ニスモ開幕2連覇!“ガス欠・バースト”大波乱の500kmレース【スーパーGT 第2戦 富士】

スーパーGT 第2戦 富士(2016)

スーパーGT 第2戦『FUJI GT 500km RACE』決勝レースが、5月4日、富士スピードウェイで行われた。5万人を越える大観衆が集ったゴールデンウィークのレースにおいて、GT500クラスは日産GT-R同士の壮絶なバトルの末、No.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)が逆転で開幕2連勝を飾った。

▽優勝コメント

松田次生選手「今回は40kgのウェイトハンディにどこまで苦しめられるんだろうと思っていました。予選でQ1を突破して繋いだロニー(クインタレッリ)選手が4番手グリッドをもぎ取ってくれたのですが、今日のレースではロニー選手の(最初のスティントでの)走りを見ていて苦しそうだな、と。でもその苦しい中、がんばって(当初より)2ラップほど多く走ったことでピットでの逆転に繋がりました。12号車のカルソニックにトラブルがあったから同じGT-R勢としては複雑なところもありますが、まずは勝てて良かったです。」

ロニー・クインタレッリ選手「40kgのウェイトハンディで、予選4位にはなれましたが、正直なところレースでは、思った以上に厳しかった。まだまだクルマのバランスが良くなかったんです。でも最後のスティントではガソリンが少なかったこともあってプッシュできました。何とか2位争いは(制したい)、と思っていましたが、チームが素晴らしい作戦を実行してくれ、またいつもながら素晴らしいピットワークでサポートしてくれて、優勝することができました。」

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【GT500 レースレポート】

スーパーGT 第2戦 富士(2016)

朝方の雨も上がり、決勝レースが始まる14時には青空が広がる好天となった。風は強いながらも気温21度と過ごしやすいレース日和の中、決勝レースがスタートした。

ポールポジションのNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手が好スタートを切り、これをNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山哲選手)、No.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路選手)、2連覇チャンピオンのNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ選手)が追う展開となる。逃げるカルソニックIMPUL GT-Rのオリベイラ選手は20秒近いマージンを稼いで、中盤を担当する安田裕信選手にバトンタッチ。安田選手もそのマージンを活かして逃げる。

スーパーGT 第2戦 富士(2016)

そして2度目のピットインが近づいた68周目。伊沢拓也選手がドライブするNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTのタイヤがバーストし100Rでコースアウト。マシンが大きく壊れたため、その処理のためセーフティカーが導入される。

今年導入された規定により、このタイミングではピットインができないのだが、2番手のNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rは給油が必要なため、ペナルティ覚悟でピットインして上位から脱落。これで2番手に上がったNo.38 ZENT CERUMO RC F(石浦宏明選手)もレース再開後に突如マシンがストップ。大波乱のレース展開となった。

スーパーGT 第2戦 富士(2016)

レース終盤はピットの作業の速さでトップに立ったNo.1 MOTUL AUTECH GT- R(クインタレッリ選手)とNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(オリベイラ選手)のマッチレースに。ラスト14周でカルソニックIMPUL GT-Rが再度逆転するが、MOTUL AUTECH GT-Rも追いすがる。コンマ数秒の激戦が続きGT-R同士の優勝争いがヒートアップ。徐々にカルソニックIMPUL GT-RがMOTUL AUTECH GT-Rとの差を広げていき、誰もが優勝を確信した。

しかし…ラスト4周で逃げるカルソニックIMPUL GT-Rのタイヤがバーストしコースアウト。これを辛くも避けたMOTUL AUTECH GT-Rがトップとなり、そのままチェッカーを受け、開幕戦岡山に続き連勝を果たした。

2位はNo.39 DENSO KOBELCO SARD RC F(ヘイキ・コバライネン選手/平手晃平選手)。元F1ドライバーのコバライネン選手にとっては、参戦2年目で初の表彰台となった。3位にはNo.37 KeePer TOM’S RC F(ジェームス・ロシター選手/平川亮選手)が入った。

優勝したNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rの松田次生選手は自身が持つGT500最多勝記録を18勝に延ばし、ロニー・クインタレッリ選手は通算12勝目となった。

スーパーGT 第2戦 富士(2016)

【GT500 決勝リザルト】

(1)#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)

(2)#39 DENSO KOBELCO SARD RC F(ヘイキ・コバライネン/平手晃平)

(3)#37 KeePer TOM’S RC F(ジェームス・ロシター/平川亮)

(4)#36 au TOM’S RC F(伊藤大輔/ニック・キャシディ)

(5)#6 WAKO’S 4CR RC F(大嶋和也/A.カルダレッリ)

(6)#8 ARTA NSX CONCEPT-GT(松浦孝亮/野尻智紀)

(7)#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山哲/千代 勝正)

