マツダ 新型ロードスター RFとソフトトップ、どちらが買いなのか!?【徹底解説】(1/2)

マツダ 新型ロードスター RFとソフトトップ、どちらが買いなのか!?【徹底解説】
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いよいよ“ファストバックスタイル”のハードトップを備えたロードスターRFが発売開始

マツダ ロードスター RF(Retractable Fastback) プロトタイプマツダ ロードスター RF(Retractable Fastback) プロトタイプ

ホンダからS660やNSXが加わったものの、依然として国産スポーツカーは車種が少ない。2/3ドアクーペは10車種に満たない状況だ。

そうなるとバリエーションの追加も、選択肢を広げる上で大切になる。マツダ ロードスターは、電動開閉式ハードトップを備えたロードスターRFを追加設定した。2016年11月10日に予約受付を開始して、発売は12月22日だ。

先代ロードスターにも電動開閉式のRHT(リトラクタブルハードトップ)が用意されたが、現行ロードスターRFはハードトップの開閉方法が異なる。オープンにした時でも後部のピラー(柱)が残り、ソフトトップとは違う外観に仕上げた。

これをファストバックスタイルと呼ぶ。リアウインドウが傾斜せずに直立しているから、正確には異なる表現だが、ボディを側面から見た時の形状はファストバックだ。

マツダ ロードスター

エンジンも国内ではRF専用とした。ソフトトップは直列4気筒1.5Lのみだが、RFでは北米や欧州に設定される2Lを搭載する。RFに1.5Lはない。

グレードはベーシックなS、ビルシュタイン製ショックアブソーバーを装着したスポーティなRS、ナッパレザーのシート生地が採用された上級指向のVSがある。SとVSには6速のMTとATが用意されるが、RSはMTのみだ。このあたりの基本的なグレード構成はソフトトップに準じる。

 

■マツダ ロードスターRF [VSグレード] 基本スペック

全長

3,915mm

全幅

1,735mm

全高

1,245mm

ホイールベース

2,310mm

乗車定員

2名

車重

1,130kg

エンジン

2リッター直4 DOHC(SKYACTIV-G 2.0)

最高出力

116kW〈158PS〉/6000rpm

最大トルク

200N・m〈20.4kgf・m〉/4600rpm

JC08モード燃費

15.6km/L

気になるグレード選びと納期!

マツダ ロードスター RF(Retractable Fastback) プロトタイプ
マツダ ロードスター RF(Retractable Fastback) プロトタイプマツダ ロードスター RF(Retractable Fastback) プロトタイプ

次はグレードの選び方を考えたい。S(324万円/価格はすべて6速MTで表記)とVS(357万4800円)では33万4800円の価格差があるが、VSはブラインドスポットモニタリングなどを含めたセーフティパッケージ(Sのオプション価格は10万8000円)、Boseサウンドシステム(7万5600円)、CD/DVDプレーヤー&地デジTVチューナー(3万2400円)を標準装着する。さらに2万円相当のシートヒーターも加えた。

そうなると装備の違いだけで約23万6000円に達するから、VSの特徴とされるナッパレザーのシート表皮は約10万円になるわけだ。VSが割安とはいえないが、前述の装備を含めてニーズに合うなら選択の余地があるだろう。逆にさほど魅力を感じないなら、Sにセーフティパッケージを加える買い方を推奨したい。

RS(373万6800円)は、Sに比べて49万6800円高い。装備も充実しており、セーフティパッケージ(10万8000円)、Boseサウンドシステム(7万5600円)、CD/DVDプレーヤー&地デジTVチューナー(3万2400円)、エンジンの吸気音を聞かせるインダクションサウンドエンハンサー(1万2096円/ディーラーオプション)を標準装着する。シートヒーター(2万円相当)を加え、これらの合計は約24万8000円だ。

ロードスターRFの納期については、2017年2月2日現在、SグレードとVSグレードの納期は受注からおよそ2週間前後となっている。また、RSグレードは5月中旬頃から順次納車予定だ。

マツダ ロードスター RF(Retractable Fastback) プロトタイプ

そうなると残りの約25万円がビルシュタイン製ショックアブソーバー/フロントサスタワーバー/レカロ製シートという、RSの専用装備に支払う金額になる。

これも妥当だろう。軽自動車のダイハツコペンにはSグレードが用意され、ビルシュタイン製ショックアブソーバー、レカロ製シート、MOMO製ステアリングホイールなどをセットにして約20万円の価格上昇だ。ロードスターRFで25万円なら高くはない。個別に交換する時の工賃込みの価格に比べれば大幅に安い。

それでも足まわりとシートの上級化で25万円の上乗せになると、判断に迷いそうだが、乗り心地、走行安定性、操舵感にこだわるなら選ぶ価値はある。

 

■ ロードスターRFのグレードと価格一覧

S

6速MT

324万円

6速AT

326万1600円

VS

6速MT

357万4800円

6速AT

359万6400円

RS

6速MT

373万6800円

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RFとソフトトップ、どちらが買い得なのか?

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価格ではRFとソフトトップの違いも気になる。RFには電動開閉機能も備わり、どの程度の価格上昇になるのかを考えたい。

注意したいのはRFとソフトトップではグレードと装備が異なることだ。VSはソフトトップに用意されないので、条件を整えやすいRS同士で比べる。

RFのRS(373万6800円)は、ソフトトップのRS(319万6800円)に比べて54万円高い。ただしRFはソフトトップにオプション設定されるi-ELOOP&アイドリングストップ(8万6400円)を標準装着した。排気量はRSが1.5リッターだからRFは500ccの拡大になり、相場は「100cc当たり2万円」だから10万円に換算される。

このほか16インチアルミホイールの17インチ化、ブレーキサイズの拡大、内装の質感向上なども含めると、RFには総額で25万円相当の価値が加わる。この金額を車両価格差の54万円から差し引いた約29万円が、電動開閉式ハードトップの対価だ。

ソフトトップもオープンモデルだから、電動機能が加わるだけで29万円では割高な印象もあるが、簡単に開閉できるメリットに加えて快適性やセキュリティの安心感も高まる。そこまで加味すれば、あながち割高ではないだろう。先代型のRHTも同程度の価格差だった。つまりロードスターは、RF、ソフトトップのどの仕様を選んでも、買い得感に大きな違いはない。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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