レクサス GS 海外試乗レポート(1/3)

  • 筆者: 河村 康彦
  • カメラマン:トヨタ自動車株式会社
レクサス GS 海外試乗レポート
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日本上陸前のレクサス GSをニースで試乗

世界最大の自動車マーケット、アメリカ。その地でおよそ15年前に戦略の展開が開始され、その目論見を早々に成功させて日本車の高品質/高性能神話をいよいよ確固たるものとしたのが、トヨタ発の高級車チャンネル『レクサス』だ。

知っての通り、今でも“舶来ブランド信仰”の強い日本。一方で、歴史と伝統をことさらに重んじる欧州などに比べると、より即物的に製品そのものを評価する傾向が強いのがアメリカという国の人々。そんな彼の地のユーザーの間では、LS400(=初代セルシオ)を頂点に据えたレクサス・ブランドの各モデルは、その静粛性やインテリア・クオリティの高さ、装備の充実度に対し、相対的にメルセデス・ベンツやBMWに各モデルよりも割安感の強いプライスタグをさげる事などでたちまち圧倒的な人気を博したのだ。

『レクサス』が日本のブランドであるのは知っていても『トヨタ』の一部門である事は知らない人も居るというほどに、そこでは独自のイメージを作り上げるのに成功しているとも言う。そこで、そんなアメリカでの大成功を踏まえた上で、残された自動車市場の重要拠点である欧州と本拠地である日本にいよいよ本格的に攻め込もうというのが現在の『レクサス』の狙う段階。アメリカに加え、日欧の市場でもより好まれる車種ラインナップを再構築した上で、改めて『レクサス』のブランドを世界に定着させようというのが、その“母体”であるトヨタの戦略というわけである。

そんな『レクサス』が用意をする最新のモデルは、今年になってお披露目されたばかりのGSシリーズ。すでに一部のモデルが導入済みの欧州市場に加え、いよいよこの8月から一斉展開が開始となる日本市場では、このモデルが『レクサス』というブランドを新しく人々に認知して貰うための、極めて重要な起爆剤となる。

という事で、新型GSシリーズの国際試乗会が開催されたのは、南仏は風光明媚な世界屈指のリゾート地と知られるニースが起点。ここから、途中に“映画祭”で知られるカンヌの街を挟んでさらに南西に下ったやはりリゾート地、サントロペまでの往復およそ300kmが、我々日本チームに課せられたテストドライブ区間となった。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

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