(8)#19 WedsSport ADVAN RC F(関口雄飛/国本雄資)

(9)#24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(佐々木大樹/柳田真孝)

(10)#64 Epson NSX CONCEPT-GT(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット)

(11)#12カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信/J.P.デ・オリベイラ)

(12)#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/小暮卓史)

(13)#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(武藤英紀/オリバー・ターベイ)

(14)#38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/石浦宏明)

(15)#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/伊沢拓也)

スーパーGT 第2戦 富士(2016)

【GT300】

スーパーGT 第2戦 富士(2016)

GT300クラスでは、予選5位からスタートしたNo.3 B-MAX NDDP GT-R(星野 一樹選手/ヤン・マーデンボロー選手組)がレース中盤でトップに立つと、追いすがるNo.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一選手/小林崇志選手組)を引き離し、そのまま逃げ切って今季初優勝を果たした。日産GT-Rは、昨年の第7戦オートポリス以来のGT500/GT300クラス両クラス優勝となった。

◇優勝選手コメント

星野一樹選手「ヤン(マーデンボロー)をパートナーに新体制で臨んだシーズンでしたが、開幕戦の岡山では最悪のレースとなってしまいました。それにこの富士では去年の第2戦で2位になって嬉しい半面、とても悔しいレースだったので、今回こそ何とか巻き返そう、と思っていました。チームやヤン、それに(タイヤの)ヨコハマさんと一緒になってがんばってきて、やっと優勝することができました。予選で、苦しかったのですがヤンが5番手グリッドをプレゼントしてくれたし、今日のレースでもチームが素晴らしい仕事をしてくれました。本当にチーム全員で勝ち獲った優勝だと思っています。」

ヤン・マーデンボロー選手「今日の気分は最高です! 富士は(3月に公式)テストで走っているし、レースウィークでもプラクティス(土曜の公式練習)からじっくり走り込んで準備をしてきました。でもSUPER GTでは僕自身、まだこれが2レース目。そこで優勝できるなんて、本当に最高です。まだ走ったことはないけど楽しみにしていたオートポリスがキャンセルになったのは残念ですが、次回のスポーツランドSUGOも、これまで走ったことがないから、テストで走り込んで、きっちり準備して臨みたいと思います。」

GT300 決勝リザルト

(1)#3 B-MAX NDDP GT-R(星野 一樹/ヤン・マーデンボロー)

(2)#55 ARTA BMW M6 GT3(高木 真一/小林 崇志)

(3)#25 VivaC 86 MC(土屋 武士/松井 孝允)

(4)#18 UPGARAGE BANDOH 86(中山 友貴/山田 真之亮)

(5)#0 GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート/富田 竜一郎)

(6)#51 JMS LMcorsa 488 GT3(都筑 晶裕/新田 守男)

(7)#21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(リチャード・ライアン/藤井 誠暢)

(8)#87 triple a ランボルギーニ GT3(細川 慎弥/佐藤 公哉)

(9)#30 TOYOTA PRIUS apr GT(永井 宏明/佐々木 孝太)

(10)#48 DIJON Racing GT-R(高森 博士/田中 勝輝)

(11)#61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口 卓人/山内 英輝)

(12)#50 ODYSSEY SLS(安岡 秀徒/久保 凜太郎)

(13)#2 シンティアム・アップル・ロータス(高橋 一穂/加藤 寛規)

(14)#111 エヴァRT初号機 Rn-s AMG GT(植田 正幸/鶴田 和弥)

(15)#26 AUDI R8 LMS(密山 祥吾/元嶋 佑弥)

(16)#360 RUNUP Group&DOES GT-R(柴田 優作/田中 篤)

(17)#108 DIRECTION 108 HURACAN(峰尾 恭輔/ケイ・コッツォリーノ)

(18)#4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口 信輝/片岡 龍也 )

(19)#63 DIRECTION 108 HURACAN(エイドリアン・ザウグ/横溝 直輝)

(20)#31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨 宏紀/中山 雄一)

(21)#60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(飯田 章/吉本 大樹)

(22)#5 マッハ車検 MC86(玉中 哲二/山下 潤一郎/影山 正美)

(23)#33 Excellence Porsche(山野 直也/ヨルグ・ベルグマイスター)

(24)#7 Studie BMW M6(ヨルグ・ミューラー/荒 聖治)

(25)#88 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸 学/平峰 一貴)

(-)#11 GAINER TANAX AMG GT3(平中 克幸/ビヨン・ビルドハイム)

(-)#65 LEON CVSTOS AMG-GT(黒澤 治樹/蒲生 尚弥)

(-)#22 アールキューズ SLS AMG GT3(和田 久/城内 政樹)

(-)#9 GULF NAC PORSCHE 911(阪口 良平/吉田 広樹/ディラン・ダーダエル)

スーパーGT 第2戦 富士(2016)

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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