トヨタ、フランスで超小型EVを用いた新しいモビリティ・プロジェクトを始動
グルノーブル市、グルノーブル都市圏共同体(以下、メトロ)、シテ・リブ社、フランス電力公社(以下、EDF)、ソデトレル社(EDFの完全子会社)、トヨタ自動車は、10月1日より、公共交通機関と連携した新しいカーシェアリングサービス“Cité lib by Ha:mo(シテリブ・バイ・ハーモ)”を開始すると発表した。
このプロジェクトは、渋滞や大気汚染などの都市交通における課題に対応するために、公共交通機関を補完する近距離移動を超小型電気自動車(EV)が担う。各パートナーが専門技術、電力インフラ、ITインフラを持ち寄り、3年間の実証実験として行われ、トヨタは、運用に必要なシェアリングシステムと、超小型EVであるTOYOTA i-ROAD(アイロード)とトヨタ車体(株)製のCOMS(コムス)をそれぞれ35台提供する。
本サービスでは、近距離でのワンウェイ利用(乗り捨て)が可能。利用者はあるステーションで車両を借り、別のステーションに返却して、使用時間分の料金を支払うこととなる。
料金は初乗り15分まで3ユーロ、次の15分は更に2ユーロ課金、それ以降は15分毎に1ユーロずつ課金されていく。なお、同地域における公共交通機関の定期券所有者には割引が適用される(初乗り15分が2ユーロ、それ以降15分毎に1ユーロずつ課金)。また、メトロの経路検索システム(Station Mobile)とも連携することで、本サービスを含む、様々な移動手段を組み合わせた最適な経路が探索できるようになる。
グルノーブル市のジャック・ウィアール副市長は「グルノーブル市には、イノベーションに積極的に取り組んでいくことで、市民の生活をさらに良くしていくという伝統がある。本プロジェクトはまさにこの伝統に沿った取り組みである」と述べた。また(同都市圏内の)在住者の一部が自家用車の利用からカーシェアリングに移行した場合、CO2排出量の削減につながり得る。メトロのクリストフ・フェラーリ理事長は「本サービスは始まりに過ぎず、持続可能なモビリティに全方位で取り組んでいく」と述べた。
今回の参画にあたり、トヨタの内山田竹志会長は「本プロジェクトは、パートナーの皆様と『明日の都市交通を築きたい』という想いを共有したからこそ、実現した。こうした都市交通の分野は、次世代のトヨタにとって『新たな成長領域』となるものと考えている」と述べた。
トヨタは、EVは都市内の近距離移動に適していると考え、2012年10月より、愛知県豊田市において、本コンセプト(Ha:mo)に関する実証実験を開始しており、本グルノーブル市でのプロジェクトは、初の海外展開となる。
EDFはソデトレル社を通じて、27ヶ所の充電ステーションに、計120基の充電器を設置する。また、いくつかのステーションには、一般のEVやプラグイン・ハイブリッド車用の充電器も併設される。シテ・リブ社はグルノーブル市において、10年以上に渡りカーシェアリング事業を展開してきたノウハウを活かし、本サービスの運営を行う。
プロジェクト概要
開始時期 : 2014年10月1日
実施期間 : 1年間
パートナーの役割:
グルノーブル市 → カーシェアリング用の駐車スペースの提供
メトロ → 既存の経路検索システム(Station Mobile)との連携
EDF → 充電ステーション(27ヶ所/120基)の設置、その管理システムの開発・運営
シテ・リブ社 → カーシェアリングサービスの運営、カスタマーサービス、車両やステーションの日常管理
トヨタ → 超小型EV(70台)の供給。ユーザー・車・充電ステーション・経路検索システムを連携させる情報管理システムの開発・提供
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