メルセデス・ベンツ 新型Aクラス 試乗レポート|「Hi, Mercedes!」基準を塗り替える革新的コンパクトカー(2/2)
- 筆者: 島下 泰久
- カメラマン:小林 岳夫
新世代のデザインを導入したフレッシュなエクステリア
その意味ではスタイリングも、こうした層にアピールしそうなフレッシュな印象だ。CLSに続いて使われた台形ラジエーターグリルとつり上がったヘッドライトが象徴的なフロントマスク、煩雑なキャラクターラインが整理されて面で見せるようになったサイドビュー、横長のテールランプでワイド感を強めたリアエンドなど、どの角度から見ても新しいと感じさせる。しかも、このエクステリアは見映えがいいだけでなく、Cd値0.25という驚異的な空気抵抗の小ささをも実現しているのだ。
インテリアも、とてもスマート。TFTスクリーンを2枚並べたデジタルコクピットはすでにメルセデス・ベンツではお馴染みのものだが、新型Aクラスは先述のとおり超薄型10.25インチスクリーンを採用している。ガラス投影型のヘッドアップディスプレイ、タービン形状の円形エアダクトなどとの組み合わせで、まさに最先端の室内空間を描き出しているのである。
ピラーのスリム化により視界が広がり、開放感が高まった室内はスペースも拡大されていて、頭上、肩周り、肘周りのいずれも先代より少しずつ余裕が増している。荷室は奥行きも幅も大幅に増えて、容量は従来の29リッター増となる通常時370リッターを確保。テールゲートの開口部も広げられた。
セグメントの基準を塗り替える革新的なコンパクトカー
では走りはどうか。新型Aクラスは新しいアーキテクチャーを採用し、ボディもシャシーも完全に新設計とされた。しかもこの車体は、軽くて高剛性。振動、騒音も低く抑えられることから快適性の向上にも寄与する。新技術の遮音材の採用などもあり車内での会話明瞭度は12%向上したという。
実際、その走りはまず高い快適性に唸らされる。ボディは剛性感が高く、路面からの鋭い入力に起因する騒音、振動がよく抑えられている。静粛性も素晴らしい。風切り音がまるで気にならず、ロードノイズも小さい。ライドコンフォートについては、18インチタイヤを履くAMGライン仕様の乗り心地はやや硬め。快適性で選ぶならノーマルの16インチがいい。
フットワークはと言えば、ステアリング操作に対する反応が小気味良く、スポーティに走らせることができる。メルセデスらしいしっとりとした操舵感が備わり、スタビリティも上々。率直に言って、軽快ではあっても快適性、安定性などでクラス水準からは見劣りした先代からの進歩の幅は大きい。
試乗したA180のエンジンは、従来の1.6リッターターボから1.4リッターターボへと排気量を縮小しているが、走らせてみると、先代の特に前期型では痩せていた低中速域のトルクが豊かになり、とても走らせやすい。7速DCTのダイレクト感も、優れたドライバビリティに繋がるポイント。エンジンフィールは色気に乏しいけれど、十分に小気味よさが感じられる。
さすがメルセデス・ベンツで、先進安全装備・運転支援装備も充実している。操舵支援、完全停止・再発進まで行なうアクティブディスタンスアシスト・ディストロニックや、ウインカーレバーの操作だけで車線変更を自動で行なうアクティブレーンチェンジアシストまで備わるのだ。
新型Aクラスは、まさにセグメントの基準を塗り替える革新的なコンパクトカーとしてデビューした。但しその分、エントリーのA180は328万円、A180 Styleは369万円と価格はそれなりに上昇しているから誰にでもお勧めとまでは言い難いが、手に入れた方はきっと、その先進感含めた新鮮な体験に大いに満足するに違いない。
[筆者:島下 泰久/撮影:小林 岳夫]
メルセデス・ベンツ 新型Aクラス
メルセデス・ベンツ 新型Aクラス 主要スペック | ||
---|---|---|
A180 | A180 Style(AMGライン装着車) | |
メーカー希望小売価格(消費税込) | 328万円 | 369万円 |
全長 | 4420mm | 4440mm |
全幅 | 1800mm | |
全高 | 1420mm | |
ホイールベース | 2850mm | |
乗車定員 | 5名 | |
車両重量(車重) | 1360kg | |
エンジン種類 | DOHC 直列4気筒 ターボチャージャー付 | |
駆動方式 | FF | |
排気量 | 1331cc | |
エンジン最高出力 | 100kW(136PS)/5500rpm | |
エンジン最大トルク | 200N・m(20.4kg・m)/1460~4000rpm | |
トランスミッション | 7速AT(7G-DCT) | |
燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
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