日産「GT-R」日本の誇り【ピックアップ!カーソムリエレポート】
【カーソムリエレポートって何?】
カーソムリエ検定に合格した『カーソムリエ』が、話題のクルマを実際に試乗して書いたレポート。それがカーソムリエレポートです。
本日は日産「GT-R」をピックアップしてお届けいたします!
▼日本の誇り(カーソムリエ ファ爺さん)
▼最高の性能を誰もが楽しめる(カーソムリエ kazuさん)
日産「GT-R」
1969年2月初代「GT-R」となる「スカイラインGT-R(PGC10型)」が発売となった。しかし、2007年に発売となった「R35型」から“スカイライン”の名が消え「GT-R」となり発売開始された。GT-Rは圧倒的なパフォーマンスを誇るスーパースポーツカーとして認知されているモデルである。
日本の誇り(カーソムリエ ファ爺さん)
総合評価:4.3/5.0
外観デザイン:5.0/5.0
インテリア:4.2/5.0
走りやすさ:4.0/5.0
-オススメポイント-
GT-Rは日産のフラッグシップスポーツカーで、スポーツカーどころかレーシングカーといったほうが適切なくらいのスパルタンな車である。
エクステリアは、エッジの効いたデザインでひと目でGT-Rとわかる。空気の層のさらにその下へもぐりこむようなデザインは、ダウンフォースも豊かで空力特性も高い。
インテリアもその気にさせる雰囲気。日産「フェアレディZ」も雰囲気は良いがZよりもごちゃこちゃしていないスッキリとしたインテリアとなっている。
走りは3800ccの4WDで強烈な加速を見せる。路面をしっかりグリップして走っていき、コーナーリングも安定感がある。ただ、公道での試乗なのでこんなものは実力の10%も発揮していないレビューである。サーキットでの使用が多い人もこのまま持ち込めるぐらいクオリティが高い走行性能を実現している。
-乗る前と乗った後、クルマのイメージは同じでしたか?-
同じ。
-不満点-
なし。
-運転後の感想について-
ロンドンに旅行にいった時に高級住宅街にGT-Rがとまっていた。アストンマーチンなどが止まる界隈でGT-Rを見たときに、これは日本の誇りだと感じた。
最高の性能を誰もが楽しめる(カーソムリエ kazuさん)
総合評価:3.7/5.0
外観デザイン:4.0/5.0
インテリア:3.5/5.0
走りやすさ:4.3/5.0
-オススメポイント-
GT-Rのスポーツカーとしての高性能は誰もが認めるところで、おそらく国産車ではナンバーワンだろうし、世界的に見ても相当なレベルにある。もちろん、直線だけで言えばGT-Rより速い車もあるだろうし、もっと走りのみに徹したストイックな車もある。
GT-Rの凄いところは、「適度な実用性を備えていること」、「その高性能を誰もが味わえること」、「性能に対して価格が激安なこと」だ。この3点を兼ね備えたスーパースポーツカーランキングなら、GT-Rは圧倒的に世界一だと思う。
GT-Rの性能の高さは、ニュルのタイムなどでも実証済みだが、その高性能っぷりを素人でも安全に、簡単に味わうことができる。恐ろしくトラクション性能が高いので、ホイールスピンしてまともに走れないなんてことはない。アクセルを全開にすると、「このまま離陸するんじゃないか??」と思うほどの強烈な加速で、キューンと音を立てて飛んでいく。その際の安定感も凄まじく、ただハンドルを握ってアクセル踏んでれば勝手にまっすぐ走ってくれる。高速での安定感もピカイチ。CD値0.27という空力ボディのおかげもあって、超絶的に安定している。その安定感が時速300kmになっても変わらないというんだから凄い!コーナリング性能も抜群で、普通車じゃ到底無理な速度で進入しても、アンダーもオーバーもなく、路面に吸い付いてるかのように駆け抜ける。
