トヨタ 新型ハイラックス燃費レポート|ミニバン並みの燃料代!?実燃費は見た目以上に好成績!(2/2)

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トヨタ ハイラックス実燃費レポート|総合評価

ハイラックスの平均実燃費:12.7km/L

ハイラックスは期待値によって評価が大きく変わってくるのは事実だが、申し分のない燃費を含め試乗した後の評価は“普通”である。しかし、これこそがタイなどの新興国で日本車に乗った時に「日本車ってよく出来ていて素晴らしい!」といつも感じるのに通じることなのだと思う。

かつての“ハイラックスサーフ”を経験した人であれば、大きさや目立ち度も含めた男らしいさや、買ったらバイクを運ぶ、濡れ物が多いマリンスポーツの足に使うなど、オーナーのアイデア次第で生活に新しい潤いが生まれる、素晴らしい可能性について共感できる部分は多いだろう。
※仕事以外あまり外に出ない筆者には残念ながらあまりアイデアが浮かばないのが悲しいところだ。。。

また、小山のように大きな車を扱うことだけでなく、乗り心地の改善のためのサスペンション交換をはじめ、荷台のトノカバーやキャノピーを付けるなど、使い方に応じた自分だけのカスタマイズを考えたり、施工ったりする楽しさもハイラックスならではの魅力だろう。

今回のハイラックスの導入は変わりつつあるトヨタの象徴の1つといえるのではないだろうか。

トヨタ ハイラックスとは

トヨタという自動車メーカーは世間一般では良くも悪くも非常に真面目でお堅い企業というイメージが強いだろう。

それも事実であるが、その一方で2009年に豊田章男氏が社長に就任して以来小型FRスポーツカーの86の登場、2017年9月に発表されたスポーツモデルのGRブランドの展開、そして2017年から復帰したWRC(世界ラリー選手権)など、乗って楽しい車やモータースポーツ参戦という意味での自動車メーカーらしい楽しいことも随所で行っている。

トヨタで楽しい車といえば意外かもしれないが、ランドクルーザー、FJクルーザーといったクロカン系の新たなラインナップとして、ピックアップトラック(ボンネットが付くトラック)のハイラックスが追加された。

2004年以来、13年ぶりの復活となるハイラックス

1990年代までは日本でもピックアップトラックはそれなりに需要があり、ハイラックスを含め日産 ダットサントラック、マツダ プロシード、三菱 ストラーダと各社がラインナップしていたが、2000年代になると需要が激減。名前を挙げた車種は絶版となり、2000年代以降は三菱がストラーダの後継車となるトライトン、フォードがラージSUVのピックアップトラック版となるエクスプローラースポーツトラックを販売した程度であった。

だが、アメリカを含む北米やオセアニア、東南アジアといった国土が広くサイズの大きい車が求められる海外諸国では、ピックアップトラックは実用的に使われるだけでなく、商用車に分類されるため税金が安いという背景もあって乗用車代わりに使われており、日本の自動車メーカーにとっても重要な柱として各車ラインナップし続けている。

今回2004年に日本仕様が絶版になって以来13年振りに復活したハイラックスは、トヨタが東南アジアなどを生産拠点にラダーフレーム(梯子型フレーム)となる車の骨格からピックアップトラック、SUV、ミニバンを派生させるIMVと呼ばれる大プロジェクトのうちの1台。そういった事業もあり、日本で販売されるハイラックスはタイ製の輸入車となる。

そのため車の成り立ちはラダーフレームにトラックボディを加装したという比較的単純なもので、現行ハイラックスは2015年にかつて日本でも販売され人気となったハイラックスサーフのようなSUVのフォーチュナー、ミニバンのキジャン・イノーバ同様に海外で登場したモデルである。

ハイラックスのバリエーションは、海外では2人乗りのスタンダードキャブ、2ドア車のような小さなリアシートを持ち、ドアはマツダ RX-8のような観音開きとなるスマートキャブ、リアドアとリアシートを持つダブルキャブの3つが設定されるが、日本にはダブルキャブのみが導入される。

