マツダよ今こそRX-7やデミオで成功した過去の復活劇を生かす時だ! さらなる躍進には新型CX-5の仕上がりに期待
- 筆者: 永田 恵一
- カメラマン:MOTA編集部
このところマツダの状況が芳しくない。販売台数や利益率の低下、さらには頼みの綱であったコンパクトカーの売り上げが成功とはいえない状況なのだ。だがマツダの歴史を振り返ってみると、過去に倒産の危機を何度も乗り越えた経緯がある。そこで今回はマツダが3度の復活を遂げるきっかけとなったクルマを振り返るとともに、今後の行く末を予想してみた。結論から言えば、今後のマツダは2022年度に投入される新型CX-5が大きな鍵を握るのだった。
復活のキーマンであったマツダ3やMX-30は厳しい状況! 今後のマツダはどうなる!?
マツダはスカイアクティブ戦略により、2010年代後半まで好調をキープしていた。ところが、ここ2年ほどは販売&生産台数、利益関係の低下により、経営状態は芳しくない状況にある。
さらに現行車は登場から時間の経ったモデルが少なくないのに加え、頼りの新型車だったマツダ3、CX-30、MX-30も伸び悩んでおり、現在明るい材料が少ないというのが率直なところだ。
しかし、マツダは過去にも何度かピンチからの復活を遂げており、ここではマツダのピンチを救ったモデルを紹介し、マツダの今後を展望してみた。
オイルショックで販売激減! 第一次復活気はサバンナRX-7の功績がデカい
1967年登場のコスモスポーツに搭載した世界初の量産ロータリーエンジン(というより、ロータリーエンジンを量産したのは未だマツダだけである)で発展したマツダであった。
だが、1970年代中盤になるとオイルショックによるガソリン価格高騰で、ロータリーエンジンの燃費の悪さは致命的なものとなった。さらに悪いことは重なり、当時のマツダはロータリーエンジン車の比率が高かったこともあり販売は激減、窮地に追い込まれた。
燃費の悪いロータリーエンジンを刷新! ファミリアなど他のモデルも大健闘
その打開策として展開されたのが「ロータリーの汚名はロータリーで返上する」という、ロータリーフェニックス計画で、その集大成となったのが1978年登場の初代サバンナRX-7であった。
初代サバンナRX-7は「コンパクトで、当時のレシプロエンジンに比べれば得られるパワーの割に軽い。ロータリーエンジンのメリットを最大に生かせるジャンルは何か」という観点から、ピュアなスポーツカーとして生まれた。
ロータリーエンジンも燃費を50%改善しながらパワーアップされ、3代目まで続いた歴代RX-7同様ピュアなスポーツカーとなった初代サバンナRX-7は世界的にヒットし、マツダ復活に大きく貢献した。
>>コスモスポーツやファミリアプレスト、サバンナRX-7など、あの頃憧れた「ロータリー」3選
また、1980年登場でFF化された5代目ファミリアも、日本では新鮮なコンセプトにより月間販売台数1位を数回獲得するなど、マツダ復活を後押しした。
倒産の危機を救ったのは初代デミオ! 第二次復活は“ありそうでなかった”クルマで復活
マツダはバブル期に5チャネル化を筆頭に、3ローターのユーノスコスモや幻となったV12エンジンの開発など、華はあったものの、悪く言えば浮かれた状態であった。
そのためバブル期から5チャネル制を維持する負担や、5チャネル制維持のため兄弟車は出るものの、出すので精一杯だったため魅力あるクルマは少なかった。とくにバブルが崩壊すると販売台数は減少。ピンチに追い込まれ、1996年には資本提携のあったフォード傘下となるほどだった。
今のコンパクトカーの基本、安くて広かった初代デミオ
そんな1996年に登場したのが初代デミオである。初代デミオは現行のクルマで例えると、ホンダ フィットに近い広いコンパクトカーで、1550mmという立体駐車場にも入る全高ながらキャビン、ラゲッジスペースともに広く、シートをフルフラットにすれば車中泊も可能という魅力満点のモデルであったのだ。
クルマ自体は安っぽいところも少なくなかったのは事実ながら、その代わり価格が安かったこともあり、初代デミオは大ヒットし、苦しかった当時のマツダの経営を支えた。
その後マツダは2002年に初代アテンザ、2003年にも初代アクセラ、RX-8と魅力的な新型車を立て続けにリリースし、復活の狼煙を上げた。
ディーゼルエンジンで見事復活! 第三次復活はCX-5などスカイアクティブ技術で大注目
マツダはリーマンショック後、フォードの経営悪化によりフォードの出資率が少なくなったこと。そしてリーマンショックそのものに加え、2011年の東日本大震災やタイ国の水害による被害などにより、リーマンショック後は何年か赤字が続いていた。
しかし、マツダはこの頃「新しいディーゼルエンジンなど、クルマ全体で燃費を改善し、運転する楽しさも維持する」というスカイアクティブコンセプトを温めており、2011年に3代目デミオと2代目アクセラのビッグマイナーチェンジで段階的に投入していた。
SUVブームも追い風に! CX-5をはじめとするディーゼル攻勢が大成功
そのスカイアクティブコンセプトを、ボディなどクルマ全体に盛り込んだ初のモデルが2012年登場の初代CX-5である。
現行モデル同様のオーソドックスなミドルSUVとなる初代CX-5は全体的に堅実的にまとまったモデルであった。
さらにディーゼルエンジン搭載車はパワフル。そして日本では軽油の安さによる燃料コストの安さに加え、それまでディーゼルエンジンの排ガスのクリーン化に必要だったコストの掛かるNOx触媒を使わずに排ガス規制をクリア。さらに車両価格を抑えたこともあり、現在も続くSUVブームも追い風に世界的な人気車となった。
初代CX-5のあと、マツダはスカイアクティブコンセプトをフルに盛り込んだ3代目アテンザ、3代目アクセラ、4代目デミオと力作が続き、ブランドイメージを高めた。
新型CX-5やMAZDA6でさらなる復活を! ロータリーEVもデビュー目前
マツダは2022年度以降に新型車を続々と投入する予定である。まずはラージ商品群と言われる新型CX-5とマツダ6にはFRの6気筒エンジン搭載。さらにはロータリーエンジンを発電機に使ったMX-30のレンジエクステンダー、そして新型マツダ2が控えているようだ。
特にラージ商品群やMX-30のレンジエクステンダーに対しては賛否両論あるが、クルマは過去のマツダを見ると分かるようにハイリスクハイターンな商品のため、何台かヒット車が出れば大逆転できる業界でもある。
それだけに新型車の登場までは既存車の改良やリーズナブルな特別仕様の設定などで何とか販売台数を維持して欲しい。過去にマツダ車を3台乗り継いだ筆者からすると、2022年度以降の新型モデルに大いに期待したい。
【筆者:永田 恵一】
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