アバルト プントエボ 本国発表 … 日本導入は未定

フィアットは、プントエボを本国で発表。日本導入はまだ未定となっている。

プントエボに搭載される新開発の165馬力マルチエア1.4ターボガソリンエンジンは、アバルトがレースで培ってきたノウハウとフィアット パワートレーン テクノロジー社による無敵のパートナーシップの賜物。昨年のジュネーブモーターショーで、初めてフィアット パワートレーン テクノロジー社がこのエンジンを発表して以来、アバルトのエンジニアらは、さらにパワーを絞り出す研究を重ねるだけでなく、典型的なアバルトスタイルに沿ったスポーティーパフォーマンスに磨きをかけてきた。

マルチエア方式エンジンは、同じ排気量の従来型ガソリンエンジンと比べ、出力で約10%、トルクで約15%、燃料消費量で約10%を向上。CO2で約10%、PM(粒子状物質)で約40%、NOx(窒素酸化物)で約60%もの排出量低減を実現している(いずれもメーカー公表最大値)。

この驚異的な成果は、マルチエアエンジンの核となる電子制御式油圧バルブコントロールにより実現される。このエンジンは従来の様にはスロットルバルブを利用せず、電子制御式油圧システムにより吸気バルブの開弁時期やリフト量をコントロール。エンジンの燃焼に必要な空気量を吸気バルブの開閉により直接調節することで、燃料消費量と排ガス中の汚染物質を低減する技術手法。この最新技術を基本に、アバルト開発部門が一連のモディファイを実施。最高出力165PSの革新的なマルチエア1.4 16Vターボエンジンを開発。モディファイの一例は、ギャレット製の新型大径ターボチャージャーを巧妙に組み合わせることで、最大トルク250Nm(25.5 kgm)を2,250rpmで実現。0~100km/hの発進加速は、わずか7.9秒を達成した。

スポーティーな新型アバルト プントEVOは、路面状況やドライバーの好みに応じて「SPORT」、または「NORMAL」と2つの走行モードを選ぶことで、エンジンやトラクション、ハンドリングの特性を切り換えることができる。走行モードの切り換えスイッチはシフトレバー近くの使いやすい位置に設定。このスイッチ操作だけで、簡単に素早く2つのモードを切り換えることができ、選んだ走行モードに応じ、メーターパネルの表示灯が点灯する。安全優先でリラックスした運転を望むときは「NORMAL」モードを選択。一方、アバルト プントEVOのパフォーマンスを最高に発揮する「SPORT」モードを選べば、思わず興奮するほどのパワーを楽しむことができる。この「SPORT」モードでは、電動パワーステアリングのアシストを軽減することで路面感覚重視の極めてスポーティーなハンドリング性能を提供。そして安全面に対しても充分に配慮し、TTC(トルクトランスファーコントロール)システムが自動的にONになることで、安定した駆動性能を約束する。

アバルト プントEVOはシフトアップインジケーター(GSI)を装備しており、ラリーカーにおける有能なコドライバー(ナビゲーター)のようにドライバーをアシスト。メーターパネル内のインジケーターが点灯することで、燃費低減に最適なシフトアップのタイミングを知らてくれる。また、革新的な「スタート&ストップ」システムも標準装備。これは信号待ちなどで停車すると自動的にエンジンを止め、その後ドライバーの意志で発進するための動作を感知すると、イグニッションスイッチを操作することなく、即座にエンジンを始動するアイドリングストップ機能。このシステムは市街地走行や信号待ちが連続する状況で大いに真価を発揮。そして専用の制御ロジックにより、可能な限りエンジンを自動停止することで、市街地モードでは最大10%、NEDCモードでは最大3.5%の燃料消費量を低減する。

エンジンの自動停止中でも、スタート前にドライバーが発進用のギア(1速や“R”)へシフトするためクラッチペダルを踏み込むと瞬時にエンジンが自動的に始動し、車のスタートを妨げることはない。また、スタート時に不意なエンジンストールを起こしたときも、クラッチペダルを踏みこむだけで自動的にエンジンを始動する機能も備えている。

このシステムにより、信号待ちなどの停車中にエンジンが止まることでノイズと振動から解放され、車内の快適性も向上。そして排出ガスはゼロになる。また、このシステムは完全に相互作用を実現しており、エンジンの自動停止機能が作動できる状態か、そうでないかは、メーターパネルの表示により、いつでも確認できる。さらに、エンジンの自動停止/始動機能が不用なときは、インストルメントパネル上の解除スイッチにより「スタート&ストップ」システムをOFFにすることができる。

革新的なマルチエアエンジンはスポーティーなパフォーマンスを発揮するだけでなく、排出ガスと燃料消費量も確実に低減。ベースエンジンに比べ、大幅にパワーアップしているにもかかわらず、燃費経済性の向上を実証。市街地モードで8.1L/100km、欧州複合モードで6.0L/100km、そして高速モードで4.8L/100kmのデータを公表している。また、CO2排出量142g/kmを達成した非常にクリーンなエンジンであり、Euro 5排ガス規制にも適合してる。