※3つのボディとも全長は約5.3mと変わらないため、荷台はキャビンが小さいほど長いものとなる。

乗用車とは異なる点がたくさんあるので扱いには気を付けたい

アドブルーの補充は1万3000kmごと

海外で販売されるハイラックスには2.7リッターガソリンエンジンも設定されるが、日本仕様のハイラックスのパワートレーンは6速ATと組み合わされる4気筒の2.4リッターディーゼルターボのみとなる。

ディーゼル車の排気ガスのクリーン化で難しいNOx(窒素酸化物)の処理はアドブルーと呼ばれる尿素水を使う尿素SCRシステムを使う。そのため取扱説明書には約1万3000kmに一度アドブルーの補充が必要と記載されている(1000kmにつき1リッターのアドブルーが消費される)。

カタログに載るJC08モード燃費は11.8km/Lで、エコカー減税では取得税、重量税の免税が適応となる。

好天のオンロードでH4を選ぶと故障の基になる

4WDシステムはシンプルというか古典的な、センターデフなどの前後の回転差を吸収する機構を持たないパートタイム4WDで、H2=二輪駆動モード、H4=四輪駆動の高速モード、L4=四輪駆動の低速モードの3つをダイヤルでドライバーが選ぶ必要がある。

なお乾燥路で四輪駆動モードを選ぶと前後の引きずり現象が起き、駆動系に大きな負荷を掛けトラブルにつながるので、普段はH2で走ることになる。

安全装備は必要最低限はついている

今では車を選ぶ際の重要なチェックポイントとなっている安全装備もハイラックスはピックアップトラックながら、ミリ波レーダーと単眼カメラからの情報を基盤に歩行者にも対応する自立自動ブレーキ「プリクラッシュセーフティシステム」、車線逸脱をドライバーに警報する「レーンデパーチャーアラート」が上級グレードのZに標準装備される。

ハイラックスの安全装備は先行車追従型のアダプティブクルーズコントロール(以下ACC)が付かないことなどにより、トヨタのおおよそ250万円以上の車に着くトヨタセーフティセンスPとは呼ばれない。

しかし、国が行うJNCAPのテストでハイラックスと同等の自立自動ブレーキの性能を持つと思われるランドクルーザーやクラウンの結果を見ると、対停止車両には50km/h、歩行者の飛び出しに対しても日中なら50km/h、駐車車両のような遮蔽物があっても25km/hでの停止が確認されており、ピックアップトラックとしては十二分に満足できる性能を備えていると思われる。

グレードは2種類のみ

グレード展開は標準グレードのX(326万7000円)と上級グレードのZ(374万2200円)の2つで、Zを選ぶと前述した安全装備やLEDヘッドライト、一定速走行型のクルーズコントロール、スマートキー、オートエアコンなどが加わる。

なおハイラックスは1ナンバー(普通貨物車)登録となるため、2.5リッターエンジンの乗用車(車重1.5トン)と比較すると、ハイラックスの方が自動車税が安い。自賠責保険は高く、車検が新車時は2年、以降1年、高速料金がおおよそ普通車の2割増しという違いはあるが、総合すれば大差はなく、金銭的に維持に困ることはないだろう。

トヨタ ハイラックスの主要スペック

トヨタ ハイラックスの主要スペック
車種名トヨタ ハイラックス

グレード

Z

価格

3,722,000円

全長

5,335mm

全幅

1,855mm

全高

1,800mm

ホイールベース

3,085mm

駆動方式

4輪駆動(パートタイム4WD)

車両重量

2,080kg

乗車定員

5名

エンジン種類

2.4リットルディーゼルターボ

最高出力

110kW(150PS)/3,400rpm

最大トルク

400Nm(40.8kg・m)/1600~2,000rpm

トランスミッション

スーパーインテリジェント6速オートマチック(6 Super ETC)

使用燃料

軽油

サスペンション形式

(前)ダブルウィッシュボーン式(後)車軸式半楕円リーフスプリング

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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