三菱 アウトランダーPHEV 氷上試乗レポート/マリオ高野(3/3)
- 筆者: マリオ 高野
- カメラマン:三菱自動車工業/オートックワン編集部
ランエボのDNAが息づいたプラグインハイブリッドEV
続いてパイロンスラローム。
氷上のパイロンスラロームでは、ウルトラアンダーステアに備えてパイロンのはるか手前から舵を当ててアプローチし、曲がり始めると、その次にやってくる盛大なオツリ(振り返しの反動による急激なオーバーステア)に備えてカウンターを当てる準備をするのですが、ここではオツリをもらいそうになっても挙動を収束させようとする見えない力が働くような感じで、過度なオーバーステア状態が回避されたことを実感!
撮影向けに派手なドリフトアングルをつけようとASC(アクティブスタビリティコントロール)をOFFにして挑むと、アッサリ限界を超えて(いつもの)タコ踊り状態となり、雪の塊に刺さってしまいましたが、おかげで電子制御の作動の恩恵を証明することができました。
定常旋回では、フィギアスケートの浅田真央選手でも「ナニコレ滑り過ぎ!」と悲鳴をあげるのではないかと思われるほどにμが低い状況ながら、おおむね狙ったラインをトレースしながら旋回し続けることが可能で、これまたバネ下制御の巧みさに感心させられます。
腕があれば、ASCをオフにしてフロントの鼻先をパイロンに向けながら、前輪を軸に後輪をスライドさせ続けることも可能。そういう実用面における無駄なことは制御してくれないので腕を磨く必要がありますが、4輪電気モーター駆動の制御の巧みさには舌を巻きました。
続いて、LOCKモードを試します。一般的なメカニカル4WDと違って、前後駆動力を機械的にロックするわけではありませんが、やや前輪よりの配分(55対45)からフロントを引っぱり気味とすることで、NORMALモードよりもさらに安定感を増す印象です。やや後輪よりの配分によりFRっぽい挙動が味わえるNORMALよりも安定する分エキサイティングさには欠けるものの、公道で圧雪路や酷いアイスバーンが連続するような状況や登坂などのシーンに遭遇した場合は、鬼に金棒的な安心感が得られます。
いずれのモードでも、バネ下で起こっている凄まじく緻密な制御により鉄壁の安定と安心が得られることを確認。女神湖のようなクローズドコースでは、安定するばかりでは物足りないと感じた場合は、NORMALモードでASCをオフにすれば、ある程度は意図的なオーバーステアに持ち込めるので、ラリーカー的な挙動も楽しめます。これはまさに、ランエボのDNAが息づいたプラグインハイブリッドEV。AYCやS-AWCを搭載したランエボを所有したことのある人は、「ああ、この瞬間がランエボだね!」と実感できることでしょう。
メディア対抗のタイムアタック
最後に、この試乗会に参加したメディア対抗のタイムアタックが催されました。
クジ引きの結果、我がオートックワンチーム(編集部S氏とマリオ高野)は1番手スタート! お昼休みの間に降り積もった雪がグリップを高めてくれるという、絶好のコンディションでアタックできる幸運に恵まれました。
「ランエボの父」と呼ばれる中谷明彦氏や、「女神湖のヌシ」と呼ばれる斎藤聡氏、86ワンメイクレースでも好成績を残している橋本洋平氏ら、業界でも屈指の腕利きドライバーの皆さんには叶わないまでも、不肖マリオ高野も毎年氷上走行練習に励んでいるからには、達人たちに一矢報いる結果を残し、存在感を示したいところです。
しかし、持ち前のメンタルの弱さにより「一番有利であるというプレッシャー」が想像を絶する精神的重圧となり、スタート前はガチガチに緊張。さらに、助手席には雪壁ヒット(ペナルティになる)をチェックするお目付役が同乗することもあり、重圧と緊張はさらに増します。そんな中でのアタックの結果は、屈辱の最下位……!(涙)
敗因を分析(言い訳)をすると、あまりにも慎重になり過ぎてアクセルをまったく踏めなかったことに加え、タイトなコーナーだと思ってスローダウンしながら進入したコーナーが、実はアクセル全開で行ける緩いコーナーだったという勘違いが痛かったです。自分は重度の方向音痴ゆえ、こういうアタックではコースを覚えられない(覚えてもすぐ忘れる)ことが極めて不利となるのです。
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