メルセデス・ベンツ S500プラグインハイブリッド(PHV)海外試乗レポート/大谷達也(1/2)

  • 筆者: 大谷 達也
  • カメラマン:メルセデス・ベンツ日本
メルセデス・ベンツ S500プラグインハイブリッド(PHV)海外試乗レポート/大谷達也
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通常のガソリンに加え、外部電源からの電力という2系統があるPHV

メルセデス・ベンツ S500プラグインハイブリッド
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「あれ、メルセデス・ベンツ Sクラスのハイブリッドって、もうあったよね?」と思ったアナタは鋭い。

おっしゃるとおり、新型Sクラスが日本に導入された2013年10月の段階で『S400ハイブリッド』がラインナップされている。一方、私が今回ドイツで試乗してきたのは、車載のバッテリーを外部電源で直接充電できるプラグインハイブリッド方式の『500プラグインハイブリッド』。

そう聞いて「別に外部充電できてもできなくても、結局は同じハイブリッドなんでしょ?」と言いたくなる気持ちはわからなくもないけれど、普通のハイブリッドとプラグインハイブリッドの間には意外と大きな隔たりがある(以下、一般的にプラグインハイブリッドのことをPHV、S500プラグインハイブリッドのことをS500PIHと記す)。

メルセデス・ベンツ S500プラグインハイブリッド

いま、私はPHVのことを「車載のバッテリーを外部電源で直接充電できる」と説明したが、ここでバッテリーを燃料タンク、外部電源をガソリンスタンド、そしてモーターをエンジンと置き換えると、PHVのメリットがとてもよくわかるようになる。

なにが言いたいかといえば、PHVの“燃料”は、「通常のガソリンに加え、外部電源からの電力という2系統がある」ということ。いっぽう、一般的なハイブリッド車は外部電源からは充電できないので、いくら内部で電気を使っていても、結局のところ燃料はガソリンだけということになる。

おサイフだけでなく環境にも優しいクルマ

メルセデス・ベンツ S500プラグインハイブリッド
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ではなぜ、ガソリンだけでなく電気も“燃料”にできると都合がいいのか?

これはもう、なんといってもランニングコストが激安なのである。たとえば、S500PIHはバッテリーだけで33km走れる。このバッテリーを満充電しようとすると、おそらく200円弱の電気代がかかる。

一方、同じ33kmをガソリンで走るとどうなるか?仮にS500PIHがリッター15km走ったとしても2.2リットルのガソリンを使うから、1リッター180円とすれば燃料代は約400円。電気代の実に2倍にもなるのだ。

メルセデス・ベンツ S500プラグインハイブリッド

だから、いま月に1万円ガソリン代を使っている人がいたとすると、PHVに乗り換えるとそれが5000円まで節約できる可能性があるということ。これは聞き捨てならない話だ。

それにガソリンを燃やすよりも電気で走ったほうが環境に優しいという考え方もある。実際には、これは「何を燃料として発電しているか?」という問題にも関わってくるので一概にはいえないけれど、今後環境に優しい発電所が増えてくると仮定すれば、電気で走るPHVは「おサイフだけでなく環境にも優しいクルマ」ということになる。

メリットかどうかは、クルマの使い方・充電環境により左右される

メルセデス・ベンツ S500プラグインハイブリッドメルセデス・ベンツ S500プラグインハイブリッド

本題に入る前に、最後にもうひとつだけ但し書きをしたい。

先ほどS500PIHはバッテリーの電力だけで33km走れると書いたけれど、この数字はとても大きな意味を持っている。たとえば、1日あたりの走行距離が33km未満で、毎日しっかりとバッテリーを満充電できる人は、ガソリンを1滴も使わずにS500PIHを走らせることができる。

つまり、燃料代はガソリンの1/2になるわけだ。

一方、毎日必ず300kmくらい走ったり、ウチに充電設備がなくて滅多にバッテリーを充電できない人は、S500PIHのメリットをあまり享受できない。だから、PHVでメリットを得られるかそうでないかは、クルマの使い方とその人の充電環境によって大きく左右されるといっていいだろう。

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大谷 達也
筆者大谷 達也

1961年、神奈川県生まれ。エンジニア職を経験後、1990年二玄社に就職し、CG編集部に配属となる。以来、20年間にわたり同誌の新車情報、モータースポーツに関する記事を企画・編集・執筆。2010年3月フリーランスとなる。現在もCGの編集・執筆業務に携わる傍ら、ENGINE、GENROQ、東京中日スポーツ新聞、レーシングオンなどにも寄稿。日本モータースポーツ記者会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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