車中泊をしてみたいなら、初めの一歩は軽自動車から始めてみよう! 空間を有効活用するアイデア2例
- 筆者: 遠藤 イヅル
- カメラマン:島村 栄二・佐藤 正巳・茂呂 幸正・ホンダ・ホンダアクセス]
車中泊をしてみたい! そう考える人が年々増えている。しかし何からスタートすればよいのだろう…そんな人は、まずは手軽な軽自動車から始めてみるのはどうだろう。2021年11月4日に行われた「Honda純正アクセサリー アウトドア メディア取材会」[会場:成田ゆめ牧場(千葉県成田市)]で紹介された軽自動車をベースとした車中泊仕様車には、これから車中泊を始める人にもヒントとなるアイデアが詰まっていた。古今東西のクルマのみならず、BBQやキャンプギアにも精通する自動車ライターの遠藤 イヅル氏がレポートする!
車中泊にはみんな興味津々! 経験者も増加傾向にある
突然だが、車中泊をしたことはあるだろうか。
昨今のSUVブームも追い風になって、クルマを使ってアウトドアやキャンプを楽しむだけでなく、車中泊を楽しむ人も増えているという。それを数値で示してくれたのが、ホンダの純正アクセサリーを扱う「ホンダアクセス」が行った「車中泊に関する調査2021」(調査日:2021年9月28日〜29日)だ。対象は、自家用車を持つ20〜69歳のドライバー1000人である。
その結果「車中泊経験の有無」では約35%が経験ありで、年代別で見ると20代は男性47%・女性37%が車中泊をしたことがあると回答した。これは、以前の調査よりもそれぞれ8%・15%という大きな伸びを示している。また、車中泊を今後もしたいと思うか聞いたところ、「したい」という意見は約38%に達したほか、車中泊の平均回数を計算したところ6.9回もあり、車中泊を活用しているユーザーが多いことがわかった。
案外ハードルが高い!? 車中泊を手軽に楽しむにはどうしたら良いのか
車中泊が人気を集める理由は、「宿に泊まらないので安く済む」「時間に縛られない」「急な予定変更に対応できる」「コロナ禍でパーソナルな旅ができる」などのメリットによる。でもシートを倒しただけで朝まで眠るのはラクではないし、車内がフラットになるクルマでも、シート形状の凸凹は残るため、眠りが浅くなって案外疲れるという経験をしたことがある人もいるだろう。
そう、車中泊はしてみたいけれど、実際にはクルマ側の問題や、「明るすぎる」「虫が入ってくる」といった駐車した場所の外部要因も、車中泊のハードルを高くする。
なお、筆者の車中泊経験は2〜3回ほどしかなく、一度目はステーションワゴン(マツダ カペラカーゴ)の荷台で快眠したものの、その後にした車中泊は普通のハッチバック車で、シートを倒して寝ただけということもあり、起きたら疲れていた……という記憶だけが残っている。
だからと言って、年数回の車中泊用にミニバンや1BOXカーを改造した「本格的なキャンピングカー」を用意するのは、さすがにオーバーという気もするし、牽引式のキャンピングカーだと、運転・保管・駐車場所の確保が大変になる。そのため、日常で使うクルマをカンタンに車中泊仕様へと変身させる製品が、アフターマーケットでたくさん販売されているのはご存知の通りである。
そこで、その需要を受けたホンダアクセスでは、ホンダの大ヒット軽自動車「Nシリーズ」の「N BOX」と「N VAN」を手軽な車中泊仕様に仕上げられる純正アクセサリーを多数発売しており、大きな人気を集めているのだ。
シートを倒して快適な睡眠を!「N-BOXカスタム 車中泊仕様」
車中泊で大事なのは、いかに快適に横になって眠れるか、である。その目的をしっかり果たすなら、車中泊に関する機能はさほど望まない、というユーザーも多いことだろう。
また「いつも乗っているクルマで車中泊ができる」ことが大切なので、快適で装備が多いクルマを車中泊仕様にできたら嬉しい。そんな車中泊初心者向けの一台が、こちらの「N-BOXカスタム 車中泊仕様」だ。
取材車は、精悍な外観を生む「ブラッククロームパッケージ」や、ハンズフリースライドのリアドアを備える「らくドアパッケージ」などのオプションを盛り込んだ「N BOXカスタム LターボコーディネートスタイルHONDA SENSING」がベース。
これに市販品のウインドウシェードとベッドマットを装備する。アウトドアや車中泊では、室内に小物が増えたり、汚れた荷物を積む機会も増えるが、ホンダアクセスではサンバイザー部に設置する「大型ルーフコンソール」や、濡れた荷物も気にせず積める防水性マット「ラゲッジトレイ」、雨や雪の時でも汚れからフロアを守る「オールシーズンマット」など、用途に適したアイテムを多数用意している。
N-BOXのリアシートは、ヘッドレストをつけたまま背もたれを前に倒すワンアクションでシートが足元に収納(ダイブダウン)でき、フラットな床面が生まれるが、人が足を伸ばして眠ることが出来る奥行きは作れない。
そこでフロントシートを後方に倒すことでフラットな空間を出現させるのだが、この場合でも、リアシートの背もたれを完全にフラットにはできず、体格によっては足を少し曲げるか、斜めになって横になる必要が生じる。
