レクサス新型LSは初代の衝撃を超えられるか!試乗で見えた攻めの姿勢(2/3)
- 筆者: 山本 シンヤ
- カメラマン:LEXUS INTERNATIONAL
突飛に見えながらも要所をシッカリと抑えている“塩梅の良さ”
後席を重視するフォーマルセダンでありながら6ライトキャビンのクーペシルエットとなった新型LSをを改めて日の光の下で見ると、非常にエレガントで存在感も高い。ジャーマン3の後追いではなく独自性を感じる一方で、突飛に見えながらも従来モデルと見比べると要所をシッカリと抑えている “塩梅の良さ”を感じた。
早速、運転席に座ってポジションを調整。従来モデルよりもかなり低めの着座位置でありながら、日本の美意識が盛り込まれた独創的なインパネ周りにより、「程よい包まれ感」と「視界の良さ」が新型LSのポイント。逆に後席はゆとりある空間でクラストップのレッグスペースはもちろん、低重心パッケージにすることでデザイン優先のエクステリアながらヘッドクリアランスもシッカリ確保されており、身長170cmの筆者は全く問題なかった。ただしサンルーフ付きのモデルはルーフライニングが下がっているため、人によっては閉塞感があるかも!?
初代LSに通じるV8ターボ並みの加速
421ps/600Nmを発揮するV6-3.5リッターツインターボを搭載する「LS500」は、いい意味でターボらしくない自然で滑らかな特性でトップエンドまでストレスなく回る。発進時に車両重量2トンの重さを感じるが、それ以外は力強いパフォーマンスで「V8ターボ並みの加速」を実感。小さな排気量で大きな排気量並みのパフォーマンス……と言うのは、大排気量を搭載するライバルに対してV8-4.0リッターにこだわった初代LSに通じる部分もある。
また、絶対的なパフォーマンスだけでなく、ゆっくり走っている時はエンジンの存在を感じさせない静粛性、アクセルを強く踏み込むと心地良いサウンドと、「静」と「動」を上手にコントロールしているのもニクイ。Fスポーツはエンジンサウンドに加えスピーカーから疑似音をミックスさせることでより爽快なサウンドを奏でる。
一方、V6-3.5リッター+モーター+有段ギアの自動変速機構を組みあわせた「マルチステージハイブリッド」を搭載する「LS500h」は、ハイブリッドの欠点であるラバーバンドフィールを減らしダイレクトでスムーズなフィーリングを実現しているが、ガソリン車と比べると車両重量に対して絶対的なパフォーマンスが若干足りないように感じた。また、フィーリング面でも一定速だと非常に静かなのだが、アクセルを踏み込みEV走行→ハイブリッド走行になる際にエンジンが3000rpmくらいまで一気に上がってしまい、LSのキャラクターを考えると「静」と「動」のギャップが激しいのがやや残念な所だ。
もちろんバッテリー容量の問題やエンジン効率のいい領域を使うためなど理由はあるが、もう少し穏やかな味付けでいいかなと思う。個人的にはドライブモードをより活かし、スポーツ/スポーツ+の時にはよりパフォーマンス重視、逆にECO/コンフォート/ノーマルはモーター走行をより活かした制御と、1台に異なる2つの性格が与えられれば、レクサスのキーテクノロジーとしてハイブリッドのうま味がより引き立つのでは?と感じた。
ちなみにV6-3.5リッターツインターボ+マルチステージハイブリッドの組み合わせについて聞いてみると、技術的には可能のよう。これが実現すると「LS F」になるのだろうか!?
2トン以上の車重なのにスポーティセダン!?と思わせる軽さ
新型LSのフットワークで一番印象的だったのは、全長5mオーバー、ホイールベースは3125mmと巨体にも関わらず、乗っていて「クルマが小さく感じる」ことだ。ステアフィールは日本車離れしたカッチリした安心感で、BMW 7シリーズほど機敏ではなくメルセデス・ベンツ Sクラスほどゆったり系ではない心地よいダルさを持つ“いい塩梅”だ。直進時は矢のようにビシーっとした安定性と、目線がほとんどブレない足さばきの優れたフラットな乗り心地を兼ね備えたフォーマルセダンらしい乗り味だが、コーナリング時は操作に忠実で舵が一発で決まるライントレース性の高さ。さらに2トン以上あるクルマとは思えないフットワークの軽さや動きの素直さなど一体感の高い走りもみせて「おまえはスポーティセダンか!!」という乗り味。まさに「狐につままれる」感じだ。
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