三菱 新型eK X(クロス) ・eKワゴン 試乗│質感、安全性能、走行性能などあらゆる面で軽自動車の枠に収まらない「本気の小型車」(2/3)

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乗りやすさを向上させた新型パワートレーン

ターボは昔日の軽自動車とは一線を画す上質なドライブフィール

新型ekシリーズの解説はいったんここまでにして、試乗記に移ろう。まず乗ったのはナチュラルアイボリーメタリック+サンシャインオレンジメタリックで装われたek X「T」だ。Tは、ターボ・ハイブリッド/4WDという仕様である。ボディカラーにこだわったというだけあって、アイボリーのメタリックオレンジの2トーンは深みがあり、もはや軽自動車の塗装とは思えないほどのクオリティだ。

ドアを開けてまず驚くのは、内装、特にダッシュボードの質感の高さ。正面のパネルの柔らかさは合成皮革により表現されている。そしてシートに座ってさらに驚く。というのも、シートの出来が素晴らしいのだ。座った瞬間に体重が四散して、負担がかからないことがわかる。

いざ路上に走り出せば、ステアリングフィールは極めて上質。しっかりと組みつけられている印象は、昔日の軽自動車とは一線を画すものだ。10kg-m以上のトルクを4000回転以下で発生する新設計のターボエンジンは920kg+乗員という重さをものともしない。

ターボの立ち上がりが少々急で、アクセルを戻してもクルマが少し進むような「おつり」も感じられたが、アクセルレスポンスは良く、必要な時にパンチのある加速を見せてくれるのはありがたい。

ハイブリッドシステムは減速時にモーターで充電、13km/h以下になるとエンジンが停止。発進時にはエンジンがスムーズに再始動し、加速時に作動条件を満たすと、モーターが駆動をアシストして低燃費走行をサポートする。

なお、停車前~発進時にアイドリングストップ&スターターではなくベルトによってエンジンを再始動するシステム「オートストップ&ゴー」は、ハイブリッドシステム非搭載モデルにも全車標準で装備される。

動力性能の進歩が著しいNAモデル

一方、ekワゴンはノンターボ(NA)のみの設定だ。

外観は、先代ekワゴンのイメージを引き継ぎつつ、質感高いデザインにまとめている。個人的に多いに気に入ったのが、内装の生地や色づかい。フィアット パンダの初代・初期モデル「45」のような色調とざっくりした触感なのだ。

NAモデルは特に動力性能の進歩が著しい。先代ekシリーズは残念ながらここぞというときのパワー感がなく、特にNAモデルではその傾向が強かったのだ。新しいBR06型エンジンでは、NAモデルの最大トルクが5.7kg-mから6.1kg-mにアップしただけでなく、発生回転数も5500rpmから3600rpmに下がったことで乗りやすさが向上。発進から過不足ない加速を得ている。高速道路の走行や鋭い加速を楽しみたいならターボモデルがオススメだが、日常使用ではエンジンに少しクセがあるターボより、スムーズかつ素直に走るNAモデルで十分ではないだろうか。

ターボ、NAモデルどちらも遮音、振動がしっかり抑えられており、アイドリングストップからのエンジン再始動でも、エンジンがかかったことに気が付かないほどクルマが揺れないことも付記しておきたい。

ハンドリングも軽ハイトワゴンにありがちな大きなぐらつきもなく、安定した姿勢でコーナーを抜けられる。乗り心地は低速では少し硬めだが、スピードが乗るとしっとりとしたフィーリングが得られる。直進安定性もこのクラスとしては望外によく、これなら長距離運転も楽なのではないだろうか。

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遠藤 イヅル
筆者遠藤 イヅル

1971年生まれ。カーデザイン専門学校を卒業後、メーカー系レース部門にデザイナーとして在籍。その後会社員デザイナーとして働き、イラストレーター/ライターへ。とくに、本国では売れたのに日本ではほとんど見ることの出来ない実用車に興奮する。20年で所有した17台のうち、フランス車は11台。おふらんすかぶれ。おまけにディープな鉄ちゃん。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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