アクティブセーフティーとパッシブセーフティーのEVOリューション

アバルトの哲学は優れたパフォーマンスと安全性の両立。アバルト プントEVOは、どんな路面状況でも安全なコントロールに貢献し、ドライバーをアシストする補助機能を装備している。

アクティブセーフティーの中心はTTC(トルクトランスファーコントロール)。TTCはエンジンから駆動輪へのトルク伝達を向上することで、とくにタイトコーナーで起こりがちな内輪側の空転を抑制して駆動性能とハンドリング性能を改善させる。その結果、アンダーステアーの少ない優れたハンドリングとともに、コーナーからの脱出速度も向上。これまで以上に安定したコーナーリングとともに、スポーティーな走行を一層楽しいものにしている。このTTCは、ESPの個別自動ブレーキ機能とセンサー(ホイール回転速度やハンドル舵角、ヨーアングルなど)を利用することで、電子制御式LSD(リミテッドスリップディファレンシャル)のように作用し、左右駆動輪へのトルク配分を最適にコントロールする。

「SPORT」モードを選ぶと、TTCは自動的にONになりる。また、TTCがONになるとコーナーリング中の横方向加速度(旋回G)に応じ、LSDとしてのロッキングファクターが自動的に調整される。

アバルト プントEVOは運転席ニーエアバッグをはじめ、7つのエアバッグを装備するなど、安全面において新たな基準となった。プントEVOは全バージョンに運転席ニーエアバッグを標準装備。このセグメントとしては数少ないモデルのひとつとなっている。

アバルト プントEVOはブレーキングコントロールが容易で強力な制動力を発揮するブレーキシステムも特徴のひとつ。4輪ディスクはもちろんのこと、フロントはブレンボ製対向4ポッド式キャリパーにベンチレーテッドディスクが組み合わされた。サスペンションは典型的なアバルトセッティング。フロントに独立懸架式のマクファーソンストラット、リアは半独立懸架式のトーションビームを採用。このサスペンションレイアウトはベースモデルと同じだが、フロントには太めのスタビライザー(アンチロールバー)に加え、標準型に比べ、約20%固いコイルスプリングを採用。その結果、絶妙なロードホールディングと高次元の乗り心地を両立させている。

レーシングフィールドからのエアロEVOリューション

アバルトはプントEVOのエクステリアについて、運動性能とエアロダイナミックスの向上を目標に、大幅に手を加えた。ベースモデルとなったフィアットバージョンと比べると、オーバーフェンダーに合わせてフロントバンパーを拡大。ブラック仕上げのインテークグリルもサイドパネルのエアアウトレットに調和するように、より奥行きを感じさせる形状になっている。これらの変更は気流を改善する効果があり、完璧なラリーバージョンマシンと同様、ボディ側面のエアロダイナミクスを大きく向上している。

リアエンドは、サイドエアアウトレットを組み込んだ新設計のバンパーを装備。リアバンパーの主役は気流を最適化する一体型のディフューザー。ディフューザー自体の形状は現行モデルと似ているが、新たにブラック仕上げのプロテクターを配したことで、さらに個性的なデザインとなり、フロントバンパーのデザインとも一貫性を形作っている。

また、大口径のデュアル型テールパイプを備えるエキゾーストシステムはアバルトの輝かしい歴史を反映しており、ニューデザインのテールパイプは、従来とは異なり、専用仕様の光沢仕上げとした。

バックランプとリアフォグランプは、フォーミュラマシンと同じようにディフューザーの中央に配したことで、目を見張るデザインとなった。また、新デザインのサイドリフレクターはリアウインドー横のLED式テールランプカウルと同様に、ディフューザーのデフレクター形状を強調する効果がある。

新しいデザインのサイドスカートやオーバーフェンダーは、ボディ同色仕上げとなり、サイズも見直したことで、車をより長く、ダイナミックなフォルムに演出。後方へ長く延びるテーパー形状は空力特性を示す空気抵抗係数Cxや、ダウンフォース係数Cz値を改善し、アバルト プントEVOは現行モデル(アバルト グランデプント)より、スタビリティを大きく向上している。

フロントエンドは、新デザインのエンブレムとフロントグリルのコンビネーションにより、一層スポーティーな印象を与えている。今回、現行モデルの丸形エンブレムとは異なり、アバルト チンクエチェントで採用したオリジナルの形状が復活した。

オーバーフェンダーとサイドスカートをボディ同色としたことで、アグレッシブな性格と「路面に貼り付く」ようなハンドリング感覚を視覚的に強調。サイドパネルのグラフィックデザインも新型フロントバンパーに合わせ、形とサイズを変更。このため、一層スリークな印象を感じさせるサイドビュープロポーションになった。さらに、新たな装備品としてサソリのエンブレムを中央に配したニューデザインの17インチ仕様スポークホイールも用意されている。

