MINIの皮を被ったスーパースポーツカー! ジョンクーパーワークス(JCW)はファミリーにもオススメのクルマだった

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キュートで親しみやすいイメージの強いMINIの中で、よく見ると「ん? なんか違う?」と気迫あふれるオーラを纏っているJCW(ジョン・クーパー・ワークス)。

多くのグレードがあるMINIシリーズの中で、超高性能バージョンのトップモデルとして君臨しています。この記事では、そんなJCWの成り立ちから普通のMINIとどこが違うのか? どんな人にオススメなのか? などをご紹介します。

目次[開く][閉じる]
  1. MINI COOPERはもともとラリーマシンとして誕生した
  2. 現行モデルは4代目! 見た目からもレーシーな雰囲気を醸し出している
  3. 運転席に座るだけで走る気が高まる! エンブレム付きのステアリングなども装備
  4. エンジンもチューニングされてパワーアップ! 日本の公道では持て余してしまうほど
  5. 分かりやすいスポーツカーは買えないファミリー層にもオススメ!

MINI COOPERはもともとラリーマシンとして誕生した

そもそも、JCWというネーミングの始まりについて。それはモータースポーツシーンでモンスターマシンがしのぎを削っていた1960年代のことでした。

小さく非力だったMINI(オリジナル ミニ)ををチューニングした「MINI COOPER(ミニ クーパー)」と名付けたマシンで、過酷なレースと呼び声高かったラリー・モンテカルロで3度の総合優勝を成し遂げたのが、もはや伝説となっているレーシングカーエンジニアのジョン・クーパー。

その息子であるマイク・クーパーがJCWを立ち上げ、現在はBMWが彼をコンサルタントに迎えて、そのスピリットを受け継いでいるというわけです。もうお気づきかもしれませんが、グレード名としてMINIの代名詞的存在となっている「COOPER」も、彼のファミリーネームから取ったものです。

JCWの名を冠した新生MINIが登場したのは、2代目MINIから。同時にWRC(世界ラリー選手権)への参戦がスタートし、試行錯誤しながら培った経験と技術を惜しみなく投入した3代目MINIのJCWが誕生。そして3ドアモデルだけでなく、コンバーチブル、クロスオーバー、クラブマンにもJCWが冠されて、それぞれのキャラクターを生かしたハイパフォーマンスモデルとなりました。

現行モデルは4代目! 見た目からもレーシーな雰囲気を醸し出している

現行モデルのJCWは、2014年にフルモデルチェンジした4代目MINI 3ドアをはじめ、コンバーチブル、クラブマン、クロスオーバーと揃い、それぞれのモデルのマイナーチェンジとともにJCWもバージョンアップして現在に至ります。

ではまず、外観の違いから。フロントマスクからして、通常のMINIとは大きく印象が変わっています。

それは、ブラックアウトされたフロントグリルもさることながら、パフォーマンスの向上には欠かせない「吸気」を確保するため、ガバッと大型のエアインテークが装備されているからです。ボンネットにも吸気口があり、MINIエンブレムもブラック。

グリルには真っ赤なバーモチーフが1本横に配されて、さりげなく「John Cooper Works」のエンブレムが置かれています。

そして全体で見ると、チリ・レッドと呼ばれる鮮やかな赤のサイドミラーとルーフ、JCW専用デザインのアロイホイールから覗く、真っ赤な4ピストン・ブレーキキャリパーが勇ましい印象。オプションでボンネットストライプなどを入れると、さらにレーシングな雰囲気満点になります。

そしてリヤビューでは空力性能を向上させ、空気抵抗を低減するリヤスポイラーが付き、ツインテールパイプがお約束。JCWクラブマンとJCWクロスオーバーには、従来より10mm太い95mmとなったツインパイプ・スポーツエキゾースト・システムが装備されています。

運転席に座るだけで走る気が高まる! エンブレム付きのステアリングなども装備

インテリアもJCWはひと味違います。ドアを開けると、John Cooper Worksエンブレムとチェッカーフラッグがあしらわれたドア・シルがお出迎え。

ヘッドレスト一体型のスポーツシートは、すっぽりと体をホールドするバケットタイプです。最上級のナッパレザーに、赤いステッチがアクセントとなったJCWエンブレム付きのステアリングは、特殊な形状のサムレストがハードなドライビング時のグリップ感を高めます。

運転席に座るだけで、テンションが上って走る気満々にさせてくれるのが、JCWのインテリアです。

エンジンもチューニングされてパワーアップ! 日本の公道では持て余してしまうほど

ではJCWのパフォーマンスを見ていきましょう。搭載されるエンジンは、2.0Lの4気筒ツインパワーターボ。

これはCOOPER Sと同じエンジンですが、そこからさらにチューニングを施してパワーアップするのがJCWのセオリーです。発揮される最高出力/最大トルクは3ドア、コンバーチブルと、クラブマン、クロスオーバーで少し変わり、3ドアとコンバーチブルが231ps/320Nm。クラブマンとクロスオーバーが306ps/450NmとMINI史上最強を記録しています。

トランスミッションは8速スポーツAT。クラブマンとクロスオーバーは4WDとなる「ALL4」で、速く走るためだけでなく、どんな天候や路面でもグリップ性能、安定性、制御性能が得られる無敵のモデルと言えるでしょう。

そして実際に走らせてみると、本当にもうロケットのような加速が味わえ、速いのひと言。世界一過酷と言われるドイツのニュルブルクリンクサーキットでテストしたというスポーツサスペンションもいい仕事をして、面白いように曲がってコーナーを駆け抜けていきます。

0-100km/h加速はわずか5.2秒、最高速は265km/h。日本の公道では持て余してしまうほどですが、山道を50km/hで走るだけでもその情熱的な走りを楽しめるのが、JCWの魅力です。

しかも、市街地で買い物や送り迎えをするなど、力を抜いて走りたい時には、そんなハイパワーを秘めているなど感じさせない、普通の快適なコンパクトカーとしても乗れるのが嬉しいところ。4人乗りにはなりますが、街乗りグルマとして使っているユーザーもたくさんいます。

分かりやすいスポーツカーは買えないファミリー層にもオススメ!

なのでJCWがぴったりな人は、普段は日常のアシとして使いつつ、たまに思いっきり走る楽しさを味わいたいという人。本当はスポーツカーが欲しいけど、家族がいるので諦めていた人。ご近所や奥様の目があるので、わかりやすいスポーツカーは買えないという人。

また、このJCWモデルをレース仕様車にして参加できる「MINI CHALLENGE JAPAN」というワンメイクレースもスタートしているので、手軽に参加できるレースにチャレンジしてみたいという人にも、JCWはオススメとなっています。

羊の皮を被った狼、いや、MINIの皮を被ったスーパースポーツカー。いつでもどこでも、乗る人が望めばそこが走りを楽しむ舞台になるクルマ。それがJCWと言えるでしょう。

【筆者:まるも亜希子】

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まるも 亜希子
筆者まるも 亜希子

大学卒業後、編集プロダクション株式会社エディトリアル・クリッパーに就職、自動車雑誌「ティーポ(Tipo )」の編集者として6年間勤務。2003年にフリーランスとして独立。現在は雑誌やウェブサイトの自動車関連記事に出演・寄稿している。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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