レクサス IS350 Fスポーツ 試乗レポート(2/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
基本的チューニングのみでこれだけ走りが楽しくなる
前述のとおり、ISも登場から丸5年が経過したのだが、実は毎年のように年次改良されている。
2年前にはベースモデルの足まわりが変わり、その際は、それまで全体的に固めだなと感じていた乗り心地がそつなく快適になり、好印象だった。
そして今回のFスポーツ。試乗したのは3.5リッターモデルの「IS350 Fスポーツ」だ。
Fスポーツだけエンジンに何か手が加えられているというわけではないが、相変わらずスムーズな吹け上がりを示すV6ユニットは美味だ。
試乗ステージとなった、アップダウンの続く箱根のターンパイクをものともせず駆け上がる。
今回、IS250には乗れなかったのだが、IS250の2WD車では、エンジン、トランスミッション、オルタネーターなどの制御の改良により、10・15モード燃費が従来比で0.4km/L向上し12.2km/Lとなり、エコカー減税で50%減税となったこともお伝えしておきたい。
足まわりは、スプリングとダンパーだけでなく、リアのスタビライザーも専用にチューニングされており、リアのサスペンションアームの両端のゴムブッシュについてはIS-Fのハードなものを流用したという。これらのおかげで、ステアリング操作に対し即答性があり、ロールが小さく抑えられた旋回姿勢も好印象。
攻めた走りでもタイヤがグッと踏ん張って粘る、走りを楽しめる味付けとなっている。
最初は、やや中立付近のファジーな、少し切り込んだところから急にヨーモーメントの立ち上がるステアリングに少々戸惑ったのだが、いくつかのコーナーを抜けていくうちにクセが掴めると、それがだんだん心地よくなっていく。
舵がとても速く入るので、このくらい中立がダルでないと、直進性を保つのがシビアになってしまうせいだろう。
とにかく、飛び道具は何も使わず、基本的なチューニングだけで、これだけ走りが楽しくなることを痛感した次第。ただし、この味をディーラーで行なわれる短時間の一般道試乗だけで感じ取ることは、なかなかできないような気もする。
というのも、一方でそのくらい快適性も十分に確保されているからだ。IS350 Fスポーツは、こうしたターンパイクのような場所を走ってこそ真価を発揮するクルマなので、そのあたりはイメージとしてご理解いただければと思う。
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