ブレーキ性能も普通乗用車では考えられないくらい強力。しかもその際の安定感が驚異的。まったくバランス崩したりせずにあっという間に速度が落ちる。こういった走る、止まる、曲がるの走りの基本性能が、GT-Rはとんでもなくレベルが高い。自分なんかじゃ、GT-Rの持っている高性能の10分の1も知り得てないのだろうが、それでも他の車とは住んでる世界が全然違うことくらいはわかる。
こういった高性能を、素人が安全に味わえる車はまずないだろう。どんな場面でも破綻をきたす素振りさえ見せないし、雨など路面コンディションが悪かろうがまったく問題ない。高性能マシンだけど、危なっかしくて素人には扱いきれない車はたくさんあるけれど、こんなに素人に優しいスーパースポーツは、GT-R以外ないと思う。
GT-Rは、生粋のスーパースポーツというのとは出自がちょっと違う。元々はスカイラインの高性能バージョンだったわけで、そのDNAは今も受け継いでいる。スポーツカーには不要と思われるくらいトランクスペースは大きいし、2+2とはいえ後席もちゃんと用意されている。
重量だって徹底的にライトウエイトにしているわけではない。乗用車派生のスポーツカーということで、例えばフェラーリだとかランボルギーニ、マクラーレンなどとは違って、ちゃんと一定レベルの実用性も兼ね備えている。
走りにおいても、街中レベルでも走りやすくなっており、低速走行の際には、シフトショックはあるものの、サクサクシフトアップしていって、普通車のように走ってくれる。スポーツカーのエンジンだけど、下手に高回転を維持するなどと扱いづらいところがない。
そして、この高性能が激安価格で手に入ることだ。1000万を切る価格は、同レベルの性能を持つ世界のスポーツカーたちと比べたら半額だ。まあ、1000万という価格自体が相当高価ではあるけれど、費用対高価の点で言えば、こんなに買い得感の高いスポーツカーはない。
-乗る前と乗った後、クルマのイメージは同じでしたか?-
同じ。
-不満点-
GT-Rが凄い車になりすぎて、庶民の手の届かないところにいってしまったこと。「R32 (スカイライン)GT-R」などは、価格的にも性能的にも庶民の手が届くレベルで最高性能を持ったスポーツカーだった。価格も450万くらいからだったと記憶している。そういう絶妙なポジションにいたからこそ、GT-Rは我々にとって「いつかは手にしたい!」と思える車だったのだ。今のGT-Rは、一部の裕福な人しか乗ることができない高嶺の花になってしまった。
-運転後の感想について-
GT-Rというクルマの潜在能力は、私ごときでは計り知れない。素人レベルでは味わえない高いレベルまでずっと高性能なのだろう。でも、その高性能の片鱗を、素人でも安全に、気軽に味わわせてくれるのはありがたい。そういった意味で、GT-Rは一般人に最も優しいスーパースポーツカーと言える。
ただ、残念なのは、多くの人はこんなにも遠い世界の高性能をGT-Rに求めていたわけじゃないということ。そりゃあ、世界の名だたるスポーツカーにも負けないだけの高性能マシンであってほしいとは思うけど、自分達の手が届かない世界に行って、ユーザーたちを置いてけぼりにしてそれを目指されてもなあ・・というのが正直な気持ちだ。
R32の頃は、庶民でも頑張れば手が届いた。市販されているスポーツカーの中で最高性能を誇る憧れの車として、価格的にも性能的にも絶妙なポジションにいたわけだ。あの感じがGT-Rの良さだった。
それが、今はあの頃の倍の値段で、倍に近いパワーを発揮する超高性能スーパースポーツになった。価格も性能も上を見たらキリがなく、どこまでも上げていくことは可能だけれども、我々がGT-Rに求めているのはおそらくそういうことじゃない。
私の感覚としては、GT-Rは1人でどっか遠いところへ行ってしまったスーパースポーツカーだ。R32は憧れることが出来て、当時はプラモデルまで買ったけれど、現行GT-Rのプラモデルは買おうとは思わない。
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