三菱 アウトランダーPHEV 氷上試乗レポート/マリオ高野(1/3)

  • 筆者: マリオ 高野
  • カメラマン:三菱自動車工業/オートックワン編集部
三菱 アウトランダーPHEV 氷上試乗レポート/マリオ高野
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毎年恒例、女神湖 氷上試乗会

女神湖 氷上試乗の様子

真冬の女神湖の氷上にて、三菱「アウトランダーPHEV」の試乗会が開催されました。

駆動用バッテリーに蓄えた電力を使ってEVとして走行し、バッテリー残量が少なくなったり、急加速時や登坂時などでさらなるパワーが必要となるとエンジンが始動して発電。高速巡航時など、エンジンの燃費効率の条件が良い時はエンジンの駆動力を主力として使いながらモーターでアシストを行うという、3つの走行モードを可能としたプラグインハイブリッドEVシステムを搭載するアウトランダーPHEV。

三菱 アウトランダーPHEV

最高で67km/L(プラグインハイブリッド燃料消費率のJC08モード)という驚異的な燃費性能を備えながら、ツインモーター駆動によるハイテク4WDの卓越した走行安定性を備えたSUVでもあり、今回はその4WD技術の高さをわかりやすく体験するために、凍てついた女神湖の氷上という極限の低μ路面が選ばれたのでありました。

アウトランダーPHEVは、「パジェロ&デリカで長年磨いてきた本格SUV作りのノウハウ」と「i-MiEVで培ったEV技術」、そして「ランエボで鍛えたハイテク4WD技術」という、いわば三菱自動車のクルマ作りの粋を結集した入魂の一台。様々な注目ポイントがある中、今回は先進の「ツインモーター4WD」に焦点を当て、超低μ路面(氷上/雪上)で、その走行性能を試します。

三菱のクルマ作りの粋を結集した入魂の一台をおさらい

三菱 アウトランダーPHEV

ここで、アウトランダーPHEVの駆動メカニズムをおさらいしましょう。

フロントに2リッターの自然吸気直列4気筒エンジン(118馬力)を横置きに搭載。エンジンは基本的に発電機として使われ、駆動力として使われるのは巡航時など一部の状況に限られます。

駆動力をおもに担うのは前後輪にそれぞれ独立して配置された60kw(82馬力)の駆動用モーターで、状況に合わせて4輪を駆動。一般的なメカニカル4WDと違い、エンジンの駆動力を後輪に伝えるためのプロペラシャフトを介さないため、後輪への駆動タイムラグやフリクションロスはゼロ。前後の駆動力は電子制御によりいかようにも変化させられることが最大の特徴で、理論上は前輪100対後輪0から、前輪0対後輪100まで瞬時に切り換えられるレスポンスの早さが強力な武器となるとのこと。

三菱 アウトランダーPHEV三菱 アウトランダーPHEV

この「ツインモーター4WD」に車両運動統合制御システムの「S-AWC(スーパー・オール・ホイール・コントロール)」を組み合わせ、走行安定性を意のままにコントロールすることを狙いました。

「S-AWC」は三菱自動車が1996年からランサーエボリューションに第一世代のAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)を採用して以来、18年にわたりWRCなどのモータースポーツの現場で磨き続け、現代まで進化・発展させてきたシステムで、前後駆動配分はもちろん、左右駆動力配分も制御。さらに駆動トルクと回生トルクを最適化する機能やABS、ASC(アクティブスタビリティコントロール)の制御についても専用のセッティングを施し、万全の操縦安定性を実現したとしています。

ドライブモードはNORMALとLOCKの2種類が設定され、センターコンソールにあるボタンで切り換え可能。

NORMALの基本駆動配分は前輪45対後輪55で旋回性を重視、LOCKは前輪55対45で走破性を重視したものとして位置づけられます。

悪路の走破性はベース車のアウトランダーのようなメカニカル式のデフロック4WDのほうが若干有利のようですが、アウトランダーPHEVは床下にモーター駆動用のバッテリーを搭載することで重心高が30mmダウンしており、さらに前後の重量配分が前輪55対後輪45とバランスが良くなってるため、運動性能面で有利となる面もあるようです。

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マリオ 高野
筆者マリオ 高野

1973年大阪生まれ。免許取得後にクルマの楽しさに目覚め、ヴィヴィオとインプレッサWRXを立て続けに新車で購入。弱冠ハタチでクルマローン地獄に陥るも、クルマへの愛情や関心は深まるばかりとなり、ホンダの新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、ダイハツ期間工(アンダーボディ組立て)などを経験。2001年に自動車雑誌の編集部員を目指し上京。新車情報誌やアメ車雑誌の編集部員を経てフリーライターとなる。編集プロダクション「フォッケウルフ」での階級は「二等兵」。記事一覧を見る

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