とはいえ、その上にキャンプ用や車中泊用のベッドマットを敷けば、眠るには十分な空間ができあがることに間違いはない。同行した身長180cmのMOTA編集部 T氏(何故かモデルに)も「これなら眠れる!」と太鼓判を押していた。
これも、軽自動車ながらも224cmという室内長を誇るN BOXがなせる技である。
考え抜かれた専用開発アクセサリーを装備する「N-VAN 車中泊仕様」
そして「もっと車中泊をアクティブに楽しみたいな」「キャンプ場でテントの代わりに使いたいな」という「車中泊中級者」には、「N-VAN 車中泊仕様」がオススメ。
N-VANといえば助手席とリアシートを前方に倒すことで展開される、大型バイクが積めるほど広大な荷室が特長だが、こちらも荷室側は床面が低く、そのままでは車内で足を伸ばして眠れない。
そこでホンダアクセスでは、N-VANを快適な車中泊仕様にする純正アイテムを、たくさん開発しているのだ。
取材したN VAN車中泊仕様のベースは、道具としての機能そのままに、乗用車として、またアウトドアなどのホビーでも活躍できる装備と雰囲気を持つ「+STYLE FUN HONDA SENSING」だ。そしてホンダアクセスによる純正アクセサリーホワイトに塗られたフロントグリルやドアミラーカバー、クロームメッキのフードエンブレム、メタルチェック模様で機能的なイメージを醸し出すデカールなどが、N VANをよりスタイリッシュに装おっている。
車中泊用装備では、まず「プライバシーシェード」から見ていこう。車中泊の悩みでも浮上する ”夜でも案外明るい外光” を遮り、車内での着替えなども可能とするアイテムだ。フロントウインドウから左右フロントドアウインドウまで一体成形になったフロント用と、個々に用意されるリアのスライドドア・クオーターウインドウ・テールゲートウインドウ用シェードがセットになっている。夏場の暑い時は、フロントウインドウとテールゲートにメッシュを備えることで、プライバシーを保ったまま快適に過ごすことができる。
運転席シートを後方に、助手席シートを前方に倒して生まれる面と、荷室のギャップを埋める「マルチボード(ラゲッジ用・助手席側リア用)」にも注目したい。
これを荷室に置けば、ベッドを敷くためのフラットな床ができあがるのだ。ベッドはお好みの製品をどうぞ。
そしてこのマルチボードでスゴいのが、ボード下部に小物などを収納する便利なスペースを作れること。またラゲッジ用マルチボードには、N-VAN専用設計の「スライド式収納BOX&アウトドアテーブルセット」がアフターマーケットから発売されているので、かさばるテーブルの収納問題も解決する。
さらに、最近のオートキャンプ場では常識となった、外部電源つきサイトに対応できる「外部電源入力キット」も、車中泊にはとてもありがたい装備。これがあれば、エンジンを切った状態でもAC100Vの家電を車内で使うことが可能だ。
「N-VAN 車中泊仕様」ではプロユース向けオプションも活用!
そのほかN-VAN車中泊仕様には、ティッシュボックスまで収まる「ルーフコンソール」や、タオルなど軽めの小物をルーフ部に置くことができる「ルーフインナーラック」(落下防止用ネット付き)、よく使う工具や備品を掛けたり、マグネットでメモを貼ることが可能な「有孔ボード」、ダッシュボードの助手席側に取り付ける「簡易テーブル」、テールゲートを開けた時、服やタオルを掛けることができる「テールゲートバー」、開いたテールゲートから下をすっぽり覆い、「もうひとつの部屋」を作り出せる「テールゲートカーテン」なども、車中泊での利便性・快適性をアップさせる。
実はこれらは、車中泊仕様専用アイテムではなく、そもそもN VAN用オプションで開発されていた珠玉アイテム。元来N VANは積載性や実用性を追求した商用車なので、ホンダアクセスでは運輸・宅配、建築・設備、修理・サービス、水産・農業、クリーニングなど各業種に向けたプロ向けの純正アクセサリーも数多く用意している。それらを上手く組み合わせ、車中泊仕様を作り上げている。
プロ用なので実用性はお墨付きで、また純正オプションパーツのためフィッティングも完璧だ。脱着もベルクロやボタン、吸盤などイージーにできるよう考慮されているのは言うまでもない。
イージーだけど、でも超本格派!なN-VAN車中泊仕様。いくつかの車中泊に関する悩みも解決するこのクルマなら、車中泊を手軽に、でもディープに楽しめること間違いないだろう。
参考までに取材車の購入価格は、車両本体+アクセサリーの総額で約275万円である。クルマ&装備の内容と、昨今の新車価格を考えたら、とてもリースナブルに思う。この額なら、新たに車中泊をしたい人や、コロナ禍で増えた「クルマが欲しい人」にも、十分手が届くだろう。
[筆者:遠藤 イヅル/撮影:島村 栄二・佐藤 正巳・茂呂 幸正・ホンダ・ホンダアクセス]
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