メルセデスAMG GT サーキット試乗レポート/河口まなぶ(2/4)

メルセデスAMG GT サーキット試乗レポート/河口まなぶ
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爆音とともに目覚めるV8ツインターボ

早速ドアを開けメルセデスAMG GT Sへと乗り込む。ドアはアルミ製だけに軽いが、とてもカッチリとした感触で閉まる。室内に入ると、まるで戦闘機のコックピット感覚。目の前のハンドルとメーターを中心にドライバーが取り囲まれるような室内のデザインだ。

室内中央で運転席と助手席を分けるコンソールにあるエンジンのスタート/ストップ・スイッチを押すと、“フォン”と周りの空気を揺らす爆音とともに、V8ツインターボ・エンジンが目覚める。

ブレーキを踏みながらハンドルの裏側左右についたパドルの右側を引くと1速に入る。DCTと呼ばれるクラッチペダルのないマニュアルトランスミッションなのでAT感覚。実際にAT免許で乗れる。

強烈なパワーでワープ感覚!

スルスルとピットを走り出す。騒音や振動はメルセデス・ベンツの通常モデルよりキツいが、それが身体を震わせて、いかにもスーパースポーツカーな雰囲気が演出されている。

ピットロードを出て、アクセルを踏み込む。するとまるで、第1コーナーに吸い込まれていく感じがする。そう、それほど加速が強烈なのだ。

第1コーナーにあわせてハンドルを切る。その感触はとてもダイレクト感があって、まるで路面を手のひらで触れているかのように状況を伝える。

履いているミシュランのパイロットスーパースポーツという特別なスポーツタイヤが、しっかりと路面に吸い付いて曲がるための力を生み出しているのが手のひらに伝わってくる。しかしハンドルを回す感じ自体は、メルセデス・ベンツの他のモデルのようにしっとり滑らかな感覚として共通する。

 曲がり切って再びアクセルを全開にする。すると気持ちを刺激する痛快な排気音が室内に響き渡り、身体がシートに押し付けられる加速が始まる。次のカーブまでは本当にアッという間のワープ感覚。だからすぐに今度はブレーキを踏んで減速しなければならない。

そうしてブレーキを踏むと、今度は強烈な制動によって身体が前へ飛び出していきそうになる。ブレーキが極めて強力なのだ。

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河口 まなぶ
筆者河口 まなぶ

1970年生まれ。大学卒業後、出版社のアルバイトをしたのちフリーランスの自動ライターとなる。1997年に日本自動車ジャーナリスト協会会員となり、自動車専門誌への寄稿が増え、プレイステーション「グランツーリスモ」の解説も担当。現在、自動車雑誌を中心に一般誌やwebで自動車ジャーナリストとして活躍。記事一覧を見る

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