三菱 新型軽自動車「eKワゴン・eKカスタム」試乗レポート/渡辺陽一郎(1/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
乗り心地が(意外にも)快適だね!
乗り心地が意外に快適だね! と試乗を開始して真っ先に感じたのが、2013年6月にフルモデルチェンジを受けた新型 三菱 eKワゴンだ。
軽自動車で乗り心地が快適? ホントか? と疑われる読者諸兄もおられると思う。これもご賢察で、特別に快適なワケではない。「軽自動車としては」快適な部類に属するという意味だ。
最近の軽自動車は、乗り心地が全般的に硬くなった。背景にあるのは厳しい燃費競争で、無理な開発をしている車種も見受けられる。特にタイヤの空気圧。低燃費タイヤを装着し、空気をパンパンに詰め込み、転がり抵抗を減らして燃料消費量を抑えている。一般的な指定空気圧は190~220kPa前後だが、最近は280kPa、さらに300kPaまで出てきた。
その一方で数々の低燃費技術も盛り込むから、コストダウンも徹底させねばならない。安全性に影響する走行安定性を落とせないとすれば、犠牲になるのは乗り心地だ。路面の細かな振動を伝える軽自動車が増えた。
試乗する前は、新型eKワゴンも同じだろうと予想していた。JC08モード燃費は29.2km/Lで、「ダイハツ ムーヴ」や「スズキ スペーシア」の29.0km/Lをギリギリで上まわる。「どうにか0.2km/Lだけ勝てました」と無理した感じが濃厚。だから違和感なく普通に発進できただけで「乗り心地が意外に快適だね!」と思ったわけだ。
eKワゴンで試乗したグレードは最上級の「G」で、装着されていたタイヤは14インチ(155/65R14)のダンロップ・エナセーブEC300。指定空気圧は240kPaになる。ムーヴの14インチタイヤ仕様と同じ値で、決して低くはないが、常識の範囲に収まる。
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