【解説】レクサス NX300h[ハイブリッド]/NX200t[ターボ] 新型車解説/渡辺陽一郎(3/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
ターボの「NX200t」とハイブリッドの「NX300h」、どっちがお買い得!?
グレード構成は、2リッターターボのNX200t、ハイブリッドのNX300hともに「標準仕様」のほかに装備を充実させた「Iパッケージ」、専用の足まわりなどを備えたスポーティな「Fパッケージ」、豪華指向の「バージョンL」を設定。ターボ、ハイブリッドでそれぞれ4グレード、計8グレードをラインナップ。そして、各グレードに「2WD」と「4WD」が設定されている。
車両価格は、最も安価なNX200tの2WDモデルが「428万円」。レクサス RXに直列4気筒の2.7リッターエンジンを積んだRX270が444万3,429円だから、NX200tはボディがコンパクトな代わりに、3.5リッター並の動力性能を発揮して価格は約16万円安い。IS250の438万2,000円とも肩を並べる価格設定だ。
ハイブリッドのNX300hの2WDは「492万円」。NX200tに比べて64万円の価格上昇だが、IS250とNX300hの価格差も約60万円だから、似通った値付けになっている。
ただし、損得勘定を正確に判断すると結果が変わる。NX300hのハイブリッドは、直噴式を使わないハリアーと同じタイプだ。そこでハリアーのハイブリッドとノーマルエンジンの価格差を見ると約70万円になる。
一方、NX200tは2リッターターボで動力性能は3.5リッター並。ターボを装着しないハリアーの2リッターエンジンに比べると、当然ながらコストは高い。となれば、NX200tとNX300hの価格差は、40万円前後が妥当だろう。
動力性能もハイブリッドは3リッターの水準だから、現状の価格差では2リッターターボのNX200tが割安と判断できる。
モデル名 | エンジン | トランスミッション | 駆動 | 価格 | |
---|---|---|---|---|---|
レクサス NX200t | version L | 8AR-FTS (2.0L直列4気筒ターボ) | 6 Super ECT | 2WD(FF) | 4,920,000円 |
AWD, | 5,180,000円 | ||||
F SPORT | 2WD(FF) | 4,920,000円 | |||
AWD | 5,180,000円 | ||||
l package | 2WD(FF) | 4,420,000円 | |||
AWD | 4,680,000円 | ||||
2WD(FF) | 4,280,000円 | ||||
AWD | 4,540,000円 |
モデル名 | ハイブリッドシステム | 駆動 | 価格 | |
---|---|---|---|---|
レクサス NX300h | version L | リダクション機構付のTHSII | 2WD(FF) | 5,560,000円 |
AWD | 5,820,000円 | |||
F SPORT | 2WD(FF) | 5,560,000円 | ||
AWD | 5,820,000円 | |||
l package | 2WD(FF) | 5,060,000円 | ||
AWD | 5,320,000円 | |||
2WD(FF) | 4,920,000円 | |||
AWD | 5,180,000円 |
燃料代でみれば「NX300h」ハイブリッドが有利だが、魅力は「NX200t」ターボが上まわる
燃料代はどうだろうか。
実用燃費がJC08モードの85%、ハイブリッドのレギュラーガソリンが1リッター当たり170円、ターボのプレミアムガソリンが1リッター当たり180円として計算すると、2WDの場合1km走行当たりの燃料代はNX200tが「16.5円」、NX300hは「10.1円」だ。NX300hはNX200tよりも6.4円安い。64万円の価格差が埋まるのは10万kmを走った頃になる。
ハリアーの場合、豪華指向のSUVとして2リッターのノーマルエンジンは力不足。メカニズムの魅力も乏しいのでハイブリッドを推奨するが、レクサス NXはNX200tがパワフルで、先進の小排気量ターボだから満足度も高い。加えてハイブリッドとの価格差が10万km前後を走らないと埋まらないのであれば、動力性能と出費の両面でNX200tの魅力が勝る。
ハイブリッドよりもターボの方が買い得度が高いという結果は、トヨタにとっては皮肉でもあるだろう。トヨタはハイブリッドを環境技術の主力に据えて、さまざまな車種に普及させてきたが、自ら設定した2リッターターボにより、少なくとも損得勘定では見劣りすることになってしまったからだ。
かつての日本車メーカーは、トヨタに限らず2リッターのガソリンターボを豊富にそろえていた。それなのにスポーティモデルの衰退と併せてラインナップが減り、環境性能への対応では欧州メーカーに先を越された。日本のクルマ好きとしては残念な気分だ。
あの時代のターボ技術に磨きをかけていたら、日産やトヨタのエンジンをメルセデス・ベンツやBMWが採用していたかも知れない。「たら・れば」の話ではあるが、今の軽自動車が搭載する高機能なターボを見れば、そうなっていた可能性は高い。このモヤモヤした気分も、NX200tの登場で終わりにしたい。
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