メルセデス・ベンツの新ブランド“メルセデス・マイバッハ ”を発表
メルセデス・ベンツ日本は、同社の新ブランド「メルセデス・マイバッハ」を導入し、その第一弾として「メルセデス・マイバッハ Sクラス」を発表。2月25日より注文受付を開始した。
価格は、「メルセデス・マイバッハ S550」が2200万円(消費税込)、「メルセデス・マイバッハ S600」が2600万円(消費税込)。
1920年代から美しいスタイルと贅を尽くした高級感で人々を魅了した伝説の名車「マイバッハ」。それが、メルセデス・ベンツブランドの傘下で、「究極のエクスクルーシブ性」を追求する威厳と風格を備えたブランドとしてまったく新しく生まれ変わったのが、「メルセデス・マイバッハ」である。メルセデス・ベンツによる最新鋭のテクノロジーを備え、きわめてゆったりとした室内空間にプレステージ感あふれるデザインとクラフトマンシップにより仕上げられた高級素材を随所に採用した、新しい高級車の形となっている。
メルセデス・ベンツ「Sクラス」のフロントマスクはそのままに、ホイールベースは20cm長く
「メルセデス・マイバッハ Sクラス」のエクステリアは、メルセデス・ベンツのフラッグシップ「Sクラス」の威厳あるフロントマスクやクーペを思わせる流麗なフォルムはそのままに、「Sクラス」のロングモデルよりさらに20cm長いホイールベースとサイドのラインがパワーとダイナミズムを強調している。
リアのドア幅が66mm狭められ、Cピラーに三角窓が移設された結果、ドア開口部より後方にリアシートが位置して、外からの視線を遮りながら心地よい居住性を確保した。Cピラーには、丸みのある三角形の中に2つのMをあしらった”Maybach Manufaktur”(マイバッハ・マヌファクトゥーア)のエンブレムが装着されている。また、足元には専用の20インチ鍛造アルミホイールが重厚感のある輝きを放っている。
“五感で感じる極上の快適性”を実現したインテリア
インテリアは、最高の素材を最上のクラフトマンシップで仕上げたウッドトリムが、美しいカーブを描きながらリアシートを取り囲んでいる。センターコンソールのウッドトリムには“MAYBACH”のレタリングを、フロントセンターアームレストとリアアームレストには”Maybach Manufaktur”(マイバッハ・マヌファクトゥーア)のエンブレムが飾られている。
「メルセデス・ベンツSクラス」のロングモデルよりさらに20cm延長されたホイールベースは、すべて後席乗員の快適性向上のために充当することで、ゆったりと余裕ある後席の空間を実現。
リアシートは左右ともに、座面の下からせり上がるレッグレストを備え、スイッチ操作でバックレストが43.5度までリクライニングが可能な「エグゼクティブシート」を採用した。ルーフラインの形状変更によって、ヘッドクリアランスもSクラスよりいっそう拡大されている。なお、後席からも助手席を自動で前方にスライドしながら倒せ、ヘッドレストの折り畳みも可能なショーファーポジション機能も備え、十分な空間を確保している。また、左右リアシート用の格納式テーブルは、片手で簡単に出し入れが可能で、筆記作業がしやすいよう表面にはレザーが張られている。
リアシートのフルリクライニングポジションで寛ぐ場合、着席位置がサイドウインドウから遠ざかり、リアウインドウやCピラーの三角窓に近づくと音響特性が変化することを踏まえ、数多くの試験が行われた。その結果が、エアロダイナミクスの向上による風切り音の低減、遮音材、特殊なシーリング技術などに反映されている。これにより、「メルセデス・マイバッハ Sクラス」の後席は、量産車として世界最高の静粛性を実現した。
ブルメスター社と共同開発した最上級のオーディオシステム
その静かな室内空間に、ドイツのハイエンドオーディオ専門メーカー、ブルメスター社と共同開発したサウンドシステムが、自然で表情豊かな究極の音響空間を実現し、聴覚を満たす。13個のハイパフォーマンススピーカーと9チャンネルのアンプによる合計590Wの大出力を誇るオーディオシステム。また、サラウンドモードや各シートポジションへの最適化機能により最上の音場によるこの上ないサウンド体験を実現する。
さらに自然で臨場感溢れる音質を求めるユーザー向けに、24個のハイパフォーマンススピーカーとそれぞれを駆動する24チャンネルアンプによる合計1,540Wの圧倒的な出力を誇る5.1チャンネルサラウンドシステムの「Burmester ハイエンド3Dサラウンドサウンドシステム」を設定した。「ピュア」「イージーリスニング」「ライブ」「サラウンド」「3Dサラウンド」の5つのモードから選択が可能。
リアエンターテインメントシステム
左右のフロントシート背面の10インチ大画面モニターとワイヤレスヘッドホンによる「リアエンターテインメントシステム」が視覚を満たす。運転席用にはCOMANDディスプレイにナビ画面を表示しながら、リアシート片側でTV、もう片側でDVDビデオなど別々のソースによる映像が楽しめる。センターコンソール後端のDVDプレーヤーのほか、リアのセンターコンソール内のUSBポート/AUX端子で外部接続が可能で、映画などのDVD映像を楽しんだり、TVを視聴したりと、様々なエンターテインメントコンテンツを楽しむことができる。さらに、リアエンターテインメントシステムで再生しているコンテンツの音声をスピーカーから出力して室内全体で楽しむことも可能。
マッサージ機能やヒーター機能が快適性とリラクゼーション効果を高める