インテリアも完全にリニューアル。レーシングサーキットの路面をイメージさせる仕上げの新しいインテリアトリムが、車内にサーキットの興奮を呼び起こす。

新しいデザインのインストルメントパネルは上下2つのセクションから構成されている。上側のオーディオセクションは、ブラックパネルと中央に配した液晶ディスプレイが特徴的。その下にはエアコンの操作パネルを配置。オーディオセクションのさらに上、最上部にはエアコンの吹出し口とセンターアッパーボックスが設定されている。

メーターパネルには、機能的なデザインのJaeger(イエーガー)製大型円形スピードメーターとレブカウンターを配し、レーシングカーをイメージさせるグラフィックデザインが特徴。このメーターパネルは、オープンレッドとイエローのステッチで縁取ったレザー仕上げのメーターナセルカバーを採用することで、高い防眩効果も発揮する。

新デザインのシートもインストルメントパネルと視覚的なコーディネーションを感じさせる。座面とシートバックレストは柔らかなブラックレザーとし、シート側面はハイテク素材を採用。座り心地をはじめ、通気性、耐久性の理想的なバランスを提供する。

また、Sabelt(サベルト)製の「アバルトコルサ」シートもオプションとして用意。このシートはレース仕様の条件をすべて備え、軽いことはもちろん、前後左右にかかる加速度に対し、乗員を確実にホールドする。

パワーのEVOリューション - 「SS(エッセエッセ)」キット

当然のごとくアバルトはアバルト プントEVOの発表と同時に、エンジンをさらにパワーアップするハイパフォーマンスキットも発売される。アバルトの伝統に則り、このチューニングキットはアバルトのベーシックモデルと比べ、さらにパワフル。マルチエア1.4 16 Vターボエンジンから最大出力180 PSを発生させる。

アバルトのパフォーマンスチューニング哲学に基づく「SS(エッセエッセ)」キットには、ドリルドベンチレーテッドディスクをはじめ、ハイパフォーマンスブレーキパッド、ローダウン仕様コイルスプリング、18インチ仕様のハイパフォーマンスタイヤと組み合わせたペイント仕上げの専用アルミホイール(ホワイト、またはチタニウムグレー)など、シャシーチューニングパーツに加え、BMC製専用エアフィルターも含んでいる。

グランデプントやチンクエチェントと同様に、アバルト プントEVO用の「SS(エッセエッセ)」キットは、一目でわかる伝統的な木製コンテナに収納して配送される。最高の品質と安全性を保証するため、このキットはアバルト正規パフォーマンスチューニング ネットワークのみで取り付けることができる。

ABARTH PUNTO EVO 1.4 MultiAir Turbo 165 PS

プントEVO

「Start&Stop」システム装備車

■エンジン

・直列4気筒、マルチエア16V、1,368cc

・最高出力165PS(120 kW)/5,500rpm

・最大トルク250Nm(25.5 kgm)/2,250rpm

・過給器:ギャレット製GT1446固定ジオメトリー型ターボチャージャー

・電子制御式ダイレクトイグニッション

・「スタート&ストップ」システム

・シフトアップインジケーター

・マルチエア方式による電子制御式油圧駆動吸気バルブコントロール

・走行モード切り換え機能(エンジンECU、電動パワーステアリング):NORMAL/SPORT

■トランスミッション

・6速マニュアル

■サスペンション

・フロント:独立懸架式マクファーソンストラット、強化型スタビライザー

・リア:半独立懸架式トーションビーム

■ステアリングシステム

・デュアルモード式電動パワーステアリング(NORMAL/SPORT)

■ブレーキシステム

・フロントキャリパー:ブレンボ製対向4ポッド(M4X40)

・フロントディスク:305mm x 28mmベンチレーテッド

・リアディスク:264mm x 11mmソリッド

・付加装置:ABS + ESP ・TTC(トルクトランスファーコントロール)

■ホイール、タイヤ

・ホイール:7J x 17インチET39アロイホイール、5スポークデザイン、ペイント仕上げ

・タイヤサイズ:215/45 R17

■環境性能

・排出ガス規制:Euro 5適合

・CO2排出量:142g/km

■燃料消費量(欧州規格に基づく測定)

・複合モード6.0L/100km

・高速モード4.8L/100km

・市街地モード8.1L/100km

■パフォーマンス

・最高速度:213km/h

・発進加速0~100km/h:7.9秒

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

フィアット プントエヴォの最新自動車ニュース/記事

フィアットのカタログ情報 フィアット プントエヴォのカタログ情報 フィアットの中古車検索 フィアット プントエヴォの中古車検索 フィアットの記事一覧 フィアット プントエヴォの記事一覧 フィアットのニュース一覧 フィアット プントエヴォのニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる