[試乗]”ミニバン大国”日本でメルセデス・ベンツ 新型 Vクラス「V220d」はどう映るのか(1/5)

いくらドイツ車が凄くたって、日本のミニバンには敵うまい・・・！？

かねてより日本人として、絶対的に誇りに思うことがあるとすればそれは、ミニバンという分野のクルマの圧倒的なクオリティの高さである。

この言い回しはもうすでに使い古された感すら漂っててアレだけど、日本のミニバンをひとことで表すならまさに「お・も・て・な・し」に尽きる。

一回でも日本のミニバンの細部にまで張り巡らされた、まるで神仏にお供えでもするかのような至れり尽くせり装備、特に後席へのそれを体験したら、さあもう後には戻れない。ビジネスクラスみたいにリクライニングするわオットマンでてくるわDVD観れるわパソコンデスク付いてるわ100V電源のコンセントあるわ、挙げ句の果てには七色に輝くルームライトまで。

とまあ、ときには行き過ぎたご接待感に首かしげることもありこそすれ、なんしかメチャ便利。豪華だし。世の社長さんたちの送迎車がクラウンからアルファードに変化していったのも、乗ればすぐに納得できてしまう。

ですから、恥を忍んで告白すればですよ、外国産のミニバンには一家言あるというか(国産ミニバンだって自分が作ったわけでもないんだけど)、ちょっとした上から目線でそのパッケージを見ようとしていたことは否めない。

人の気持ちを先読みするのが得意な日本人ならではの「おもてなし心」に勝るもんは、いくら世界広しといえどもドイツ車がすごかろうと、敵うまい、と。

前言撤回！ 乗ってみて「ハッ！」と気付く走りの良さ

しかしメルセデス・ベンツの新型ミニバン「Vクラス」には、色んな意味で鮮烈に驚かされた。

「走りの部分」があまりに良かったからだ。

そうだったそうだった、とハッとした。

正直、私だってクルマに乗るときゃドライバーズシートにしか座らないんだった。お財布を開く人＝クルマを買う人が一番楽しくなくてどうするんだ。それを揺さぶられるように思い出させてくれたからだ。

[日本のミニバンに対しVクラスが秀でた点とは・・・次ページへ続く]