世界で初めてメルセデス・ベンツ Sクラスに採用されたホットストーン式マッサージ機能を含む6種類のマッサージプログラム、ドアやセンターコンソールのアームレストなど手に触れる部分を快適な温度に温める各種ヒーター類、高級素材をクラフトマンシップで丹念に仕上げたインテリアが、触覚を満たすとともに、快適性とリラクゼーション効果を高めて長距離ドライブの安全にも貢献する。
エアコンディショナーに、くつろぎをもたらす香りをエアアウトレットから室内いっぱいに放つパフュームアトマイザー機能と、イオン放出による空気清浄機能などを追加した「エアバランスパッケージ」には、マイバッハ専用の芳醇な香り「AGARWOOD(アガーウッド)」が採用された。
そして、味覚を満たすのはよく冷えたシャンパン。リアシートのアームレスト後端に備えられたサーモスタット制御のクーリングボックスで冷やした飲み物を、ドイツの歴史ある高級銀食器メーカー“ROBBE & BERKING”社がマイバッハ専用に製作したシャンパングラスで楽しむことができる。このグラスは、専用の収納スペースを備え、使用時には専用の台座に固定可能。
このように、メルセデス・マイバッハ Sクラスは、現在メルセデスが考えうる“五感で感じる極上の快適性”を後席に与えたショーファーカーである。
安全装備も充実
メルセデス・マイバッハ Sクラスは、ステレオマルチパーパスカメラとミリ波レーダーセンサーなどから構成される車両の、周囲360度をカバーする複合的なセンサーシステムからの情報を統合し、即座に最適な判断を下すことが可能。フロントウインドウ内側のステレオマルチパーパスカメラは、車両前方最大500mの範囲の大まかな様子をモニターするほか、約50mの範囲を立体的に捉える。また、フロントおよびリアバンパー左右側面の25GHzの短距離レーダー、ラジエーターグリル奥の77GHzの中・長距離レーダー、リアバンパー中央の25GHzマルチモードレーダーの合計6個のミリ波レーダーが悪天候や夜間の視界の悪い状況でも車両周囲を常にモニターしている。
これらのセンサー類から得られたデータをコントロールユニットで融合させ作成したデータを高度なアルゴリズムで解析することにより、先行車両、横切る車両、後方車両、対向車、歩行者などを検出し、その位置を特定。これにより、状況を判断して、アクセル、ブレーキ、ステアリングを自動でアシストする「部分自動運転」を実現した。メルセデス・ベンツの乗員のみならず、他の道路利用者をも含む包括的な保護を実現することが、その目標である。
世界で初めて、ピュアショーファーカーの世界に、この部分自動運転を実現する「レーダーセーフティパッケージ」を導入する。「レーダーセーフティパッケージ」は、前方車両との車間距離を維持しながら追従しつつ車線のカーブにあわせてステアリング操作のアシストを行う「ディストロニック・プラス」、前方を横切るクルマや歩行者の飛び出しをディスプレイと音で警告し、ドライバーがブレーキを踏むと衝突を回避するための強力な制動力を発揮する「BAS(ブレーキアシスト)プラス」、ドライバーが警告に反応しない場合に自動緊急ブレーキを段階的に作動させる「PRE-SAFEブレーキ」、後方からの衝突の危険を検知すると後続車に警告するとともにブレーキ圧を高めて自車をロックし二次被害を軽減する「リアCPA(被害軽減ブレーキ付後方衝突警告システム)」をはじめとする、数多くの最新の安全運転支援システムから構成されている。
世界初のサスペンションシステム「マジックボディコントロール」
さらに、「快適な乗り心地」の概念を根本から変える世界初のサスペンションシステム「マジックボディコントロール」は、最大15m前方の路面の凹凸をステレオマルチパーパスカメラで捉え、その路面状況に応じて瞬時にサスペンションのスプリングストラットおよびダンパーのオイル流量を制御することでボディに伝わる衝撃を最小限にしてフラットで極上の乗り心地を実現する。また、発進・加速・減速・コーナリング時にボディのロールやピッチングを抑えることで、常にフラットな姿勢を維持し、快適な乗り心地を提供。オフィスや書斎にいる時と同様に車内で文字を書くことができるほどの、異次元とも呼べる革新的な快適性を実現した。
そして後席の安全性においは、万一の前面衝突の際には座面に内蔵された「クッションエアバッグ」が展開することで、リクライニング状態でシートベルトの下から身体が滑り出すサブマリン現象を防止。また、シートベルト幅を約3倍程度膨張させることで、後席乗員の肩部や胸郭にかかる衝撃を軽減し、負傷のリスクを低減する「SRSベルトバッグ」も装備している。リアドアを開けると後席左右のシートベルトバックルの受け側を約5cmリフトアップし、先端部を光らせて着用しやすくする「アクティブベルトバックル」も装備しており、シートベルトバックルを挿入すると自動で引き込むことで腰部や胸部のベルトの弛みを少なくして正しい装着位置に調整し、乗員の拘束性能を高める。
ラインナップ
メルセデス・マイバッハ Sクラスのラインナップは、最大出力530PS(390kW)、最大トルク830Nm(84.6kg・m)を発生する6リッターV型12気筒ツインターボエンジンに7速オートマチックトランスミッション「7G-TRONIC」を組み合わせた「メルセデス・マイバッハ S600」と、最大出力455PS(335kW)、最大トルク700Nm(71.3kg・m)を発生する4.7リッターV型8気筒ツインターボBlueDIRECTエンジンに、乗員にはほとんど感じられないほどスムーズなギアシフトと優れたエネルギー効率と快適な走りを実現した9速オートマチックトランスミッション「9G-TRONIC」を組み合わせた「メルセデス・マイバッハ S550」を設定した。
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