを紹介しよう。

軽量化と剛性を両立したオールアルミ・モノコックボディ

まず初代NSXで特筆すべきポイントは、世界初のオールアルミ・モノコックボディだ。当時部分的にアルミが使われることはあったが、骨格からボディ、そのすべてにアルミを使ったのは初代NSXが初めてだった。

アルミは鉄と違い、加工や溶接が難しいため、材料メーカーとともに相当な苦労があったという。最終的には部位によって5種類のアルミ合金を使い分け、鋼板ボディに比べボディ単体で140kg、車全体でも200kgの軽量化に成功。1350kg(MTモデル)という驚異的な軽さを実現すると共に、高いボディ剛性を手に入れた。

ドライバーに無理強いしない新時代のスーパースポーツ

ホンダの開発陣がここまで軽量化にこだわったのは、潜在的な運動性能の向上を目指しただけではなく、エアコンやパワーウインドウといった、それまでスーパースポーツには不要と思われていた快適装備を搭載するためだった。

さらに初代NSXは、誰が乗っても快適に運転できるよう、車体中央よりやや前よりに据えられたキャノピーは、水平方向311.8°という視界を確保。ドライバーを自然な体制で座らせことを前提に、ペダルやハンドル、メーターなどの位置が決められた。

初代NSXはスポーツカーの概念を変えた

今でこそ、人中心の車作りはそれほど珍しいことではない。しかし、当時のスーパースポーツと呼ばれる車種の多くは、ドライバーが車に合わせることを求められることも珍しくなかった。

その点、初代NSXは無理な運転姿勢をとることなく自然な姿勢で運転でき、炎天下でもエアコンのおかげで快適に過ごせる。MTモデル以外にATが選べたことも驚きだった。そのことが、フェラーリをはじめ多くのメーカーを驚かせ、各社が「初心者でも運転出来る」ほどの運転しやすさに注力するようになった。「NSXを境にスポーツカーの概念が変わった」と言われるほどだ。

新車より中古車の方が高い! 国産車としては珍しいプレミア価格

初代NSXの新車価格は800万円で、同時期に販売されていたR32スカイラインGT-Rが445万円であったことを考えればかなり高額だが、発売するやいなや注文が殺到しバックオーダーを抱えるほどの人気ぶり。何かしらの理由でNSXが中古車として販売されると、新車価格を超える1000万円以上の値が付けられることも珍しくなかった。

今思えば、ほぼ手作業で組み上げれた、誰でも快適に乗れるスーパースポーツが800万円というのは、海外製のスーパーカーが飛ぶように売れたバブル期の日本にとっては、破格のバーゲンプライスだったのだろう。

人中心の車作りが受け継がれた2代目NSX

1990年9月に誕生した初代NSXは、2005年末に生産を終了。そして約11年のブランクを経て、2016年に2代目NSXが北米で生産と販売を開始し、翌2017年から日本でも販売が開始された。

2代目NSXは、3.5リッターV6 DOHCにツインターボを装着し、前輪に2基、後輪用に1基の電気モーターを組み合わせ4輪を駆動する。この世界的にも稀な「スポーツハイブリッド SH-AWD」は、左右前輪のトルクを自在にコントロールすることによって、異次元のコーナリング性能を実現。エンジンとモーターを合わせたシステム出力は581ps、最大トルクは645Nmを発生し、世界のスーパースポーツと肩を並べる動力性能を手に入れた。

さらに、スムーズさにこだわりサーキット走行からイージードライブまで対応する9速DCT、良好な視界が得られるように工夫されたインテリアやドアミラーなど、誰でも安心して乗れるスーパースポーツに仕上がっている。それはまさに、初代NSXの意志を引き継いでいることの表れだろう。

ホンダ NSX 開発責任者 水上 聡氏のメッセージ

■NSX を愛するすべてのみなさまへ

初代 NSX は、人間中心のスーパースポーツとして、最先端技術を結集したチャレンジングな開発により、スポーツカーの新たな可能性を世に問い、世界のスーパースポーツに影響を与えるほどの大きな足跡を残しました。その志を受け継いだ 2 代目は、新時代のスーパースポーツとして、いち早く電動化技術を融合し、唯一無二の存在に進化し、New Sports Experience を提供させていただいたと自負しています。

私たち開発者は、その更なる進化に挑み続けています。私たちの思いは、初代開発に挑んだ先人たちと何一つ変わりません。当時のキーワード「Our dreams come true」には、NSX を Honda の夢に留める事無く、共感して下さる世界中の皆さまと分かち合うという思いが込められています。私たちは、皆さまと共に夢を追い続けたいと願っています。

30 周年を記念し、NSX にかける思い、夢を追うこと、チャレンジする事の喜び、そして NSX を愛し続けてくださった皆さまと共に紡いだ歴史を、感謝の気持ちと共にお届けする様々なコンテンツをスタートいたします。この機会に、夢を追い続ける仲間に加わっていただけたなら、この上無く幸せです。

NSX 開発責任者 水上 聡

ホンダ/NSX
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新車価格:
2,794万円2,794万円
中古価格:
605万円5,930万円

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樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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