三菱 アウトランダーPHEV 氷上試乗レポート/マリオ高野(2/3)

  • 筆者: マリオ 高野
  • カメラマン:三菱自動車工業/オートックワン編集部
三菱 アウトランダーPHEV 氷上試乗レポート/マリオ高野
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面白さにはまりマリオ高野氏も、毎年参加!

三菱 アウトランダーPHEV自動車評論家のマリオ高野さん

試乗コースの女神湖は、夜は氷点下20度近くまで下がるため、一面に最高で厚さ40センチほどの氷が張られ、巨大なアイススケートリンクという感じ。やや気温が高くなる昼間(0~3度ほど)は、氷の上にミクロの水膜が張ってμは極限まで低くなり、普通の靴ではまともに歩けないほど滑りやすい状態です。

基本はツルンツルンなのですが、その上に“雪が降り積もる”、“溶ける”、“氷る”を繰り返してできた凹凸があったりするので、μの状態はかなりバラバラ。そんな氷上に降り積もった雪を除雪し、距離にして1km近くもあるテクニカルアタックコース、定常旋回や八の字旋回が行えるエリア、パイロンスラロームが行えるエリアの3つのコースが設置されました。

個人的に女神湖の氷上は2010年にオートックワンの取材で走って以来面白さにハマり、毎年足を運んでいるので、過去の経験との比較も興味深いものがあります。

超高精度な電子頭脳がフル回転して挙動を制御

三菱 アウトランダーPHEV

まずはNORMALモードを試しました。本来、雪や氷の上では「急」のつく運転操作は厳禁ですが、ここではあえてラフなアクセルを行い急発進気味にスタートするも、どのタイヤも空転することなくスルスルと動き出します。FFやFRなどの2輪駆動ではもちろん、4WDでも電子デバイスがなければ4輪空転状態と化すような乱暴なアクセルワークでも、専用チューニングの駆動トルク・前後配分制御により極めてスムーズに発進できました。

三菱 アウトランダーPHEV
三菱 アウトランダーPHEV三菱 アウトランダーPHEV

さらにアクセルを踏み込んでも、4輪のタイヤはしっかりと有効なトルクを氷上路面に伝えるかのように力強く加速します。いかに賢い電子制御ハイテク4WDとはいえ、タイヤのグリップ性能が高くなるわけではないので、正確には微妙に空転しているはずですが、想像を絶する緻密な制御が瞬間的、かつ目まぐるしくフル作動することにより、車体を前に進める駆動力を発揮しているのであります。

さすがにコーナーへの進入は慎重に行わないと強烈なアンダーステア状態に陥り、無理をすれば簡単にコースオーバーしてしまいますが、それでもグリップが回復すれば、良く出来た扱いやすいFR車のようにアクセルONで旋回モーメントが発生する感触がしっかり得られました。

地球上で起こりうる最悪の低μ路面を克服すべく、超高精度な電子頭脳がフル回転して挙動を制御。バネ下で繰り広げられているであろう熾烈な戦いを想像させながらも、ドライバーは安楽な氷上ドライブが楽しめるというギャップがすごいです。

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マリオ 高野
筆者マリオ 高野

1973年大阪生まれ。免許取得後にクルマの楽しさに目覚め、ヴィヴィオとインプレッサWRXを立て続けに新車で購入。弱冠ハタチでクルマローン地獄に陥るも、クルマへの愛情や関心は深まるばかりとなり、ホンダの新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、ダイハツ期間工(アンダーボディ組立て)などを経験。2001年に自動車雑誌の編集部員を目指し上京。新車情報誌やアメ車雑誌の編集部員を経てフリーライターとなる。編集プロダクション「フォッケウルフ」での階級は「二等兵」。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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